人それぞれの「箱」の"中"と"外"
これは、事件なのか?
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なにかが起きて、周辺が騒がしくなっている。
ある日、突然自分の離婚をテレビで知った。
僕も妻の家族も誰も知らず、
その時から、報道陣が大挙し押し寄せ、
早朝、妻の実家に見知らぬ車がやってきて、
妻を連れ去ったと妻の家族は言います。
これは、事件なのか?
(略)
このリアルがない劇場の主演は妻だとしても、
僕や家族が知らない演出家や脚本家は、誰なのだろうか?
そして、その目的はなんなのだろうか?
どんな場合も苦境から逃げずに、自己と対話し、正しい道を行く。
いかなる場合も、人と心でしっかりと話す。
そして、混沌のあとにしか、調和はこない。
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[http://blog.honeyee.com/ttakashiro/archives/2010/04/29/post-168.html]
高城 剛 ブログ April 29, 2010
高城剛の言動についてはかなり前からちょこっとだけだがアンテナを張っていた
のだが、まさか今回のような形で彼が一般ピープルから注目を浴びようとは
夢にも思わなかった。本人もそう思っていることでろう。
しかし、若くて美しくて前途有望な女優を妻にした以上は、どんなネタであれ
自身の"全て以上のこと"がメディアに晒されることは自覚していなくてはなら
なかったであろう。皮肉にもハイパーメディアクリエイターを自称するならば
尚更の事で寧ろ嬉々としてこの一連の事態を愉しまないといけないのでは
なかろうかというのは酷であろうか。
高城 剛の言動に私がごく小さなアンテナを一本張ったのはもうかなり昔のことである。
"Windows" や "Macintosh" や "Web" という言葉や概念と、世界の人々の生活はもう
切りはなしては生きていけない世の中が来たようだと認識されるようになった頃の
さらにもう少し前だ。それは携帯電話なんて一部のお金持ちしか持っていなかった
頃でネットへのアクセスなんてのも一部のオタクか学術機関しかしないものと
(日本では)思われていた時期。といっても、それはまたほんの十数年前のことでもある。
当時の高城 剛は、時折メディアに出てきては世の中の先を少しだけ予言して
みせて楽しそうに笑みを浮かべていた。コンピューターの画面上でなんだか
原色のオモチャやキャラクターが色々と動き出すようなアニメーションを見せて
「こんなもの(アニメーション)が誰でも手軽に作れるようになる」と説明していた。
なぜ、私が彼の言動に注目したかというと、その一連の発言の「目新しくなさ」が
本人の自信溢れる姿と反比例しているのが面白く新鮮さだったからだ。その予言の
ある程度の分析能力の高さと、しかしその自身が描くワールドの総体的な、汎用的な
「ワクワク感の無さ」において、個人的にはホリエモンと非常に似たものを
当時、強烈に感じた。勿論ホリエモンの登場はまだまだ先の"未来の"事である。
(ホリエモンはやがて"自分だけ"が自由自在に使える四次元ポケットを持って
十数年後の未来の日本に現れる)
高城 剛はいつも決まって"信じられない面白いツール"がすぐ未来の世界では
溢れていて、それは誰にでも利用でき誰もがクリエイターになれるかのような
言動をしていたように思う。
そして私は彼の笑顔を見るたびに思ったものだ。
かつてなかったバーチャルなツールが世の中に溢れかえることは間違いないであろう。
しかし世の中の先を少しだけ読む自信のある者ならばばそんなことはもう判っている。
そしてそれらのツールを得たからといってクリエイターになれることとは全く別である。
恐らく最も重要なことで懸念されることは
氾濫する目新しいツールが"楽しい物"であるとは限らず、その価値判断はあくまでも
どこまでも個人個人に委ねられるが人々の多くはその判断を自分で下せない
であろう。
ということである。ツールの数の増加と人の感じるエクスタシーは比例関係にあるとは
全然言えないことはとっくの昔に判りきったことであるはずなのに、最先端を行く者を
恐らくは自認しているのにも関らずなぜかいつも逆のことを言う点においてやはり、
後の世界に出現するホリエモンと似ている。
氏にアンテナを張ってしばらくしたころ、Windows や Macの爆発的普及によりパソコン
というものが急速に人々の身近となりいよいよ明確に世の中を席巻しだした頃、
また高城はメディアにちょこちょこと出てくるようになり私もテレビで見かけた時は
ウォッチしていた。
自分の言った通りの世の中になったでしょう。
と相変わらず自信に満ち溢れていた。
そして、某日の某番組内において高城はカメラとカメラマン(及び番組の取材同行者)に
向かって自分の先見性の源泉なるものを見せようとやはり自信たっぷりに言った。
それが一体何なのか
私には瞬時に判断できた。私(視聴者)だけでなくそこにいた同行者全員も何となく判った
オーラが流れた。高城以外はそのオーラを察知したであろう。
でもまさか高城はそんな単純なことを「秘密」といっているのでは
ないだろう。と私は番組を見続けた。「まさか、そんな単純なことではないだろうが
彼のことだから残念ながらきっとそうなのであろう」と思いながら。
答えを知ってしまった大人が子供に優しく諭すように同行者が聞いた。
「それは一体何ですか?」
「ではお見せしましょう」高城は自信たっぷりに案内した。
果たしてその通り、全くそのままであった。
それは
ある側の先頭を行く者は逆の方向から種を仕込んでそのことを
じっと黙っている。
という商売の基本中の基本であるというただそれだけのことであった。
「どうです、驚いたでしょう」という満面の笑みを浮かべた高城が
私は微笑ましく、世の中は平和なのだなあと思った。そして、これが
ハイパーメディアクリエイターの源泉で秘密であるならば、
自分もいい線いけるかもと当時思い上がったものである。
高城もホリエモンも自分が世の中の先を行き、人々を先導する者であると
少しばかり自認していることは間違いないだろう。そして、その自身の発言の
ネタの在りかの安さと底の浅さには時に驚くほどである。
彼等は彼等がそれぞれ得たツール"だけ"の操作においては多くの人間が
真似の出来ない域の達人なのかもしれないが、そのツールは『人生』という
全世界の人々が参加してほぼ全員が複雑怪奇に繋がっている世界最高峰の
オンラインゲームにおいてはそれほど役には立たないということを実は
余り判っていないようだ。そしてその史上最大のオンラインゲームはここ
10数年でかつての人類の歴史にないほどに急速に難易度を上げているということも。
その難易度の急速な上昇と日夜ひっそりと確実に行われる数え切れない
バージョンアップのおかげで彼等は登場して活躍出来た(出来ている)というのに。
"株"というものは注目度が高まれば買われ、その値段は自ずと上がるものだし、
"コンピューター"というものはコマンド(命令)を入力すればエラーを含めた
何かしらの答えが出る。
どれだけ速度が向上して規模が拡大してもそれだけの物にしか過ぎない。
それだけの物にしか過ぎないということを隠し
何でも出来ると思わせるのが商売であるが、
それは、どこまでもただ単に商売であるに過ぎない。
彼等はそのことを一番判っているはずなのに時折忘れてしまうので
あろうか。あるいは本当に何でも出来ると思ってしまったのであろうか。
専門用語も禄に知らないであろう元(?)奥様の方が彼等よりもよほど
"ルール"を熟知して『ゲーム』を楽しんでいるように見える。
彼等は自分達の反則がバレていないと思うタイプの人間であろうし、
時に平気で隠すであろうし、それなのに他人の反則には厳しくどこまでも
抗議"しそうである"ということが今までもこれからもマスメディアと世の
人々のジャッジが彼等に対しては常に厳しい側に振れることの理由である
ことを恐らくはよく判っていないのだろう。
"夫婦"という"人生"と同様かそれ以上に難解且つ長大な「ゲーム」に
おいて、これらの無自覚は致命的となるであろうことは想像に難くない(笑)。
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コメント
僕は全然知りませんでした
この人
うちの学校にはCG科というものがあるんですが、多くの子がパソコンが勝手に絵を描いてくれると思ってますね
そして美術の授業を疎かにしていて
フォトショップの基本的な操作も理解していないくせに
もっとパソコンが勝手に描いてくれる方法を教えろみたいな雰囲気です
コンピューターは道具のひとつに過ぎず
使う人の能力によって「たけざお」にも「ロトの剣」にもなりうる
ってことがわかっていないですね
投稿: 万物創造房店主 | 2010年5月 7日 (金) 14時16分
>パソコンが勝手に絵を描いてくれると思ってますね
。。。言葉が出てこないです(^^;)
でも Windows も Dos も無いころのコンピューターが
お大尽の道楽か大規模なメインフレームにしか過ぎな
かった時代の人々もそんなことを考えていましたよね。
その時代の『コンピューターを紹介する本』を一冊
持っているのですが、下手な漫画よりも爆笑できて
たまに楽しんでいます。"コンピューター"が人類の
厄介事を"全て"解決すると至極真面目に延々と書いて
あります。
面白すぎて(アホすぎて)私の大切なネタ本の一つです(^^)
>もっとパソコンが勝手に描いてくれる方法を教えろ
みたいな雰囲気
最近は親の劣化が極限まで行ってしまったので
ほぼ完全に思考停止した絶望的な若者をよくみますね。
その傲慢ぶりと無知・無能ぶりと改善の余地の
無さはまさに老人そのものですね。まあ、結局のところ
親がいけないのですが。そういう可哀相な人を見たら
最近は速攻で逃げます。時限爆弾みたいなもん
で何するか判ったもんじゃないし当然ですが
責任能力も何もないし。言葉も通じないですしね。
困ったものです。
>使う人の能力によって「たけざお」にも「ロトの剣」にもなりうる
今の日本の閉塞感の大きな大きな原因の一つは
「たけざお」を「ロトの剣」のように駆使している人を
賞賛する術も知らず、真似をしてみようとする気概の
欠片も無く、その誰かから盗んできた「たけざお」を
『"ロトの剣"じゃないじゃねーか(゚д゚メ)』と言って
あろうことか盗んだ相手の被害者に賠償請求するような
人ばかりが大手を振って歩いていることだと思います。
国会議員やメディアはそんな人々に人権だの補償
だのとお手盛りし放題。。まあ余りの思考停止の酷さに
今がどう考えても底のような気がするのは僅かに
救いですかね。頑張っている人々も確実に見えてくる
ようにはなってきてはいますね。
"崩壊"には間に合いそうもありませんが。。
はっきし言って今の我々より上の世代の
無法の限りを尽くしている人々が我々より
理論的には先に逝ってくれることに安堵を感じない
わけにはいきません。なぜ、これほどの怪物が
産まれてしまったのか。。最早"戦争"よりも
よっぽど解明しなくてはいけない大問題ですな。
この『日本の戦後』ってやつは。
投稿: kuroneko | 2010年5月 8日 (土) 00時56分
>その誰かから盗んできた「たけざお」を
『"ロトの剣"じゃないじゃねーか(゚д゚メ)』と言ってあろうことか盗んだ相手の被害者に賠償請求するような
この↑例、おもしろいですね
うちの学校もそのうち訴えられるかもしれません
投稿: 万物創造房店主 | 2010年5月10日 (月) 16時56分
>この↑例、おもしろい
あざぁっす!m(_ _)m
こういう例えは昔から結構評価高いす。
才能あるとかよく言われちゃいます( ̄∇+ ̄)
世の中の何に使える才能なのか未だに
見つからず。。(ーー;)
>うちの学校もそのうち
ニュース見ていると本当に人間は
壊れてしまったなあという感じですね。
"言葉と意味"が両方飛んじゃってますね。
投稿: kuroneko | 2010年5月11日 (火) 01時45分
>世の中の何に使える才能なのか
映画「プラネットテラー」のヒロインには無駄な才能1から始まって36とかすごくたくさんの無駄な才能があるんですが
「人生のある時点において、無駄な才能が全て役立つ時が来る。散らばった点が、一つの線で繋がる」という台詞が語られ、無駄な才能が役に立つシーンがあります
ま、そんなもんなんじゃないかと思います
投稿: 万物創造房店主 | 2010年5月12日 (水) 12時43分
>ま、そんなもんなんじゃないかと
フォローをどうもありがとうございます!(^-^;)
まあ充分に自分の人生においては役に立って
はいますね精神的には。実収入方面に何とか
活かせるように長期思案中です。
投稿: kuroneko | 2010年5月13日 (木) 00時53分