« 映画「ホットファズ」 | トップページ | 映画の予習「ラストゲーム」 »

2008年8月 9日 (土)

映画「8 1/2」

「8 1/2」
OTTO E MEZZO
HUIT ET DEMI [仏]
EIGHT AND A HALF [米]

監督: フェデリコ・フェリーニ
脚本: フェデリコ・フェリーニ,トゥリオ・ピネッリ,エンニオ・フライアーノ,
ブルネッロ・ロンディ
撮影: ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
音楽: ニーノ・ロータ
編集: レオ・カトッソ
出演: マルチェロ・マストロヤンニ,ブルネッロ・ロンディ,サンドラ・ミーロ

時間: 138分 (2時間18分)
製作年: 1963年/イタリア

(満足度:☆☆☆☆☆)(5個で満点)
---------------------------------------------------------------

フェデリコ・フェリーニ「8 1/2」(ハッカニブンノイチ)。
噂はかねがね聞いていた。

レンタルでも何回も借りようかと思ったことがあるが
躊躇してきて良かった!劇場で初めて観れて良かった。
偉大な傑作だ。

まず、オープニングが衝撃だった。
中身もさることながらオープニングは映画史上屈指の出来ではないだろうか。

渋滞の車列。
男が何やら車中で苦しんでいる。
窓を蹴破ろうとするがどうしようもない。
周囲の人間達は物珍しそうに男の車に視線を注ぐが
決して助けようとはしない。
無機質な現代社会の象徴の車の渋滞のショットが絶妙な
カメラアングルで切り取られ実に「美しい」。

男の車の背後でトラックのような大型者に詰め込まれている
微動だにしない人間達の手がさり気なく映っていてシュール度
を盛り上げていて不気味だ。

男は意識を失う。
と、いつのまにか男は車を脱け出し渋滞の車列の上を
飛んでいる!死んだ・・・?

次に男は空を飛んでいる。自由に飛んでいるかと思われたら
凧のように足にはロープがついていて地上から引っ張られる。
空を飛んでいる不安定感と下から引っ張る人間のアングル
がこれまた絶妙だ。まさに映像マジック!!

男の名はグイド。職業は映画監督。
スランプから体調不良となり精神的にも追い詰められ鉱泉水を飲んで
療養するよう医者に勧められる。

グイドの周囲には美貌溢れる女優達と次回作に期待を寄せる
プロデゥーサーや映画関係者が集まってくる。

やがて新作に向けて撮影ともグイドの妄想ともつかない
虚実入り混じる映像絵巻が次々に展開されていく。。

40才前半のフェリーニの自信と躊躇の無さが画面一杯に
溢れている。

人間の心象というものを映像にするのは実は至難の技だけど
当然のことながら現実にはあり得ないわけだから言い訳も
妥協もいくらでも可能だ。

冒頭の渋滞からの空中への脱出から飛翔シーン、
美しい女性達に囲まれるハーレムシーンから
怒涛のクライマックスの次回作のクランク・インのシーンへ。

クライマックスのグイドの次回作(?)に使われる巨大な
ロケットのセットで関係者を一同に集めた製作発表の映像
の開放感と出演者達のテンションは圧巻だ。

実は何の構想も準備も出来ていないグイドは大人気なく
会見を放棄してテーブルの下に潜りこんでしまう。
絶対にあり得ないが誰もが想像しそうなシュールな
シーンに最後まで飽きさせない。

そして多くのエキストラと主要人物の入り混じった爽快な大団円。。

監督の才能だけではきっとこれだけの作品は出来ない。
監督の持つイマジネーションをフィルムに焼きつける撮影監督。
美術監督、衣装係、俳優達、、

優れた作品を劇場で観ると、製作に関った全ての人々に感謝し、
自分が今、その成果を観れたことに感謝して元気が出てくる。
精神が和らぎ世界のよりよい発展を願いたくなる。

「2001年宇宙の旅」(1968)同様に、
今後劇場で公開される機会があれば何度でも観よう。

オープニングとクライマックスだけでも、もう一度劇場にいってじっくり観たい。
  
  
  
---------------------------------------------------------------
映画感想一覧>> 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

|

« 映画「ホットファズ」 | トップページ | 映画の予習「ラストゲーム」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

僕、けっこう昔からフェリーニ見なくちゃなぁとは思ってるんですけど
結局、いまだ一本も見たことないんですよね
フェリーニ系DVD安価で出てるんで
なんかいつでも見られるしーとか思って後回しに・・・
廃盤とか色々な事情で
ヘタしたらもう一生お目にかかれなさそうなヤツをやっぱ先にしちゃいます

投稿: 万物創造房店主 | 2008年8月12日 (火) 19時14分

>いまだ一本も見たことない
全く一緒っす。
しかしいきなり「8 1/2」を劇場で観れて
マジ良かったっす。凄いすよ!この作品は!!!
出来れば劇場で観た方がいいす。
未だ興奮冷めやらずです。
もう一回か二回劇場で観たい!

投稿: kuroneko | 2008年8月13日 (水) 00時01分

他にも見なくちゃと思いながらちゃんと見てない監督にルイス・ブニュエルなんかもあります
15年ぐらい前に深夜にテレビでブニュエル映画特集やってて、そんときに何個かだけ見れましたけど
なかなか好みでした

投稿: 万物創造房店主 | 2008年9月 1日 (月) 20時04分

自分も一杯ありますね。でもやっぱりレンタル
ではなく劇場で観たい!!!!
古い映画をやる劇場がもっともっともっと
もっともっともっともっともっともっと
もっともっともっともっともっともっと
もっともっともっともっともっともっと
増えて欲しいすね。日本中に。

投稿: kuroneko | 2008年9月 1日 (月) 23時55分

僕はあんまりテレビとか劇場とかこだわりません
見れるだけで幸せって感じです
劇場はなかなか自分の見たいのやってくれませんし

投稿: 万物創造房店主 | 2008年9月11日 (木) 18時34分

自分は集中が切れる方なので
映画館派ですね。でもキザっぽく
言っていえうのではけっして無く
淡々とレンタルで年に何十本も作品を
観れる人は逆に凄いなと思います。

投稿: kuroneko | 2008年9月12日 (金) 01時08分

僕は
できるなら1日1本、年間365本とかのペースで見たいぐらいです
時間がなかったりで実際は無理ですけど
でもこれ、全部劇場行ってたら年間50万円ぐらいかかりますね・・・
僕には予算的にも一本100円のビデオがあってます(ーー;)
いつでも見れる返しに行かなくてもいい中古のヤツです

投稿: 万物創造房店主 | 2008年9月14日 (日) 17時27分

>できるなら1日1本、
自分はたまに"最低一週間に一本"と
誓いを立てて借りてもくるのですが
観ないで返してしまったりします。
多分私の場合は劇場に足を運んでスクリーンに
映写が始まるのを待つということも"観る内"として
愉しんでいるからだろうと勝手に
自己分析しています。

投稿: kuroneko | 2008年9月15日 (月) 00時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画「8 1/2」:

« 映画「ホットファズ」 | トップページ | 映画の予習「ラストゲーム」 »