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2008年7月14日 (月)

映画「2001年宇宙の旅」

「2001年宇宙の旅」
2001:A Space Odyssey

原作: アーサー・C・クラーク
監督: スタンリー・キュブリック
撮影: ジェフリー・アンスワース,ジョン・オルコット
編集: レイ・ラヴジョイ
特撮: ダグラス・トランブル
出演: キュア・デュリア,ゲイリー・ロックウッド,ウィリアム・シルベスター

時間: 148分 (2時間28分)
製作年: 1968年/アメリカ・イギリス

2008年7月鑑賞 (満足度:☆☆☆☆☆)(5個で満点)
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公開40周年記念上映。
 

数年前にリバイバル公開された時に初めてスクリーンで観て以来、
この作品は劇場で上映される時は必ず観に行くことを誓った。
ということで何が何でも観に行った。

ロビーのソファーで前の回の上映が終わるのを待っていると
もう何回も観たはずなのに、メイキング本も何回も読んだのに
ワクワクして仕方無かった。なぜこれほどワクワクするのだろう。
ワンカットも見逃すまいと始まるのが待ちきれないんだろう。

相変わらず素晴らしい。

Dawn of man (人類の夜明け)

での原始的で広大な風景の迫力と
猿人達の見事なパフォーマンス。
キュブリックと脚本を共同執筆したアーサー・C・クラークが本作と同年公開だった
「猿の惑星」がその優れたメーキャップにより特別賞(名誉賞)を受賞したのに
本作が同賞を受賞しなかったのは「審査員達は"2001~"に登場する猿人を
"本物"だと思ったのだろう」と悔しがったそうだが
大画面で見ても実に優れた動きとメイクだ。

恐らくは映画史上最も知名度の高いシーンであろう
モノリスに触れた一匹の猿人が骨を"武器"に変えて
獣の頭蓋骨を打ち砕くシーンから空中に投げ出された骨
が一気に未来の軍事用衛星へとジャンプするシーン。

モノリスに触れたことで進化が始まり猿人はやがて"人"になり宇宙に飛び出す
までに「進化」した、、という見方も成り立つが

改めてじっくりと劇場で観ると
モノリスに触れた猿人達は骨を所有して武器とすることを"理解"
して武器をもっていない集団の一匹をなぶり殺しにし圧倒的に
有利に勝利して"持たざる集団"に対して骨を振りかざして激しく威嚇する。

そこから、ほどなく空中の骨のシーンから核ミサイル衛星のシーンに繋がる。
つまり人類になっても骨が攻撃用軍事衛星へと変わっただけで
国という集団同士が威嚇し合っているという構図には
猿人の頃から寸分も変わっていないという痛烈なキュブリックの
皮肉であり、進歩しているのではなく科学技術が向上したにも
関らず精神面は猿人の頃から"何一つ進歩していない"という
ことを表現したシーンであることがよく判る。

このシーンは何だか衛星が一見攻撃用軍事衛星とは今ひとつ判りにくく
乗り物のようにも見えたりすることと名曲"美しく青きドナウ"の美しい調べと映像が
完璧に調和しているので"進歩の象徴のシーン"であるかのようにも解釈されてきたが
実はそうではない。と偉そうに書くけど私なんぞも映画を観て理解したわけでもなく
本で読んで後から得た知識に過ぎないわけだが(--;)

でも骨の武器が核ミサイル衛星に変わったに過ぎないと映像を観たまま
に素直に解釈することでモノリスに過去に出会ったことを記憶して
いない人類がモノリスに触れて再び慄く滑稽さがより楽しめる。
そう思ってしみじみ観ると宇宙ステーションのラウンジでの
会話も何だか猿人が集まっているに過ぎなく見えてきて面白い。

今回観て思ったのはこのラウンジでのシーンで女性の一人の座るポーズは
意図的に"人類の夜明け"の猿人を連想させるような姿勢にしているとも
思えたのだけれど、どうなんだろう。考え過ぎだろうか。キュブリックに聞いてみたい。

当時、常軌を逸しているとしかいえなかったワンシーンごとの
厳密な科学考証の凄まじさは製作現場が本物のNASAに対して
「東のNASA」と称されるほどだったのも納得の宇宙ステーション
と宇宙船の美しすぎる軌道の軌跡や今もって最先端と言える
それらのデザインワークスは劇場で観るのに実に相応しい。

宇宙船の内部からステーションを見るシーンと外からの両者の
位置関係と回転の整合性の完璧さは何度見ても飽きない。

予算的にも時間的にも限界ギリギリまで
「本当に人類が宇宙に飛び出したらどうなるか」という
シュミレーションを才能溢れる人間達が貫徹しているから
我々凡人は何度も何度も飽くことなく楽しめるのだろう。

"東のNASA"といわれた所以は、当初は木星探査船ディスカバリー号
は土星を目指すはずだったが土星の環を映像化するのは
"不可能"だとキュブリックとアーサー・C・クラークが判断
したというまるで本当に宇宙にいくかのような冷徹・冷静な
判断からも充分に感じられる。

これらの本来、楽屋ネタに過ぎないエピソードが本作には
数え切れないほどあることとそれらが映像として結実して作品の隅々に反映
されていることはその後の宇宙を舞台にした多くの映画作品を思ってみれば
賞賛を幾らしてみてもし過ぎることはないだろう。

これからも劇場公開されれば何度でも足を運んでは
心から楽しみ、そのクオリティと志の高さに驚嘆しよう。
 
蛇足であるがアポロ11号の乗組員(アームストロング他)が月面に
降り立ったのは本作初公開の翌年(1969年7月20日)のことだ!
さらに蛇足であるが人類は月に行っていないという説では
月面着陸の映像は偽者でその作成をNASAはキュブリックに依頼したという
ことになっているのは超有名な逸話である。。

何はともあれ
\(^^)/!!祝!!公開40周年!!\(^^)/
これからも毎年祝って劇場で公開願う!毎年観に行きます!!
永遠の傑作。

 
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