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2010年10月 1日 (金)

映画「アルプス颪」

2009年に見た映画(139) 「アルプス颪」

原題名: Blind Husband
監督・原作・脚本: エリッヒ・フォン・シュトロハイム
出演: エリッヒ・フォン・シュトロハイム,ギブソン・ゴーランド
時間: 70分 (1時間10分)
製作年: 1919年/アメリカ [モノクロ]
 
2009年 8月鑑賞
(満足度:☆☆+)(5個で満点)

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アルプスに保養にやってきた夫婦と、その妻を虎視眈々と狙う中尉の男の
三角関係を描く。映画史に独特のポジションを持つシュトロハイムの監督デビュー作。

  

「大いなる幻影」(1937)におけるドイツ将校役の熱演が余りにも有名な
エリッヒ・フォン・シュトロハイムの初監督作品。公開当時は興行的にも
作品の評価としてもそれなりに成功作だったようだが今の目で観ると
演出はそれなりのレベルだと思うが画面構成と物語が単調で私としては
退屈な作品だった。70分がとても長く感じた。

ただ、大昔の映画によくあるようにストーリーや物語のテンポとそれほど
関係なくとんでもなく危険なアクションがとてもさり気なく描写されていて、
本作においてもクライマックスの何も知らない夫とシュトロハイム演じる将校
の登山シーンはそれなりに大規模なロケが敢行され大岩の上で揉み合ったり
転倒したりと(恐らく本人達が演じている)、「あ、危ない!」と何度か声を出して
しまいそうになって映画の本題や演出の意図と関係なく盛り上がれる(笑)。

役者として監督としてそれなりの成功を収めたシュトロハイムであるが
他者を意に介さない過剰とも言える完璧主義で現場を相当に困らせた
逸話も沢山あるようでピーク後は脇役専門大物俳優という余り有り難くない
地位を確立して晩年は引退して静かに暮らしたようだが、自身のキャリアを
あの世でどう思っていることだろう。本作もどこか本人の性格と人生を
反映しているように思え作品の本質に対して密な箇所と疎な箇所のバランスが
良くないように終始感じた。

作品はともかく、このシュトロハイムのように才能を持っていることは疑う余地
はないが、その"アウトプット"は決して上手かったとは言い難い人間に
自分はなぜか強い興味と幾ばくかのシンパシーのようなものを感じてしまう。

シュトロハイムの俳優としての代表作「大いなる幻影」はこれまで10年おきくらいで
何度か観ているが、公開当時の鑑賞世代の絶賛をまだまだ鵜呑みにして
しまっているせいか「自分の目」では楽しめていない。今後、まだ観るチャンスは
何回かあるであろう。

タイトルの颪は"おろし"と読む。

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