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2008年8月 5日 (火)

映画「ホットファズ」

Hotfuzz_main_2 

「ホットファズ -俺たちスーパーポリスマン!-」

原題名: HOT FUZZ
監督: エドガーライト
脚本: エドガー・ライト,サイモン・ペグ
撮影: ジェス・ホール
音楽: デヴィッド・アーノルド
編集: クリス・ディケンズ
出演: サイモン・ペッグ,ニック・フロスト,ティモシー・ダルトン,ジム・ブロードベント

時間: 120分 (2時間0分)
製作年: 2007年/イギリス

2008年7月鑑賞 (満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)
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 一年間で特別表彰9回を誇るロンドンで育ちロンドンで勤務する警察官
ニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)は優秀過ぎ且つ職務に忠実なあまり
上層部に疎んじられ片田舎の村サンド・フォードに左遷される。
 ビレッジ・オブ・ザ・イヤー(イギリス国内最優秀の村に与えられる賞)の常連
であるサンド・フォードは一見平和に満ち溢れ、地元の警察署の面々は日々
弛緩しきっていた。しかしニコラスが転勤してから奇妙な事故が相次いで起こる
ようになる。真相を追うニコラスがやがて見たものとは。。

 

パンフレットによると劇場公開を求める署名2312名!!(公開決定した08/4/2時点)
の内、二人私です( ̄ー ̄)Y
(注:アドレスも名前もコメント内容も変えてあります。二回観に行ったし)

2312名を多いと見るか少ないと見るか。。意外と少なかったかな(8/5現在2700名超え)
(劇場公開を求める署名サイト http://intro.ne.jp/contents/hotfuzz.html)

自分としてはバックドラフトも連想させるような炎の前で気合たっぷりに
出動態勢を取るサイモン・ペッグ&ニック・フロストの完璧過ぎる
パロディ感に満ちたいかしたスチールの構図と町山智浩氏のblog(アメリカ日記)
で紹介されていた「死ぬほど退屈な平和な村で暇を持て余す警官」という
コンセプトと二人の雄姿のギャップから本作を傑作と確信した。

確信は微塵も揺らぐことはないので劇場で本編を観るその瞬間まで
予告編の一切のシーンを見る必要は全くなかった。

素晴らしい。

一回目の鑑賞では劇場で観れた嬉しさと期待を裏切られなった
面白さに酔いしれた。

二回目の鑑賞(一週間後同じく渋谷シネマGAGAで鑑賞)では細かい伏線の張り具合の
絶妙さと音楽の使い方の巧みさを楽しみ、全編を覆う監督エドガーライト
を始めとした脚本・主演を担当のサイモン・ペッグ等の映画への愛に涙が
出そうになった。

序盤から中盤までの展開が全て後半に向けてきっちり伏線になっていること
の構成の心地よさと正攻法な展開としての真っ当さも素晴らしいが細かい
各シーンでの抜群の安定したユーモア感とここ数年世界を席巻し続けて
きたジェリー・ブラッカイマー製作のアクション超大作の細かなカット割を
含めたパロディ(エドガーライト曰くリスペクト)を

『本気』

でやっているのが何よりも嬉しい。茶化してやることがいかに安易で
才能とセンスと技術の無い者の言い訳であるかが本作を観てよく判った。

最も賞賛すべきはサイモン・ペッグ演じるニコラス・エンジェルがスキル的な
意味ではなく"理念"としての警察官の職務(民の暮らしと"平和"を守る)をどこまでも
全うしようとすることにブレがないことだと思う。

このブレがないことで冒頭から攻めまくる随所の笑いを誘うシーンや一見のどかな村の
どこか奇妙な住人達の振る舞いが全て活きて来る。ニコラスと相棒の
ダニー・バターマン(ニック・フロスト)等の最後の凄まじい銃撃シーン
の「映画的な"正当性"」にも繋がってくる。

あまり普段映画を観ない人は細かいカット割りと一部の過剰とも思える
死体のシーン等が行き過ぎではないかと思うかもしれないけれど、これら全ては
最近の映画の風潮(主にアクション超大作映画)へのパロディとなっている。

・主人公の過去の体験のカミングアウトに大袈裟な音楽と辛気臭い演技を敢えて付ける。
(最近のアクション映画で決まって主役達がトラウマを抱えていることへのパロディ)

・それほど重要でないシーンなのに妙に気合の入った細かいカット割。
(ジェリー・ブラッカイマー風味映画への監督の"リスペクト")
 
・どうでもいいことに見えて実は。。とみせかけてさらに実は。。というフェイクの王道。

・一般常識で"どうでもいいこと"と"絶対にどうでもよくないこと"の
プライオリティがになっている人々の描写と今の社会風潮への風刺。

・味方がストーリー展開と整合性なく悲劇に合い郷愁的な音楽をむりやり
つけて安易な感動を誘おうとする昨今の某映画郡への"リスペクト"(^^;)

・etc,etc...

最後はなんと怪獣映画(&ウルトラマンなどの古き良き和製巨大ヒーロ物)
にまで見事なオマージュを捧げるサービス振りにはただただ脱帽
(怪獣映画の醍醐味は"セット"の精巧さではなく実はカメラワークの巧みさに
秘密があるという本質完璧についた見事な"リスペクト"!!)

つまるところ、、

この映画は劇場で観ないとです。

次は「ショーン・オブ・ザ・デッド」を劇用公開求む!!!!
皆で観に行こう!!\(^^)/
(本作と同じくエドガーライト監督サイモン・ペッグ主演作品)

莫大な税金を湯水のように使って国土と人心の破壊に日々勤しむ者共は
放っておいて(残念ながら対処法なし)せめて映画くらい面白い作品を
観ませう。
  
  
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コメント

エドガーライト監督いいっすよね
タランティーノのオマージュの仕方は「元ネタ馬鹿にしてんじゃねーの?」って感じがちょっとあって・・・
鼻につくというか・・・
醒める部分がちょっとあったんですよね
それに比べると
オマージュの仕方がなんかセンスがあって、尊敬を感じられる雰囲気なんで
なんだかとってもよいです

「ショーンオブザデット」と「ロブゾンビ ハロウィン」の2本立て入替えなしで
夏の納涼ホラー祭とかやってほしいなぁ・・・

投稿: 万物創造房店主 | 2008年8月 6日 (水) 17時28分

>エドガーライト監督
肩の力の抜き加減に凄い才能を感じますね。
こんだけギュウギュウ詰め込んで最後までミソが
つかないのもマジで凄い(@_@)
エドガーライト,
サイモン・ペッグ,
ニック・フロスト
最強トリオ(≧∇≦)
彼らが今後も何かやらかしてくれると
思うだけで生きる希望が湧いてきますね。

投稿: kuroneko | 2008年8月 7日 (木) 00時22分

最近
「キューブ」とか「ソウ」とか
おもろいの1本だけかいっ!って監督ばっかりやったんで
期待の星ですね

ちなみにその他僕の最近の期待の星は
今敏監督 日本
アレハンドロ・アメナーバル監督 スペイン
プラッチャヤー・ピンゲーオ監督 タイ
ってとこですかね
香港出身のパン兄弟も期待してたんですけど
結局、映像屋なんですよね
監督としてはやっぱいまいち
手塚眞みたい

投稿: 万物創造房店主 | 2008年8月12日 (火) 19時05分

>最近の期待の星
細田守「時をかける少女」(アニメ版)
ポール・トーマス・アンダーソン「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
橋口亮輔 「ぐるりのこと」
かな。私は。
橋口亮輔はちょっと無理やり挙げてみましたが。
映画で繰り返しヒットを放つって本当に難しいすよね。
ポール・トーマス・アンダーソン

エドガーライト
はそう思うと本当に異脳で素晴らしい!!
彼ら二人は今後新作が公開されたら無条件で
観に行こうと思います。

投稿: kuroneko | 2008年8月12日 (火) 23時57分

>手塚眞みたい
短編は"瞬発力"と(小手先の)"テクニック"でどうにかなるけど
長編は持続力や全体の構成・スタッフを最後まで指揮し続ける
"人間力"など比較にならない力(トータルパワー)が必要すね。
いわゆる"映画監督"=長編を撮る人達には強い父親像的な
ものを感じます。車に例えるとブルドーザーみたいな(^^)
"映像作家"と呼ばれる人達は何だかミニクーパーとかの
小さくてお洒落な感じの車種のイメージがあります。
 
因みに私は基本的に「才能の世襲」は無いと思っています。
あったら世の中面白くないし。本当に親子で優れた仕事して
いる場合って大概息子(娘)は親を一度は全否定して長期に
涙ぐましい努力をしている場合が多いすね。そういう意味では
本当は親が普通である方がよっぽど楽なはず。
日本の今のエンタメ界はその真逆を盛大にやっていますが。
親が才能の無い(努力もしない)娘息子を必死で売り込んで
いる姿は非常ーにみっともないす。
日本の政界とエンタメ界は今や瓜二つで綺麗な相似形を
描いております。右も左も真ん中もロクな社会経験も定見も
無い二世・三世ばっかし(ーー;)
お笑い界は吉本関連の先輩・後輩関係か事務所繋がり
ばっかし(ーー;)つまらん。。

投稿: kuroneko | 2008年8月13日 (水) 12時43分

手塚眞氏は本人もビジュアリストと名乗っておられるんで、長編の力がないことはわかっておられると思います
それでもまわりが担ぎ上げるんでしょうね
>「才能の世襲」
ないですねーほんと
深作親子、宮崎親子、ジャッキー親子、サモハン親子
コッポラ親子はまだいけてる方ですね、まぁコッポラが良いかどうかは別にして、それなりのクオリティを維持してる
あと、僕の中では松田優作の息子さんふたりは両方期待大ですね
そういやブルースリーの息子ブランドンリーも開花したか?と思った瞬間死んじゃいましたし、娘のシャノンリーは「エンターザイーグル」以降あんまり出てこないし・・・残念

投稿: | 2008年9月 1日 (月) 19時55分

あれ?クッキーが切れてたかな?名前が入らなかった・・・

投稿: 万物創造房店主 | 2008年9月 1日 (月) 19時56分

>まわりが担ぎ上げるんでしょうね
なーんか日本の映画は"立候補"よりも
"推薦"により監督が決まる風潮がまだ
かなりありますね。パンフとか読むと
「やってもいいと言われたので」とか
「僕でいいのかと思った」とか
日本の政治の責任不在の構造と似たものを
感じてしまいます。「20世紀少年」もそんな
匂いがするのは私だけ?(^^;)
「俺が作りたいから大金かけて作りましたが何か?」
と堂々と居直ってもらいたいもんです。
『映画監督』というのはそれでいいと思います。

投稿: kuroneko | 2008年9月 1日 (月) 23時51分

>コッポラ親子
娘さんのソフィア・コッポラは
最初俳優業のみでスタートきったけど
「ゴッドファーザーパートⅢ」(未見)での
演技がボロクソ言われて地獄見て
しばらく徹底的に自己分析したのでは
ないでしょうか。
監督とかプロドゥーサーとか裏方で
輝いている感じがします。
親父が下手に干渉しなかったのが良かった
のじゃないかと勝手に推測してます。
まあ二世・三世が勘違い振りを発揮して
落ちぶれていく様を見るのも庶民の
文字通り下賤な楽しみだたりしますが(^^;)

投稿: kuroneko | 2008年9月 2日 (火) 13時04分

>手塚眞
この前、DVD新品1000円で買った「ブラックキス」って映画はなかなか面白かったですわ
オチ(誰が犯人か)が定石ぶち壊しでステキでした
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%AD%E3%82%B9-%E6%A9%8B%E6%9C%AC%E9%BA%97%E9%A6%99/dp/B000FZDPHK

投稿: 万物創造房店主 | 2008年9月11日 (木) 18時28分

>手塚眞
偉大な父の息子という「ハンデキャップ」
を上手く逆手に取って生き残ってますね。
すげー昔に父手塚治虫に捧げた短編作品を
NHKでやっていてそれはかなり傑作でした。
録画して相当な回数見ましたね。
短編だけを集中して手掛ければいいのに。
人間観察の対象としては非常に興味あります。
この人。

投稿: kuroneko | 2008年9月12日 (金) 01時04分

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