映画「アメリカンギャングスター」
「アメリカンギャングスター」
原題名: American Gangstar
監督: リドリー・スコット
出演: ラッセル・クロウ,デンゼル・ワシントン,ジョシュ・ブローリン
時間: 2時間37分(157分)
製作年: 2007年/アメリカ
(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)
--------------------------------------------------
巨匠でありハリウッド映画界を引っ張る現役バリバリでもある
リドリー・スコットの最新作を映画館で観れる幸せ。。
その上、誰もが認める実力派俳優ラッセル・クロウが麻薬取締捜査官
を演じデンゼル・ワシントンがその真逆の麻薬密売王を演じるというの
だからたまらない。
ストーリーも映像も文句無しでした。相変わらず全編映像良かったけども
特にクライマックスの教会でのシーンは演技・美術・音楽・カメラアングル
その他の全てが融合した
『これぞ映画』
という鳥肌ものの映画史に残る傑作のシーンで久しぶりに膝が嬉しくて震えた。
ベトナム戦争たけなわの70年代が舞台の作品であるが全てのシーンが
リドリー・マジックといっていい安定した美しさなんだけど
全体的にグレーかかっているなー(それはそれでトーンが安定していて
綺麗だけど)、70年代を舞台にした映画であれば何だか画面が極彩色で
ビートの激しい音楽に乗って黒人が踊り狂うっていう勝手なイメージが
あるけど、この色調の落ち着いた統一感はリドリー自身の
「その時代を知っている者」
としての拘りだとか。
どこかどうしても清潔感の漂うデンゼル・ワシントンが麻薬王という
キャスティングはどうなんだろうと安定した演技を楽しみながらも
思っていたが全部見終わってみれば激しく納得。
彼のテキパキとした麻薬ビジネスの推進と堂々とした貫禄ある風格と
演技にともすればその生き方を観客に肯定させてしまう危険な
魅力が漂うが
「悪事」に手を染めた者に一時も安息は無い
というメッセージを安っぽいセリフとかではなくあくまで「映像」
として随所に仕込んでいるところも拍手。
欲を言えば個人的にはラッセル・クロウ演じるリッチー・ロバーツの部下達の
キャラがもう少し掘り下げられているとさらに良かった。
---------------------------------------------------------
映画感想一覧>>
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 映画と賞を取ることについて関係性における独り言(2021.05.02)
- 映画「ジョーカー」(2020.12.09)
- 映画「魂のゆくえ」(2020.07.24)
- 映画「愛の渇き」(2020.05.01)
- 特撮映画における或る命題について(2020.04.29)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
昨日「グラインドハウス」のDVDが届きました
(デスプルーフやプラネットテラーのDVDではなくグラインドハウスです)
とりあえずインタビュー・メイキング等から見てますが
さすがに6枚組は内容が濃い!
タランティーノが
「影なき淫獣」について語ってた部分があって
参考↓
http://www2.plala.or.jp/MORIYAKEIJI/TORSO.htm
映画好きの行きつく所って同じなのかなぁって
思ったり
また
「影なき淫獣」のDVDは何故かアマゾンで4万5千円とかになってるので
買っといてよかったなぁ
と思う次第であります
投稿: 万物創造房店主 | 2008年3月24日 (月) 18時16分
>何故かアマゾンで4万5千円
なんかここ数年世の中見ていて
真剣に思いますが
青臭い頃友達と馬鹿にして爆笑しながらも楽しんだ
数百円でレンタルして借りて観ていたお馬鹿B級
ホラー映画とか宝石のように貴重になってきて
本当に入手不可能=「見ることが出来ない」
=存在しない
世の中になってきてますね。誰かの陰謀かと思う
ほどに"ダメコンテンツ"が世界をグローバルに
覆ってる気がして鬱々するっす。。(ーー)
日本は"ダメコンテンツ"がスペースデブリの
ようにくまなく覆っている先進国すね。
投稿: kuroneko | 2008年3月24日 (月) 23時53分
今、大阪のある会社のラインナップがすごいっすよ
コチラ↓
http://whd.dip.jp/index.html
今後もむちゃ期待してます
投稿: 万物創造房店主 | 2008年3月25日 (火) 15時21分
いいですねー匂います!!
\(^_^)/
そうそう新宿にも駅から数分なのに
ビル全館使ってB級映画(主にホラー)ばかり
置いている頑張っているお店あります。
たまに「深呼吸」しにわざわざ行きますよ。
投稿: kuroneko | 2008年3月26日 (水) 02時11分