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2010年2月25日 (木)

映画「チョコレート・ファイター」

2009年に見た映画(104) 「チョコレート・ファイター」

原題名: CHOCOLATE
監督: プラッチャヤー・ピンゲーオ
出演: ヤーニン・ウィサミタナン,阿部寛,"ソム"アマラー・シリポン,タポン・ポップワンディー
時間: 93分 (1時間33分)
製作年: 2008年/タイ
(       にて鑑賞)

2009年 6月鑑賞
(満足度:☆☆☆+)(5個で満点)

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日本人でヤクザの父(,阿部寛)とタイ人マフィアのボスの女だった母を持つ
少女ゼン(ヤーニン・ウィサミタナン)は父を知らずに育つ。心の内を表現
する術を持たずに成長してしまったゼンを幼なじみのムン(タポン・ポップワンディー)
と母親は温かく見守って暮らしていた。そんなゼンが持って生まれた能力、
それはカンフーの技を"見ただけで"体得してしまうことだった。やがて母は
病に倒れ母が方々に貸していた金を体得した技を駆使しムンと共に取り立てる
ゼン。しかし、その行動はマフィアのボスの耳に入り母とムンは囚われの身となる。
母のため友のために立ち向かうゼン。次々と現れる強敵との闘いに力尽きそうに
なったゼンの前に父の姿が、、


ジージャーちゃん(主演のヤーニン・ウィサミタナンちゃんの愛称)という
超レアなダイヤモンドを製作スタッフが一丸となって大事に大事に大事に
磨いて磨いて磨いて輝かせた作品。

でも、、
もっと、もっと、もっともっともっともっともっと輝ける(輝けた)と思う。
アクションはとても素晴らしいし、終盤での見た目虚弱な最凶青年との格闘は
まるでビートの激しいダンスそのもののようでもあり21世紀のカンフー映画の
方向性のあり方の正解の一つを示せている。

でもってはっきしいって脚本がイマイチ。悪役達が小悪党ですらない。
ただの嫉妬深くて理性が無くて視野が極端に狭いごく普通に世界的に
ウジャウジャいる現代人でしかない。日本にも東京にもいまくる没個性な
人生を楽しむ術を知らない可哀相で且つ無味乾燥な人々。

だから彼らの行動はキ○○イのそれでしかないのでいくら彼等が残虐な暴力を
働いても見ていて空しさが増すばかりだ。何人倒してもカタルシスも
やってこないしラスボスを倒しても残念ながら爽快感はない。
ただし演じている皆さんのアクションは本当に危険で訓練もよくされていて
拍手物である。

アクションシーンについては格闘しながら建物の壁沿いにつたって敵が
絡みあって下の道端に落下していくシーンがかなり痛そうで、お約束の
エンディングでのNG集では敵役の人達が救護されているシーンがあるが、
この一連のシーンは完全にスタジオ内に作られているセットだと思われ、
当然痛いは痛いだろうが本物の建物で撮影して"本物の道端"に落ちて
いくのとは人体への衝撃は違うことだろうと観ていて思った。ジャッキー・チェン
主演の大傑作「プロジェクトA」(1983)の伝説の時計塔のシーンよろしく
ロケか本物の建物でやって欲しかったところだ(←無茶)。
それでもアイデアを駆使した立体的なシーンで見ごたえは当然あるが。

またジージャーちゃんが敵を殴る蹴るの一連の"基本が出来ている"動作の
美しさも充分に魅せているけど格闘から、次の格闘に移るちょっとした
退避するシーンや場所移動の際の瞬間に何気に無茶苦茶高度で無茶苦茶危険
(失敗すれば即落命か重体)なスタントを幾つもやっていて彼らのアクションに
懸ける"本気度"はとても楽しめた。

脚本についてはいみじくも監督が
「タイ映画最大の問題はいい脚本家が少ないことだと思っている」
とパンフレットの中で語っているが本作もまたそれを見事に証明して
しまっているのが主演のジージャーちゃんの可愛さと一連のアクションシーンが
バッチリなだけに余計に残念なところだ。

でも良い脚本がなかなか出来ないのは邦画もハリウッド映画もその他
外国映画も全世界的に今は同じことで世界的にグローバリズムの名の下に
人間の単細胞化がここ10年で一気に進み、映画が本来模倣すべき社会
そのものが底割れして地盤沈下もしてしまいしばらくは仕方ないだろう。
「人間の動物化・単細胞化」は温暖化よりも核拡散よりもよほど深刻な
ことだと思う。

次回は監督は本気で日本での撮影を視野にいれているようなので
志保美悦子をカムバックさせ産休を終えた真木よう子をよーく訓練して
和製カンフー映画を育んだ日本の方々も多いに一肌も二肌も脱いで
アジア最強カンフー映画を作るしかあるまいて。

より洗練され進化したアクションを心底楽しむには、脚本が問題となるだろう。
ブルース・リーやジャッキー・チェンや千葉真一(現 JJサニー千葉)の
アクション映画がなぜかくも愛されているのか映画関係者達はマジで
根底から考えなくはいけないだろう。

幾ら考えてもセンスの無い奴は結局ダメだが、
「チョコレート・ファイター」を作った貴方方なら
まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ
もっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと
やれるはず!!!!!!!!

パンフレットが「映画愛」に満ちた記事と構成でとってもお買い得。
特にギンティ小林による「女性アクションスター列伝」は必読&爆笑必至。

ジージャーちゃんお疲れ様でした!
彼女の出演シーンの全てが最高にキュート。

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コメント

星3つ、厳しいですなー
僕はジージャーちゃんがカワイくてがんばっているので思わずAmazonの評価星5にしちゃいました
すると
参考にならない票がめちゃめちゃ入りました・・・(^_^;)
まぁあれですね
おおまかなストーリーはこれでもよかったと思うんですけど
演出や構成がちょっとダメでしたね
アクションの緩急やギャグ的な見せ方もやっぱりジャッキーの方が上
それに
おっしゃる通り倒したときのカタルシスがないのですね
マッハはけっこう悪者って感じで、カタルシスあったんですけどね
変に悪者にもお母さんに対しての恋心や仏心があるような演出がいかんですな
悪はもっと徹底的に悪であってほしい
次作やっと日本上陸のようです
大阪アジアン映画祭のみですけど・・・
http://www.oaff.jp/popup/index11.html
ちゅーか邦題「ジージャー:頑固に、美しく、猛々しく」って何? 
センスなさ過ぎでわ・・・(-_-;)

投稿: 万物創造房店主 | 2010年2月26日 (金) 18時30分

>ロケか本物の建物で
ちょっと記憶が曖昧なのですが
DVDの特典のメイキングで見たところ
ビル屋上シーンはブルーバックの屋内セット
ビルの壁シーンはロケだったと思います
ジージャーちゃんとボスのみワイヤーつけていて、ザコはワイヤーなしな感じでした
三段落ちはかなり痛そうでした
高架から迎撃されて落ちるシーンについては出てきませんでしたが、マットがひいてあってCGで消したんじゃないかと思います

投稿: 万物創造房店主 | 2010年2月26日 (金) 18時55分

>厳しいですなー
ジージャーちゃんは勿論☆☆☆☆☆
だったんですけどねー(^^;)
結構期待していたのでカタルシスのための
伏線の少なさはちょっと正直ガッカリでした。
阿部寛ももう少し上手く使って欲しかったっす。
もったいない!
 
>ビル屋上シーンはブルーバックの屋内セット
>ビルの壁シーンはロケだったと思います
そうですね。両方つかっているような感じでしたね。
私は壁のシーン(と落下)は店主さんのブログにあった
のでかなり注目して観たのですがどうもセットかなー
という印象を受けちゃいました。ロケだったのかも
しれないすね。
 
>「ジージャー:頑固に、美しく、猛々しく」
マジすか。。
小学生の作文ですか。。(ーー;)

投稿: kuroneko | 2010年2月27日 (土) 00時17分

ジャージーちゃん×

ジージャーちゃん◎
"私の"記事とコメント全部修正です。
m(_ _)m

投稿: kuroneko | 2010年3月 6日 (土) 20時03分

全く気付かなかった・・・
タイの人はみんななぜか本名と全く関係ないあだ名を常の呼び名に使ってるんですよね
なんか生まれたときにすでにつけるらしいです
なんか宗教的というか、縁起かつぎのものっぽいですね

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月 7日 (日) 14時32分

>全く気付かなかった・・・
そーですか(^^;)
「自分で気付いてください」
という有り難い放置プレーなのかと。。(笑)
子牛のように愛おしくて可愛いので
"ジャージーちゃん"なのかと勝手に
思い込んでいました(^^;;)
まあとにかく今後も
まだまだ活躍して欲しいすね。

投稿: kuroneko | 2010年3月 7日 (日) 21時49分

人間は勝手に脳内修正して自分の読み易いように読むので
ジャージーを普通にジージャーと読んでました・・・(^_^;)

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月11日 (木) 19時06分

>自分の読み易いように読むので
全く同じロジックで
ジージャーをジャージーと変換して
おりました(ーー;)

投稿: kuroneko | 2010年3月13日 (土) 10時31分

「だって人間だもの」ってことですねー

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月14日 (日) 18時12分

ですねー(^-^)
って元ネタが判りません。
スミマセン。。(ーー;)

投稿: kuroneko | 2010年3月15日 (月) 23時07分

ただ単に
相田みつを
のマネです(^_^;)

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月18日 (木) 20時19分

>相田みつを
私が尊敬している人物やよく読む作家の文献
等にはこの人の名前たまに出てくるのですが
私自身はまだ"出会って"いないですね。
深層心理下での間接的な影響は多分受けて
いると思いますが。関連書籍が別室(=物置)
のどこかにある気もします(^^;)

投稿: kuroneko | 2010年3月19日 (金) 00時37分

僕もまったく本読んだこともなくて
相田みつをの詩集みたいなのがあって
そのタイトルが確かこれだったような・・・というだけです
参考→http://www.din.or.jp/~honda/tokio20b.htm

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月20日 (土) 14時13分

なるほど。
ちょっとまだ先になりそうですね。
自分も。
何か建て直してきたMY経済が再び微妙に
傾き、
働けど
働けど
我が暮らし楽にならざり
じっと手を見る、、
日々です(ーー;)
まあでも映画サミットは今年必ず!(^-^)
気分的には
「さくさく実行したいミッション」リストの
ほぼ最上位に上がってはいるので。

投稿: kuroneko | 2010年3月23日 (火) 00時35分

>映画サミット
僕も楽しみです
限定10名、誰呼びましょう
最近、関東から仕事の関係か月2ぐらいで店に来られる映画マニアの人がいるんで
(うちのブログ「ヒッピー文化とゴミ老人」の項に「シリオ・H・サンチャゴ ファンの間彩人です」って書き込みされた人です)
その人とかいいかも
あと
やっぱ女性もいた方がいいですよね
前、うちで「恐怖奇形人間」を買って行ったおねーさん
「私、行きます!」って名乗り出ないかしら・・・

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月24日 (水) 13時44分

>やっぱ女性もいた方がいいですよね
そ、そうですね(^^;)
まあでも栄えある第1回は
二・三人でも充分に楽しいかと。
勿論沢山集まれば素晴らしいことですが。
頑張ってヘソクリ貯めます!!(^0^)


投稿: kuroneko | 2010年3月25日 (木) 00時19分

>間彩人さん
なかなか謎な書き込みが素晴らしいすね(^^)
老人なのでしょうか。。
だとしたら粋な老人だ。

栗塚旭さん来ませんかね(^^;)
↑オイ!

投稿: kuroneko | 2010年3月25日 (木) 00時26分

>老人なのでしょうか。。
僕より10ぐらい年上な感じでしょうかね・・・
年齢不肖な感じですけど

>栗塚旭さん来ませんかね(^^;)
あの方は映画にあまり興味なさそうですよ
そういう話あんまりしないですし
どちらかというと骨董に興味アリという感じですね
めちゃ集めたはるらしいです

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月27日 (土) 15時33分

「偶然仕事で来てました」
とかでボウケンレッドの高橋くんとか来ないかなぁ・・・
けっこう京都には撮影で来てるみたいだし
http://ameblo.jp/takahashimitsuomi/
あと
猪肉・ダチョウ肉調達係はほんとに来るのだろうかね

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月27日 (土) 16時39分

>年齢不肖な感じですけど
我々より10才くらい上になると
そこから60代くらいまでは年齢不詳ゾーンに
入りますね(^^)

男も女も年齢不詳って悪いことじゃないですよね。

そういえば、お会いした前回の京都の旅(2007)で
堀川インに泊まっていた時にエレベーターで
一緒になった中年が私をジロリと一瞥して去り際に

「。。。学生が!親のスネかじりやがってよう」

とはき捨てたのをよく覚えております。
親の金でホテルに泊まって遊んでいるチャライ学生に
見えたのでしょうかね。。当時すでに30才過ぎで
安月給サラリーマンで自腹で基本貧乏旅行していましたが。
まあ学生に見られて嬉しかったですが(笑)
 
>どちらかというと骨董に興味アリ
そうなんですか。是非遭遇したいものです
 
>ボウケンレッドの高橋くん
結構、私はこういう偶然遭遇オーラが強いようですので
お会いできる気がしますな。栗塚旭さんとも。

>猪肉・ダチョウ肉調達係は
まあブログ上の一連の件は"一切"関係なくお会い出来れば
嬉しいすね。素敵なお肉とも素敵な調達係さんとも(^-^;)


とにもかくにも今年は必ずいけるように
着々と財政構造改革を実施しているので
行きます!(^0^)
お店での買い物もメチャ楽しみです!

投稿: kuroneko | 2010年3月28日 (日) 00時01分

>「。。。学生が!親のスネかじりやがってよう」
今時めずらしい人ですなぁ・・・
いないですよこんな人
貴重な体験っすよ(^。^)
僕も大学時代からけっこうあちこちバイクで旅行しましたが、こんなことはなかったですね
まぁテントや公園ベンチ・駅とかばっかりで寝てたんで会わなかったのかもしれませんけど(^_^;)
>とにもかくにも今年は必ずいけるように
僕も楽しみにしてます
京都映画サミット、第10回ぐらいには近くのライブハウスでも借りて30人規模ぐらいで・・・
でも箱借りるとお金が発生するんで著作権的問題のクリアが難しいですかね・・・
あくまでも会議がメインで映画見るのは会議のため・・・では無理かな?

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月30日 (火) 15時20分

>いないですよこんな人
>貴重な体験っすよ(^。^)
そうですかねー。
何だか自分は「楽しそうに」生きてるように
見えるらしく中年オバハンからは割とモテテ
中年ジジイから不愉快な扱い受けることが結構
あるんですよね。旅の時にはなぜかそれがより顕著
になる。。まあ後で話のネタになるレベルなら
いいですが(^^;)
 
>テントや公園ベンチ・駅とか
自分も学生時代はそうでしたね。
道の駅とか。12時間くらい走ってアスファルトに
そのまま3時間くらい寝て夜明け前に起きて
また走って、、一体"何"に向かって走って
いたんだあの頃の俺(笑)。
 
>第10回ぐらいには近くの
>ライブハウスでも借りて30人規模ぐらいで・・・
30人となると立派な徒党ですね。
一致団結すれば何でもできそーだ。
とりあえず現在は年二回は京都辺りまでは
気軽に遊びにいけるように財政改革中です。
脱サラしてしまった方が早い気もしますが(^^)

投稿: kuroneko | 2010年3月31日 (水) 12時40分

>旅の時には
ぼくはおっちゃんもおばちゃんも親切にしてもらったことばかりですね
駅で寝てたらうち泊まりって寝かせてくれたりとか
わしも若い頃、バイクで旅してたとか言って工房見せてくれて、昼飯食わしてくれた陶芸家のおっちゃんとか

>アスファルトにそのまま3時間くらい寝て
これは無理ですな・・・若くても・・・
仮眠とかは僕はバイクの上で寝てました
その方がクッションありますし

>現在は年二回は京都辺りまでは
とりあえず年1回からでいいのでは・・・
まぁ気長にお待ちしてます(^。^)

投稿: 万物創造房店主 | 2010年4月 2日 (金) 15時09分

>おっちゃんもおばちゃんも親切にしてもらったこと
人間が出来ておられるのでしょうね(^^)
私もおっちゃんからもおばちゃんからも沢山の親切を
頂いて今日があるわけですが統計をとると

おばちゃん→無条件に分不相応に親切にして頂く
おじちゃん→相手による。親切をしてくれる人は裕福で且つ
        人間が出来ている地域の名士であられる確立が
        結構高い。

という感じですね。なぜか。
まあ完全に中年のエリアに入ってしまったので
「親切する側」に入ったわけですが。
しみじみ有り難いと思いますなー今は。
「有り難い」という沢山の思い出が相当に生きる
支えになっているのだとここ一年くらいで急に
思うようになってきています。
そういう年齢になったつーことですかね。
 
>仮眠とかは僕はバイクの上で
自分もカッコつけてやってましたが
寝相が悪いんでこれはダメですね(^^;)

バイクの横で断熱シート体に巻いて
バックを枕にアスファルトにごろ寝。
雨が降っても関係なし。
若かった。余りにも若かった。。。
今生きていて良かった(ーー;)
 
>とりあえず年1回からでいいのでは・・・
そうですよねー
我々くらいの年齢で"不実行"ほど
カッチョ悪いことはないすからね(^^;)
まずは年一回から確実に!
よろしくお願いします(^0^)/

投稿: kuroneko | 2010年4月 2日 (金) 23時19分

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