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2010年5月15日 (土)

映画「スティル・アライヴ」

2009年に見た映画(115) 「スティル・アライヴ」

原題名: STILL ALIVE A FILM ABOUT KIESLOWSKI
監督: マリア・ズマシュ=コチャノヴィチ
時間: 82分 (1時間22分)
製作年: 2005年/ポーランド
 
2009年 7月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)

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クシシュトフ・キェシロフスキの没後10年を記念して製作されたドキュメンタリー作品。
学生時代に撮った映像を含めて氏の諸作品の映像と周囲の人間達のインタビュー
を織り交ぜながらクシシュトフ・キェシロフスキという人間の実像に迫る。

 

映画を学んでいる段階の学生時代に、学友達と撮った映像からしてすでに
「この世界を切り取ってやる」という意気込みとその才能が溢れていることに驚いた。
あらゆる事象に常軌を逸した興味を持ち、そのために常に多忙で、しかも女性に
大変なもてようだったというのも、自分の眼前にある"何か"の『本質』を捉えるのだと
叫ばんばかりのフィルムから発する"色気"から納得できる。

"丸ごと全て"をフィルムに焼き付けようとする確信犯的な計算高さと情熱が彼に
関る周囲の人間を巻き込んで、その情熱を熱病の如くに伝染させるから、キェシロフスキ
の作品はどんな小さなシーンも勝手に語りかけてくるような、無機質なオブジェさえも
台詞を雄弁に語りだしそう『何か』が宿るのだろう。

そんなキェシロフスキだからこそ、また凡人である常人が見過ごして平気でいる
多くの事に心を痛め美しいクリスタルに細かな傷が入って曇ってしまうように
この世界を誰よりも愛して誰よりも失望したであろうことも想像に難くない。

キェシロフスキと対話したある学生は言う。

「先生(キェシロフスキ)は"映画を撮ることで世界を変えられると信じるんだ"
と言った。でも"もう、信じていない"と言ったんだ」

"『言葉』が通じないと感じたから"

 
 
 
 
 


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