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2009年6月18日 (木)

映画「直撃地獄拳 大逆転」

2009年に見た映画(六十二) 「直撃地獄拳 大逆転」

原題名: 直撃地獄拳 大逆転
監督: 石井輝男
出演: 千葉真一,佐藤充,郷鍈治,志穂美悦子,丹波哲郎,池部良
時間: 86分 (1時間26分)
製作年: 1974年/日本 (東映)
(池袋 新文芸座にて鑑賞)

2009年 4月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆ )(5個で満点)

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ダイヤを盗まれたといっては保険金詐欺を繰り返す悪徳組織から
厳重に管理された本物のダイヤを盗み出そうと悪戦苦闘する
甲賀(千葉真一)・桜(郷鍈治)・隼(佐藤充)一味の大作戦を描く痛快劇。

細かいギャグ(ほとんど失笑ものだけど)をガンガン散りばめながら
要所要所できっちり締める千葉真一と郷鍈治のアクションが冴え渡る。

ギャグの"間"(呼吸)が映画の文法ではなくて徹頭徹尾「漫画」のそれ
であるところがバカバカしさを累乗させてなかなか斬新だ。
手間をかけて徹底的にやっているところが"サブイ"演出になっていない
ポイントと思われる。甲賀・桜・隼の三馬鹿トリオの果てしないお互いへの
いたずら合戦の一つ一つをことごとくカットも細かく分けて撮っていく。

仲間を転ばせた後、後ろから転んでいるショットをわざわざ入れる。
朝食の目玉焼きを顔面に投げつけた後、顔にくっついたショットを
いつまでも撮る。お馬鹿失笑ギャグの数とカット割りの無駄さ加減
(豪華さ)に笑うよりもそのサービス精神に感心してしまう。

数々のお馬鹿シーンの中でもその
お馬鹿度(= そのシーンを撮る労力 ÷ そのシーンの物語上の重要度)が
最も高いのが山城新伍が自衛官のチョイ役で登場するシーン。
兄弟の設定で山城新伍が二役を演じるのだが物語に欠片も関与しないのに
わざわざ兄弟で階級も異なるという設定で演じ分けしかも合成で二人が
並ぶシーンをわざわざいれる贅沢過ぎる遊びよう。

石井輝男恐るべし。
今の邦画に足りないのものの一つはこの匙加減(合理的な予算配分)なぞ 
全く考えない爽快といっていい無駄さ加減だろう。

ハイライトシーンはダイヤの保管されている金庫までの
千葉真一と郷鍈治のマジで一級品スタントの突起物を天井に接着
させて腕力だけが頼りの地獄の逆さ天井渡り(落ちると黒焦げになる)。
そしてクライマックスは丹波哲郎の隣りでずっとニコニコしていただけの
悦っちゃんのチャイナドレス姿が眩し過ぎる悪党との大乱戦。

悦っちゃんの格闘シーン短い!
でも、可愛い!強い!!カッコいい!!!!!!!!

メデタク?利用されるだけ利用され監獄行きとなる甲賀一行を
網走で待ち構えていたのは。。。鬼虎ことアラカンこと嵐寛寿郎その人であった。

石井輝男はやはり天才だ。

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コメント

あれ、これって前も
見たって書いてませんでしたっけ?
2回目?
まぁ、この馬鹿さは何回見ても癒されますしね
いいですよね
一作目「直撃地獄拳」はわりと真面目な千葉真一空手モノなんですけど
「大逆転」はもう恐ろしいくらいの馬鹿映画ですよね
これはどんなにがんばって作ろうと思っても絶対常人には作れないっす
ちなみに僕は
網走番外地シリーズもいくつか買って置いてあるのですが
まだひとつも見てないのですね

投稿: 万物創造房店主 | 2009年6月22日 (月) 19時03分

>見たって書いてませんでしたっけ?
これがその感想です(^0^)/
 
>何回見ても癒されますしね
この作品見終わった直後は「う~ん」
だったのですが時が経って思い出すほど
顔がニヤケテしまいますね。
確かに「癒し」がこの作品にはありますね。
石井輝男の作品はどんな残虐シーンが
あっても根底にある人への視線が暖かいもの
がありますね。本当の意味での
ヒューマニストの感じがする。だから
女性の裸が沢山でてきても男目線の
嫌な感じがあまりしないのかもしれませんね。
女性の美しい体を尊敬する雰囲気で
撮っている印象を受けますね。
 
>網走番外地シリーズ
自分もこれまで未見だったのですが
最近いくつか観ました。
結構想像と違ってましたね。いい意味で。
それにしても「忘八武士道」や
「恐怖奇形人間」をスルーしてたら
一生の不覚でしたね。店主さんに感謝っす!!
映画サミット楽しみすね。
酒と肴持っていきますよ(^-^)
石井輝男万歳!!

投稿: kuroneko | 2009年6月22日 (月) 23時09分

>店主さんに感謝っす!!
こちらも石井輝男の日本での評価の低さをなんとかしたいなぁ・・・とか思いつつ
布教している次第なので
見て下さってありがとうございます!
って感じです
なかなか色モノ系なので見るに至らない人が多いんですよね
ところで
ブレードランナー全部見ましたよ
で順位はこんな感じです
1位 ワークプリント版
2位 未公開シーン全編再生
3位 ファイナルカット版
4位 完全版
5位 ディレクターズカット最終版
6位 劇場公開版
ファイナルカット版と完全版の3、4位は迷いましたけど
わずかな差でファイナルカット版が3位になりました
詳しくは↓
http://banbutsusozobo.air-nifty.com/tensyu/2009/02/dvd-box-0433.html?cid=37454424#comment-37454424

投稿: 万物創造房店主 | 2009年6月23日 (火) 12時25分

>色モノ系なので見るに至らない人が多い
というよりもタイトルで"引く"のでは
ないかと思いますね。
今のところ石井輝男の作品はタイトルや
ポスターの印象よりもどれも内容は
「意外と誠実で深いな」という感じです。
作品の売り出し方法に関して石井輝男が
どこまで関与しているのか興味あるところ
ですね。私の予想では誰かに丸投げして
全く関与していないのでは関与しないと
決めているのではと思います。
石井輝男の発言等については今後ゆっくりと文献にあたっていきたいと思いますが
まずは映画を楽しみたいですね。
 
>ブレードランナー
ワークプリント版を一番に上げる人は
多いかもしれないですね。
試行錯誤中のコックが自分だけで食う
開発中の料理が結局一番美味いと(^^)
絵画等芸術作品については軒並み
当てはまる法則かもしれないですね。

投稿: kuroneko | 2009年6月24日 (水) 00時23分

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