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2009年3月24日 (火)

映画「新選組鬼隊長」

2009年に見た映画(二十五) 「新選組鬼隊長」

原題名: 新選組鬼隊長
監督: 河野寿一
出演: 片岡千恵蔵,中村錦之助,田代百合子,原健策
時間: 114分 (1時間54分)
製作年: 1954年/日本(東映京都)
(池袋 新文芸座にて鑑賞)

2009年 3月鑑賞
(満足度:☆☆☆+)(5個で満点)

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池田屋事件(1864年7月)から近藤勇が新政府軍に投降するまでを
描く娯楽巨編。原作は子鬼澤寛。

近藤勇を片岡千恵蔵。

土方歳三を原健策。

沖田総司を中村錦之助

がそれぞれ演じている。

所謂"新選組物"映画として作られているので細かいところは
ツッコミ禁止。でもいきなりオープニングで探索方の山崎丞が
近藤達と入れ替わりに浪人達の刀を両手に抱えて走って去る
シーンは笑える。

油小路事件でも長年の同志であったはずの藤堂平助を
鬼の副長土方がじきじきに斬って捨てて全く省みないのも
とても乱暴だ。

でも二時間で池田屋事件から内ゲバの果ての油小路事件そして
鳥羽伏見の戦いとポイントを抑えて描いていかなくては
いけないのでまあこんなものかしらね。

観ていてしみじみ思ったことは2004年の大河ドラマ
「新選組!」は全体的になかなか良くやったということだ。
池田屋のシーンは部分的には「!」の方が勝っていると思う。

前半はちょっと忙しいダイジェスト的な展開だが
クライマックスの鳥羽伏見の戦いはなかなかの迫力でびっくり。

多分当時幾らでもあった京都郊外の原っぱで撮影をしたのだと
思うけど広々としたロケーションが気持ちいい。

片岡千恵蔵演じる近藤勇は情に厚くて優しくて
最後は勤皇と佐幕の間で己の信念が揺れた果ての投降
という従来の型の近藤勇をそりゃもうばっちり演じている。

"鬼"は原健策演じる副長の土方歳三の方だ。
隊の規律を守るためにはどんな犠牲も厭わない鬼の副長を
なかなか気合を入れて演じておられる。

全体的には1970年製作の三船敏郎が近藤勇を演じている
「新選組」の方がリアル感が本作よりあっていいなあ。

まあでも娯楽作品の王道に徹している本作のような作品
もいいでしょう。

最期の仲間に手を振りながら笑顔で去っていく
片岡千恵蔵版近藤勇はなんだか泣ける。

そういえば「新選組」(1970)では芹沢鴨を三國連太郎が
演じているが「新選組!」(2004)で同役を演じているのは息子の
佐藤浩市だったりする。どちらもしっかり敵役を演じきって
おられる。

土方歳三を主役にした新選組物を観たい方は
「燃えよ剣」(1966)もどうぞ。
こちらは栗塚旭が主演で当時土方歳三は大変なハマリ役だった
とのこと。「新選組!」(2004)では栗塚旭は土方歳三の兄役で出演。

個人的には大型テレビ時代劇「壬生義士伝」(2002)はかなりの
傑作だと思っていていつかDVDを揃えたいところだ。

近頃アカデミー賞(外国映画賞)を受賞した「送り人」の監督
滝田洋二郎が同じく監督した「壬生義士伝」(2003)もあるがテレビ版
の方が全然好きだ。意外と知られていないが「新選組!」の山南敬助役
で一躍ブレークした堺雅人は映画版の「壬生義士伝」では
沖田総司を演じている。

と、新選組については引きも切らないのでこの辺で。
「新選組!」や「壬生義士伝」(テレビ版)についてはまたそのうち
書きたい。

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コメント

どうも僕は黒澤以前の時代劇の殺陣がいまいち好きになれないのです
殺陣はやっぱりリアル指向が好き
ゆえに
この時代の時代劇はけっこうスルーしてしまいます
ちなみに
「燃えよ剣」(1966)は
うちの店に時々栗塚旭さんが来られるので、なんとなくDVD買って見ましたが
土方がアイドル正義の味方的な扱いでかっこ良過ぎてイマイチでした

投稿: 万物創造房店主 | 2009年3月25日 (水) 18時56分

>黒澤以前の時代劇の殺陣
最近、私は邦画を幾つも見て黒澤映画に
異質なものを感じますね。黒澤作品が傑作が
多いのは間違いないけど他の監督があまりに
埋没し過ぎているかと。
時代劇では「切腹」(1962年)はどうですか?
個人的にはこの映画はほぼ満点の映画すね。
内容も殺陣も。といっても充分黒澤以後か(^^)

投稿: kuroneko | 2009年3月25日 (水) 22時25分

>栗塚旭さん
「新選組!」での演技良かったなあ。
最終回での台詞
「お前達は時代と斬り結んだのだ」
「何が正しくて何が間違っていたのか、
そんなことは100年後200年後の人々に
任せておけばいい」
はシビレました。今でもたまに観ますよ。
お会いしたら伝えて頂ければ嬉しいっす(^^)
もう5年も経つのだなあ。。


投稿: kuroneko | 2009年3月25日 (水) 22時37分

>「切腹」(1962年)
これも気になってるんですけど未見です
去年、廉価版DVDが出たときに買うかどうか迷って買わないままです

この頃の時代劇では
とりあえず丹波さん主演の「三匹の侍」がよかったです
真剣使ってるだろこれ・・・な殺陣とか
本気で虐げられる女優さんがとてもすばらしかったです
黒澤の影響が如実に現れてますけど

>黒澤以後
いや、ほんと
黒澤以後、殺陣が100倍ぐらい面白くなった
もう僕は演舞じゃないリアル殺陣じゃないと無理です

まぁリアルと言いながら
つばぜり合いの「ガキーンッ!」って音とか
斬られるときの「ドシュッ!」って音とか
ほんとはしないんですけどね
ないとさみしい

ジャッキーのパンチがあたったときに「ビシッ!」とか音がしないとさみしいのと一緒で・・・

投稿: 万物創造房店主 | 2009年3月31日 (火) 19時44分

>他の監督
三隅研次とか岡本喜八とか石井輝男
このあたりかなり好きなんですけど
どうですか?
僕は黒澤より好きです

投稿: 万物創造房店主 | 2009年3月31日 (火) 19時57分

>これも気になってるんですけど未見です
いやこれ『最高』ですよ!!ストーリーも殺陣も。
私的には時代劇は今のところ一位ですね。
仲代達矢の渋さもいいしセットの撮り方も
上手いです。先日映画館で観る機会があって
もうニヤニヤして観てました。是非どうぞ!!
 
>丹波さん主演
最近、丹波さんの若かりし頃の作品結構観て
これからレビュー書いていきますが
結構作品によって違いますねこのお方(^^)
「三匹の侍」良さそうですね。観てみます。
 
>リアル殺陣じゃないと
自分もそうですね。でもチャンバラに至る
緊張感が描けていれば合格です。
「切腹」はですねーこの緊張感がもう最高に
上手く描けてますよ。また何回も劇場で観たいなー
 
>ほんとはしないんですけどね
真剣のデモンストレーションとか見てみたいですね。
探せばやってる所ありそうですね。
「隠し剣 鬼の爪」(2004)はアフレコで
チャンバラシーンは真剣を使って効果音を
作ってましたね。
 
>三隅研次とか岡本喜八とか石井輝男
そうですね。石井輝男はこれから観る機会がありそう
ですよ。伊藤大輔という監督の「下郎の首」というのが
内容も殺陣も良かったのでこの人の「この首一万石」
という幻の作品を観たいとか思ってますね。殺陣が
凄いらしいです。私はどうもカラっとしたのが
あんまり好きではなくて岡本喜八は今のところそれほど
興味が湧かないすね。
おお!三隅研次はググッたら伊藤大輔に師事したのですね!
ではそのうち出会うなこりゃ。
伊藤大輔の「下郎の首」お勧めですよ!
救いの無い展開と結末がもう大好きです(^^)
殺陣もリアルでいいですよ。

投稿: kuroneko | 2009年4月 1日 (水) 00時07分

そういや新撰組といえば
加藤泰監督の「幕末残酷物語」も見たいと思ってるひとつですね
徹底的に殺戮部隊として描かれてるらしいので面白そうです

投稿: 万物創造房店主 | 2009年4月 1日 (水) 16時03分

>「幕末残酷物語」
観たいですねー
前にレンタル屋で見かけましたが
この店も無くなってしまった。。(>_<。
監督加藤泰すっか!!
[絶対観るリスト]に今、登録されました(^-^)

投稿: kuroneko | 2009年4月 1日 (水) 23時33分

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