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2010年8月 8日 (日)

映画「人生劇場 飛車角と吉良常」

2009年に見た映画(131) 「人生劇場 飛車角と吉良常」

原題名: 人生劇場 飛車角と吉良常
監督: 内田吐夢
脚本: 棚田吾郎
撮影: 仲沢半次郎
美術: 藤田博
出演: 鶴田浩二,高倉健,辰巳柳太郎,藤純子
時間: 109分 (1時間49分)
製作年: 1968年/日本 東映
 
2009年 7月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)

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時は大正の頃。亡き主人の息子を見守り生きる事を自らの至上命題として
生きる吉良常(辰巳柳太郎)は飛車角と呼ばれる渡世人(鶴田浩二)と出会う。
飛車角の人生哲学に共鳴しつつも同じ女を愛する宮川(高倉健)。運命は交錯し、
やがて別れていく男達の「人生劇場」を名匠内田吐夢男達が骨太に描き出す。

 

吉良常を演じる辰巳柳太郎の渋さが圧倒的。その一挙手一挙動が
邦画がかなり前から失ってしまったであろう『何か』を確実に持ち合わせていて
その演技がセットをより味わい深くして、孤老な吉良常という"靜"が
鶴田浩二・高倉健の演じる渡世人達の"動"をより引き立たせる。
それら人物や物語の全てを一つのワールドとして紡いでいるのが監督の
内田吐夢であり、壮年時に戦中・戦後の時代の断層を生きた氏の作品には
表面からは見えないが確実に幾層にも織り込まれている"厚み"を感じる。

本作では完全に脇役に徹する健さんが個人的には少し新鮮であった。
幾つかの任侠映画を観ていて、なぜ高倉健や鶴田浩二または中村錦之助等が
出てくると画面全体がかくも引き締まるのであろうかと考えながら楽しんでいたが、
本作でわかった。それは「殺気」である。

高倉健は殺陣のシーンで相手をまさに「斬ってやろう」という獲物を狙う眼で
睨みつけ、ドスの握り方も眼前の敵を「本気で斬る」という持ち方をしている。
その殺気の発し方が明確であり観客の溜飲を下げるのであろう。

撮影は仲沢半次郎。山本薩夫監督の秀作且つ大作である「にっぽん泥棒物語」(1965)で
スケール感溢れる映像を手掛けている。
美術の藤田博は「昭和残侠伝 死んで貰います」(1970)でもとても良い
仕事をされている。

某若手役者一名の演技が残念ながらかなり今ひとつで作品のレベルが高い
がゆえにその残念具合も際立ってしまっている。それは差し置いてもう一度
じっくり観たい作品ではある。

 
 

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