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2010年3月 6日 (土)

映画「トリコロール 青の愛」

「トリコロール 青の愛」
 
原題名: Trzy kolory:Niebieski
監督: クシシュトフ・ケェシロフスキ
出演: ジュリエット・ビノシュ,ブノワ・レジャン,フロランス・ペルネル
 
時間: 99分 (1時間39分)
製作年: 1993年/フランス
 
(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)
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夫と娘を交通事故で一瞬にして失ってしまった女性ジュリーの孤独と
精神の変遷を描く。トリコロール三部作の第一作目。

自分が中学生くらいの頃から知っていたような気になっていたが完全な
勘違いで思ったよりも結構新しい作品(製作当時は自分は浪人時代)。

オープニングの疾走する車の流線と"青く暗い"トンネルの中、娘の眼差し、
そして突然の悲劇へ。とてもスタイリッシュな映像の連続。

未亡人となった美しい女性(ジュリエット・ビノシュ)は心の隙間を埋めるべく
知人の男と寝てみたり財産を整理して知らない街で意味も無く暮らして
みたりとする様子をカメラはただひたすら静かに追う。

テーマ的にいまひとつ感情移入できない作品ではあるが、ケェシロフスキの
作品は登場人物の私生活を覗き見しているような後ろめたさと興奮が
あって一瞬たりとも見逃してはいけない緊張感がある。

主人公の日常を"覗き見る"観客と同じように主人公の女もまた、持て余す
孤独な時間を埋めるためアパートの階段で赤の他人の男女の喧嘩を息を
潜めてただひたすら眺める。

物語を進めるパワーと同じかそれ以上の情熱が各シーンの"行間"に
注がれている。

アルファロメオ、プールの水、青い石、情事、十字架、
アパート、亡夫の未完の曲、死による精神の成長、
ニート、無知、愛、孤独、エゴ、、、、
 
 
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冒頭からジェリーは完全に自由である。夫と妻が死んで、家族を失ったが、
すべての義務から解放されたからである。手に入らないものはない。金は
有り余るほどあり、何の責任もない。もはや、何もするべきことがない。そこで、
疑問が起きる。こうした境遇に置かれた人は本当に自由なのだろうか? 
  
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(「キェシロフスキの世界」クシシュトフ・キェシロフスキ著 河出書房新社より) 
 
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コメント

この三部作
僕も高校生ぐらいのときに見たような気がしてんですけど
製作年を見ると見たのは大学生のときのようです
当時の感想としてはたしか映像綺麗だけど眠い映画だなぁーみたいな感じで
三つとも内容はあんまり記憶に残ってませんね
今見るともっと面白いかもしれませんね

投稿: 万物創造房店主 | 2010年3月 7日 (日) 14時39分

>高校生ぐらいのとき
きっと「デカローグ」と勘違いですね。
お互い。
 
>今見るともっと面白いかも
そうですね。ケェシロフスキ映画は
大人が愉しめる作品だと思います。
多くの作品のテーマは
「失ったものの重みと意味」という
感じですからね。それと多分
女性ファンの方が多いような気がしますね。
まあこれから感想の中で書きたいと思いますが。

投稿: kuroneko | 2010年3月 7日 (日) 21時53分

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