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2010年2月26日 (金)

映画「レスラー」

2009年に見た映画(105) 「レスラー」

原題名: THE WRESTLER
監督: ダーレン・アロノフスキー
脚本: ロバート・シゲール
撮影: マリス・アルベルチ
出演: ミッキー・ローク,マリサ・トメイ,エヴァン・レイチェル・ウッド
時間: 109分 (1時間49分)
製作年: 2008年/アメリカ・フランス
(渋谷シネマライズ にて鑑賞)

2009年 6月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)

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全盛期をとっくの昔に越えた満身創痍の中年レスラーのランディ
(ミッキー・ローク)は根強いファンと同僚のレスラー仲間の協力に支えられて
試合をどうにかこなしていものの収入は全く安定せず、妻とはとっくの昔に別れ
娘とも絶縁状態の男。当然貯金もない。唯一の楽しみは自分と同じように
全盛期を過ぎてもお客の前で踊るストリッップダンサーのキャシディ(マリサ・トメイ)
と客として彼女の勤める店で会うことだった。ある日、いつも以上に過酷な
流血デスマッチの試合の後、ランディは倒れた。手術を受け、医師から心臓に
負担をかけるプロレスは出来ない体となったことを宣告されてしまう。
仕方なくスーパーの惣菜屋で働き始めたランディは自分自身の生きる意味について
問い直しキャシディの勧めもあって、すっかり疎遠になっていた娘のスティファニーに
会いに行くが。。

80年代の一時期はアーノルド・シュワルッツエネッガーやジョニーデップと
並び称される人気があったが90年代にボクシングを始めてからは
ボクサー業も本業だった俳優業もさっぱり鳴かず飛ばず。やがて表舞台から消え
人生の辛酸を舐めたミッキー・ロークが体格も人格も?変えてのびっくりプロレスラー役で
実人生で自分が味わったどん底と同じような境遇に喘ぐ男ランディを大熱演。

自分にとってはミッキー・ロークといえば何と言っても名作
「エンゼル・ハート」(1987)での探偵役での演技が印象深い。
というかそれくらいしか彼の演技をまともに観た事がないのだが。
「エンゼル・ハート」は完全に内容を把握した上で自分の意思で
小遣いを使って観に行った映画の一番初期の頃の作品で
本作を観ながら懐かしく思い出した。ミッキー・ロークのその頃と
今のあまりの変わりようにも感嘆しながら。ちなみに「エンゼル~」の
同時上映は「プレデター」だった(豪華!)。

本作の監督はダーレン・アロノフスキー。
29才の時に「π」(1998)を手掛けて颯爽と登場したがその
後は今ひとつ伸び悩んだようだ。本作はミッキー・ロークだけでなく
監督のダーレン・アロノフスキーにとっても一種のリベンジの作品となったようだ。

「π」は公開当時天才若手監督登場ということで話題になった。
大学生の時にビデオで観たけど話題ほどには関心しなかった。

本作では確実に監督としての腕を挙げた。
しかし、本作の素晴らしさはまるでこの作品に出演する役作りの
ために神が与えたもうた試練ではなかったかと思わせるような主演の
ミッキー・ロークの嵌りようやマリス・アルベルチの撮影技術の確かさ等に
がっちり支えられていい意味で幾つかの魔法がかかっているに過ぎない
のでダーレン・アロノフスキーにとっては次回作こそ本当のリベンジとなる
のかもしれない。『次』が勝負であるのはミッキー・ロークと同じなのだ。

本作は人生のどん底を舐める中年男をほぼ完璧に描いていて
傑作だけどそれは監督の手腕の功績も確かにあるが幸運が
素晴らしいスタッフとキャストに恵まれた幸運が重なった面も
あろだろう。ミッキー・ロークが監督を驚かせたい一心で
内緒で大技をかける練習を影でしていたり、ストリップダンサー役の
マリサ・トメイが踊る場面で臨場感を出すためと自分の
テンションを上げるために酒を煽っては撮影に臨んでいた
ことを監督が把握していなかったことなども。

予算が厳しいということが判るが娘のスティファニーの余りに
ヒステリックなランディへの風当たりの強さの人格的物語的な
裏づけの未処理の部分等がこれからの監督の歩む道のりと
無関係ではないだろう。

何はとまれ本作は観て損なし!!

人生が空回っているように感じる人には人生応援歌となること
間違いなし。

と数年前に中古で買った「エンゼル・ハート」のビデオを観ながら
書いているが、この映画よく中学生で映画館で観れたもんだ。
ミッキー・ロークと激しい絡みを見せるリサ・ボネットがとってもエロい。
今まで何度も観ているけど暗くて恐ろしくて混沌としていてクライマックスも
抜群にいいいなあこの映画。我が映画道のスタートの作品として全くもって
悪くない。つか相応しい作品なのであった。中古ビデオの画質の劣化も
味があってそれはそれでヨロシイ。映画って楽しいなあ。

  
 

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でも、全てを失って分ったんだ、変わらなければならない、
さもなければ脳みそが吹っ飛ばされてしまうと。
変わらなければただのクソのままってことだ。

ミッキー・ローク
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コメント

あーこれも気になってたんですよね
ミッキーロークは「ダブルチーム」というバンダム主演の映画の悪役で久々に見て
超マッチョになってて、バンダムと互角に戦ってたのにすでにびっくりしていたので
(↑バンダムの映画ってあんまり面白くないのがほとんどですが、この映画はツイハーク監督でけっこうよかったですよ)
マッチョなプロレスラー役はそんなにびっくり感なかったですね
まぁそんで、もともとプロレスもそこそこ好きなんで、ちょっと気になってたんですよねこの映画
この映画もそのうち見るリストに入れよう

投稿: 万物創造房店主 | 2010年2月27日 (土) 12時12分

ミッキー・ロークは後数年が正念場と
思われますから大きなターニング・ポイント
の一つである本作は今のうちに観ておいた
方がよいかもしれないですね。
全く何も考えずに観て楽しめる良作です。

投稿: kuroneko | 2010年2月27日 (土) 23時36分

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