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2008年5月16日 (金)

思ひ出

毎年2月から3月のどこかで一度ひどい風邪をひく。
風邪をひくと熱が出て咳が数日間止まらず、寝れず、
家でただひたすらのた打ち回る。。

今年は例年になく健康管理に気を使っているせいか
何とかここまで無事ですんできたけどGWも終わり気が
緩んだり、ここ数日寒暖の変化が激しいせいもあってか
軽く風邪気味。何だか左目の瞼も腫れてしまった。

普段滅多に使わない目薬を差していたら昔飼っていた
ハンドル名に使っている黒猫のクロ(♂)のことを思い出した。

いつかクロが結膜炎になったとかで猫用の目薬を犬猫病院で
もらってきた。で一度差してやったら二度目からは顔を上に
上げさせると両目を固く瞑るようになった。

でも決して膝の上からは逃げるわけではなく、顔を抑える
のにも抵抗するわけでもなくただ両目だけをしっかり閉じている
仕草がとても愛おしかった。

私が大学に進学して上京すると同時にクロも家出した。
猫馬鹿一家なので母は東京の私のアパートにクロが来て
いないか電話してきた。

夏休みになり実家に帰省するとずっといなかったクロが戻って
きたので家族は皆驚いた。クロはだいぶやつれていた。
夜、寝ている時には決して私から離れることはなかった。

「俺も東京に連れて行けよ」
と言っているようにも感じた。

私が再び上京するとクロも再び家出し、もう決して戻って
こなかった。

東京生活にも慣れてきたその年の晩秋のある夜、夢にクロが
出てきた。夢の中で私の布団に潜り込んで来たのだ。

朝、起きると当然の如くクロの姿は無かったが布団が
ちょうど猫が潜り込んだ形に膨らんでいて玄関のドアは僅かに
空いていた。。

 
今は実家の居間に飾ってある何枚かの写真の一枚に納まっている。
私が浪人時代に撮った一枚。私の代わりに勉強机用の椅子に
座ってじっとこちらを見つめている。
私が日々何とか頑張れるのは実に多くの人々のお陰であり、
幾分かは確実にクロのお陰でもある。

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