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2010年5月23日 (日)

映画「デカローグ 1,2」

2009年に見た映画(116) 「デカローグ 1,2」

原題名: Dekalog 1 , Dekalog 2
監督: クシシュトフ・キェシロフスキ
出演:
デカローグ 1: アンリク・バラノウスキ,ヴォイチェフ・クラタ
デカローグ 2: クリスティナ・ヤンダ,アレクサンデル・バルディーニ
時間:
デカローグ 1:  53分
デカローグ 2:  58分
製作年: 1988年/ポーランド
 
2009年 7月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)

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「デカローグ」はモーゼ(モーセ)の十戒をモティーフとして作られた全十話の
テレビ用映画。デカ(deka)は語源はギリシャ語に由来して意味は"十"のこと。
文字通り"十の物語"。

十戒についてはそれほど意識しないで観たがwikiで拾ってみると意外と
モティーフに忠実に作られていることが判る。正教会・プロテスタントとカトリックの"それ"
では順番と内容に違いがあることも。「デカローグ」は各話の内容と十戒を照らし合わせて
みるとカトリック教会の方の十戒であるようだが、自分に何ら知識があるわけでもないので
深くは踏み込まない。以降の感想はカトリックの方の解釈を取って述べてみる。

また各話の上映時間はwebで調べてもまちまちな表記だが本記事ではユーロスペース
で配布された特集「キェシロフスキ・プリズム」の記述に寄る。

第一話「ある運命に関する物語」

(満足度:☆☆☆☆)

1. わたしのほかに神があってはならない。

・少年は父親と二人で暮らしていて父親はコンピューター関係の仕事に従事
 している。少年もまたプログラミングを得意として日常の雑事をプログラムを
 組むことで解決していた。少年は父親に"死"について聞くが納得した"解"
 が得られない。その日の夕方、ある事件が起こる。

 

映画あるいはドラマとしては非常に特殊な展開といえるキェシロフスキ風味全開の
作品と言える。少年にとって、自分の身の回りの出来事は正確に定義が出来て、
よってそれはコンピューターの命令に置き換えることが出来、「この世界」もまた
同様であると信じて疑わない。"そうではありえない"不確定な事象で埋まる
「この世界」の無常なまでの同時性を美しい透明な映像で静かに語る。

予め綿密にマス目が全て埋まった"物語"があって、その"フィクション"の上で
登場人物達が演じるのではなくて、我々の生きる"不完全極まりないリアル社会"に
俳優達を置いて、その行動をカメラで追うというシステムそのものを物語化した
キェシロフスキらしい作品ではなかろうかと思う。私達と同じ不完全な世界を
生きる登場人物達の投げっ放し感が嘘っぱちが嫌いな自分には心地よく感じる。

 
 

第二話「ある選択に関する物語」

(満足度:---)

2. あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。

愛人の子を身篭り、夫が危篤となる主人公の女性に感情移入できなかった
せいか、集中して観ることが出来なった。よって未見といっていいので鑑賞する
機会があれば感想を書こうと思う。

 
 
 
 
 
 

[モーセの十戒]
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正教会・プロテスタント(ルーテル教会以外)の場合

   1. 主が唯一の神であること
   2. 偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
   3. 神の名を徒らに取り上げてはならないこと
   4. 安息日を守ること
   5. 父母を敬うこと
   6. 殺人をしてはいけないこと
   7. 姦淫をしてはいけないこと
   8. 盗んではいけないこと
   9. 偽証してはいけないこと
  10. 隣人の家をむさぼってはいけないこと

カトリック教会・ルーテル教会の場合

   1. わたしのほかに神があってはならない。
   2. あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
   3. 主の日を心にとどめ、これを聖とせよ。
   4. あなたの父母を敬え。
   5. 殺してはならない。
   6. 姦淫してはならない。
   7. 盗んではならない。
   8. 隣人に関して偽証してはならない。
   9. 隣人の妻を欲してはならない。
  10. 隣人の財産を欲してはならない。
================================================================
(ウィキペディアより)

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コメント

>1. わたしのほかに神があってはならない。
これをストーリーがどう表しているのか全くわかりませんが
僕はコンピューターの命令とまではいかないものの
世界は一定の法則の上に成り立っていると思うのですが
それがダメってことですかね
しかしまぁこの唯一神の条項は新興宗教が自分の都合のいいように作った条項としか思えませんね
ヨーロッパはなんで土着の多神教がなくなっちゃったんでしょうね
十字軍や魔女狩りで殺しまくったせい?

投稿: 万物創造房店主 | 2010年5月29日 (土) 13時05分

>1. わたしのほかに神があってはならない。
>これをストーリーがどう表しているのか全くわかりませんが
  
(^-^)ミテノオタノシミ
  
>世界は一定の法則の上に成り立っていると思うのですが
>それがダメってことですかね
 
法則は確かにあるけど、その「一定の法則」は私達をスッポリ
覆っているのでその中に入ってしまっている人間ごときに
制御できるわけがないというのがこの話しの核で
   

  
わたしのほかに神があってはならない。
  
になると私は解釈しました。
  
デカローグは基本的に全部ハズレ無しなので
退屈せずに一気に観れちゃうと思います。
未見であれば是非!
  
私は1個だけ選べと言われればこの第1話ですかねー。
   
>ヨーロッパはなんで
  
最近、個人的に別件でも"ヨーロッパ"というキーワードが
急速にクローズアップされてきているのでちょっと
つっこんでみたいですね。
   
>十字軍や魔女狩りで殺しまくったせい?
   
日本人の想像を超えた"殺戮の世界"ですよね。
そして同時代の日本はヨーロッパ人の想像もつかない
究極に平和な世界ですね。それなのに紡がれる
オフィシャルな近代史の何たる矛盾に満ちた羅列か。。
イルカ漁の映画やシーシェパードの暗躍まで
今現在にも完全に繋がっているパラドックスですね。
まあパラドックスっつーか『嘘』なんですけどね。
 
最近、思うことの一つは
驚くほど多くの人間は自分の非を
"全く認めることが出来ない"
のではなかろーかということです。
そう思うと世の中の矛盾は解決はしないけど原因と
理由は判ってくる気がします。

投稿: kuroneko | 2010年5月30日 (日) 00時50分

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