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2008年4月23日 (水)

問題はデータベースの少なさ。

世の中で起きている悲惨な事件・事故を眺めていると
発端はじつにつまらない出来事であることが少なくない。

発端はささやかな出来事なのに事態が停止することなく
エスカレーションしていく過程にはほぼ必ず関って
いる人々の経験値の少なさが原因となっているように
思える。

呼び鈴を鳴らして遊んでいたらたまたまなぜか警戒
されずに家に居れてくれて身分を偽ったらたまたま
信じてくれて何だか興奮して気が付いたら取り返しの
つかないことになっていた。。

たまたま映画を事前に観たいと言った『だけ』なのに
マスコミやら映画館運営側やらが『勝手に』騒ぎ出して
私は何も言っていないのに上映中止騒ぎになってあら
やだわ。でも取材が来るからいつもより厚くお化粧し
なきゃね。私って有名人。。

自分が社会と繋がっていることが判らない。
自分の立場と行使可能な力の大きさや波及効果が
まるで理解できていない。

社会に出るまでに経験しておくべき些細な出来事
の積み重ねがされていない。

政治家から国家公務員から一流企業のサラリーマンから
18才の少年まで。

何もないままで年月だけが過ぎ外見や資格だけで
権利が与えられていく。

こうして権利を与えられても適正に行使できない人々を
利用して為政者達は人々の権利を奪っていく。

奪っていく結果が結局は社会不安の増大と全体の
収益率の低下に繋がることを為政者もまた経験も知恵も
持たないので判らない。

法体系も社会規範も過去の経験則もデータベースを持たない
人々の前では何の役にも立たない。

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光市母子殺害 元少年、閉廷後に一礼
2008年4月22日(火)16:15

 「被告人を死刑に処する」。裁判長に促されて立ち上がった
男性被告は極刑が告げられると、裁判長、検察官、弁護団に一礼した。
さらに、退廷の直前には手錠をかけられたまま立ち止まり、
傍聴席の本村洋さんに向かって頭を下げた。
 一方、本村さんは傍聴席で硬い表情を崩さず、判決の瞬間も
男性被告の背中をじっと見つめていた。裁判長に深々と一礼した
あと法廷を出ると、傍聴人から拍手がわき上がった。
(以下略)
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http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/e20080422006.html

拍手をした人々はなぜ、どのような気持ちで拍手したのか。
飲酒運転が悪だからといって酒の提供者や同乗者にまで罰則
を規定した法案の通過を満面の笑みで讃えた人々と私には重なっ
て見える。

殺人がいけないことは当然で飲酒運転による事故は痛ましい。
しかし直接関係無い人々を問答無用で罰することに何の
後ろめたさも感じず寧ろ悦びを覚え、一人の人間の死刑判決を
拍手で迎えるその思考の先にもより良い社会はきっと存在しない
無いだろう。

まるで幼稚園のプールのように底が浅くなってしまった現在の
日本社会を何とかしなくてはならない。

個々のデータベースの蓄積は大人になってからではとても容易な
ことではない。かといって学校で教科書を使って教えることも
出来ない。

多種多様な人間とのもみ合いの中でしか

データベースの蓄積は出来ないと思う。

データベースの蓄積が自分に無いことい気が付いた裕福層
や権力で庇護されている人々は逆ギレし、世の中全体を
ますます思慮の無い社会に向かわせて自分達のレベルが低くない
んだと自己弁護したいように思われてならない。

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日記」カテゴリの記事

コメント

>データベースの蓄積がない
と同義だと思うのですが
僕は価値観の断絶が根本原因だと思いますね
まず
明治の文明開化で
和を否定しての西洋化をすすめ
ここで1回価値観の破壊が行われるわけですが
今度は敗戦して
それさえも崩れ落ちてしまうわけです
そして
そのからっぽになったところに
アメリカ様のものさしを奇形化した
拝金主義・実利主義・個人第一主義といった
歴史的な蓄積のない薄っぺらい価値観ができちゃって
そこから脱却できずにいるのが今の状態かと思います

投稿: 万物創造房店主 | 2008年4月23日 (水) 14時45分

まぁ僕の言うところの蓄積の場合
社会的なデータベースの蓄積ということで
やや大きな範囲のことになりますけど・・・
サーバーがしっかり蓄積してれば子はHDもいらないわけで・・・


話しは変わりますが
現在NHKで「篤姫」がやってる意味というか
なぜ今、幕末で薩摩なのかを考えると
NHKも日本国としてのアイデンティティーや
断絶したデータベースの再構築を目指してるのではないかなぁ・・・
と思ったりもしますが
考え過ぎかもしれません

投稿: 万物創造房店主 | 2008年4月23日 (水) 14時53分

>価値観の断絶が根本原因
ここ数百年の日本のお家芸のような気もしますね。
『断絶』って。関ヶ原の戦いも大きな断絶だった。
私は何となくですが個人的に好ましいと思える
日本人像(本当の意味の名こそ惜しけれ)は戦国時代
前後あたりにあったように思います。
メチャ大きい意味では今も「関ヶ原以後」と
言えるような気が私はします。ただしこういう
考えで現状を仕方ないとする思考には組しませんが。
 
>それさえも崩れ落ちて
「戦争」というのは他国の精神的文化を完全に
蹂躙し根絶やしにするところに肝があるのですが
そういう意味では日本は完敗しましたね。
今この瞬間も負け続けている。。
まあ私は半分以上「自業自得」と思っているので
すが。相手の土俵に乗った瞬間から敗北は
必定だったと。学んでいないですね今も。
とても残念なことです。
 
>そこから脱却できずにいる
どころかここ数年『後退』が加速して
いますね(ーー;)"改革"という言葉の
陵辱を許した代償はあまりに大きいすよん。。
なんでこんなに皆負け好きなのか。。
 
>やや大きな範囲のこと
そうでもないと思いますよ(^^)
そうは言っても一億人が住む国すからね。
大事なことどすえ。
 
>サーバーがしっかり蓄積してれば子はHDもいらない
これはほぼ完全に同意しますね。
実は私はここ数年この考えが一応まとまって
個人的には日々実践しているつもりなんですよね。
他人にすすめるほどまだ思考が固まっていないのですが。
 
>なぜ今、幕末で薩摩
「薩摩に日本人のアイディンティティがあるのでは」
という試論は司馬遼太郎が何度も述べていますね。
「翔ぶが如く」は氏なりのその回答のような
ものかと。
 
>考え過ぎかもしれません
むしろ、大河ドラマっちゅうのはそのくらいの志
で作って欲しいけど何だか失速してませんかね「篤姫」(^^;)
こじんまり感が気になって興味薄れつつあるっす。
志が「あった」といえばやはり2004年の「新選組!」
だったと思います。幕末そのままに三谷幸喜を"旗印"に
若手がジジィ達に一矢報いた佳作の作品だったのではないで
しょうか(^^)今でもよくDVD観ますが結構楽しめます。
音楽も使い方が凄くいいと思うんですよね「!」は。

投稿: kuroneko | 2008年4月23日 (水) 22時24分

>「篤姫」
今、「ペリー来航」が
嘉永6年(1853年)ですから
これから面白くなるんじゃないですか
まず
「生麦事件」文久2年(1862年)
とか
「供頭の奈良原喜左衛門が駈けだし、大刀を抜いて「きぇーっ!」と気合い声を上げ、飛び上がってリチャードソンの左胴から腹を斬り下げました。リチャードソンははみ出した腸を押さえながら逃げようとしましたが、久木村利久という家士に同じ箇所を、さらに斬られて落馬。とどめを刺されました。」
この描写をしっかりやってくれれば最高です

投稿: 万物創造房店主 | 2008年4月29日 (火) 20時10分

ここから揉め始めての
「薩英戦争」文久3年(1863年)

どういう風に描写されるのかめちゃ楽しみです

投稿: 万物創造房店主 | 2008年4月29日 (火) 20時15分

>この描写をしっかりやってくれれば
どうなんでしょう(^^;)
ロケが大変だから回想シーンでやる気が。。
有馬新七どんが前半から妙に露出が多いから
寺田屋事件はしっかり描く気なんでしょうか。
「篤姫」どうもスタンスが揺れてる気がしますね。
 
>「薩英戦争」文久3年(1863年)
文久3年て忙しいからこれも描かれるのか
微妙すね。(^^)

投稿: kuroneko | 2008年5月 1日 (木) 13時03分

生麦事件と薩英戦争ぬいたら
薩摩の動機とか必然性とか
流れの重要な部分が欠落しますよね

ここまでは配役のよさでなんとか見れましたが

やらないともうダメだな
篤姫は・・・

投稿: 万物創造房店主 | 2008年5月 8日 (木) 20時33分

>生麦事件と薩英戦争
ちゃんと描きそうな気配は残念ながら無いすね。
どうも今回の大河はペース配分ハラハラします。
昔の宮崎アニメに登場する車みたく
ネジやナットが外れながら疾走している感が(^^;)
どこへ向かって疾走してるのか心配です(ーー)
悪い予感がどうも的中しそうな気が。。
本当に有馬どん絶叫の寺田屋事件がハイライトに
なったりして。

投稿: kuroneko | 2008年5月 9日 (金) 01時07分

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