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2008年12月14日 (日)

「篤姫」第五十話(最終回)終了。

・第五十話「一本の道」終了。

・全話終了。

まずは現場のスタッフ・キャストの皆様お疲れ様でした。

さて、
前回の第四十九話「明治前夜の再会」はとても良かった。
大体において連続ドラマといいうものは最終回の直前は
いい出来であることが多い。最終回を前にして現場の一体感が
最も増す時であろうし、最終回の視聴率向上に向けてどの回
よりも気合を入れるであろうことも容易に想像できる。

「篤姫」においても中盤以降の主舞台であり「主役」でもあった
"大奥"の終焉が描かれ女達の別れと個人的に今回の大河で楽しみ
にしていたシーンの一つ、主を失った大奥に官軍が踏み入って
来るシーンは全編の中でほとんど唯一及第点を上げたいシーンだった。
篤姫と小松帯刀の碁を打つシーンは特に感慨なし。

***  以下はネタばれしてます ***
(一応最終回なので書いておきます)

 

最終回は少し期待して録画しながら見たけど、、
とりあえず内容としては70分拡大版にする必要は全く無かったと思う。

今回の大河の基調そのままにただ単に登場人物達の"その後"が
延々と流されるだけだった。小松帯刀の最期も全くもって台詞
多すぎ。シーン自体も多すぎ且つ長すぎ。最後の最後の台詞も
何だか未練がましい平成の人間っぽい残念な台詞だった。

「沢山の人に会えて幸せでした」(というような台詞)
こういう気持ちは台詞じゃなくて演技と演出とセットと
これまでの観客に与えてきた瑛太版小松帯刀が一年かけて演じて
積み上げてきたsomethingで台詞に頼らないで真っ向勝負して欲しかった。。

天璋院と静寛院(掘北真希)の仲睦まじいシーンそのもはまあ
いいけど彼女達を取り巻いた環境の激変そのものの描写が
寂しい限りなので表面的な確執と和解それだけのものでしかないのは
観ていても寂しいものを感じた。

クライマックスで主役である天璋院の悟ったように語る台詞も残念ながら
冗長だった。ひたすらダイジェスト的にしか物語を描いてこなかった
代償とも思える。

脚本の内容からすれば最終回である今回は通常の長さ+5分くらいで充分だったが
視聴率もいいこともあって70分の拡大にすることはきっとすんなり
決まったのだろう。それに見合うだけの"物語の緩急"がもっともっと欲しかった。
最後まで内容自体の方向性と全体の枠、製作現場の最前線がチグハグな印象は
拭えなかった。

最もガッカリしたのはエンディングが何度か言及している
2004年の大河「新選組!」(以下「!」)と何から何まで瓜二つだったことだ。
メインテーマに合わせて主人公(と主要登場人物)の軌跡を時系列に追って
いくというだけなので「!」の方をことさらにオリジナル扱いする気は
さらさらないけど、「!」を知っっている人は何だか手抜きのようなものを
感じただろう。「!」のエンディングを知らない人は機会があれば見てみたらいいと思う。

そんな細部まで拘らなくてもいいじゃん。
ってことなんだろうな。結局。
歴代大河ドラマで長く人々の記憶に残る作品はラストもやはり
拘っていると個人的には思う。

最終回のタイトル「一本の道」は本編でそれなりの存在感を
放ち個人的に高く評価したい松坂慶子演じる幾島が何度か
印象的に口にした台詞だけどその幾島が最終回に出てこない
のもとても残念だった。明治以後も天璋院と幾島は交流が
あったらしいが。

総括すると

・セットや小道具は要所では豪奢で良かった。
・俳優陣とキャスティングは相当良かった。
・音楽もまあまあ良かった。
・物語の展開は時系列に並べただけ感が終始漂った。
 緩急も弱かった。

個人的に高評価したい俳優(評価したい順)
・宮崎あおい (篤姫)
・堺雅人     (徳川家定)
・原田泰造   (大久保利通)
・松坂慶子   (幾島)
・稲盛いずみ (滝山)
・掘北真希   (和宮(静寛院))
・瑛太       (小松帯刀)
・玉木宏     (坂本竜馬)

録画して且つしばらく消去しないだろう回
・第二十二話「将軍の秘密
・第四十九話「明治前夜の再会」

主役の宮崎あおいちゃんは収録完了後や
その後のスタジオパーク出演時などで何度か号泣したというけど
その涙の理由の細かいところをいつか聞いてみたいものだ。

NHKだけの話しではないけど、
いい俳優は確かに世の中にはいるし各セクションで優れた手腕を持つ
人材もいる。しかし最終的な「面白さ」になかなか
結実しない。それはあたかも決定力不足を克服できない
サッカー日本代表の姿に似ていなくもない。
国民病とはいいたくない。
組み合わせをちょっといじるだけで格段にレベルアップ
するであろうこともまた信じて疑わない。

来年の大河ドラマは今の所とくに興味なし。
 
 
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コメント

たしかに新選組と同じ終わり方だと思いました♪
一本の道としてはよかったのでは…

宮崎さんお疲れさまって感じ☆幼さは残りますが。

投稿: きらら | 2008年12月18日 (木) 12時28分

>一本の道としてはよかったのでは
現場の皆さんには本当にお疲れさまと
言いたいですね。脚本がもっと洗練されていれば
「秀吉」越えもあるいは可能だったと思います。
色々惜しかったです。
宮崎あおいちゃんは今年最も頑張った日本人の
一人ですね。

投稿: kuroneko | 2008年12月19日 (金) 00時03分

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