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2010年10月18日 (月)

映画「襤褸と宝石」

2009年に見た映画(144) 「襤褸と宝石」

原題名: My Man Godfrey
監督: グレゴリー・ラ・カーヴァ
出演: ウィリアム・パウエル,キャロル・ロンバード,アリス・ブラディ
時間: 70分 (1時間10分)
製作年: 1936年/アメリカ [モノクロ]

2009年 8月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)

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大恐慌の時代。浮浪者の男がふとしたことから大金持ちの執事に雇われる。
そして男には秘密があった。。

オープニングがとてもお洒落。ビル郡の窓の明かりが次々に点灯していくと、
それが作品のタイトル文字に変わる。ゴミの山で暮らす浮浪者達の描写と
ゴミの山がロケのようなリアリティを充分に持ちつつどこかポジティブに描かれ、
日本の作品もそうだけれど、この30年代の作品というのはどんな映画でも
作品の底が抜けていないというか、貧富を始めから問わない「人間」というものへの
しっかりと信頼感のようなもので裏打ちされている気がする。そしてその信頼感は
30年代半ばから余りにも急激に始まるファシズムの台頭と40年代の世界大戦で
すっかり壊されてしまって、今もって世界はこの時代から始まった崩壊の
渦の中にいるとも言えるのではないか。

ウィリアム・パウエルが演じる主人公は浮浪者だろうとも上流階級の執事だろうとも
常に自己が揺ぎ無く確立していて背筋がピンと伸びていて(浮浪者の時は猫座な
感じだが)どんな人間に対しても物怖じせず媚びずに全くもってカッコエー。

金を1セントたりとも持たなくても不幸でも何でもない

と言い放つその表情には偽りも陰りもない。何物(者)かに従属していない限り
人は不幸ではない。そして人類の多くが富と名誉に群がるか、ありつこうとする
奴隷なのだ。主人公の時の漂々とした感じが小学校時代の恩師に少し似ていて
思い出した(恩師は女性全般にとても人気があった。今も多分ある)。

見て損の無い佳作。"男"にとっては幾つかのシーンにおいて人生を生き抜く
教科書たりえる作品であろう。本作が公開された1936年以降、ドイツにおいては
ナチスが本格的に台頭し世界中が"良く判らない組み分け"を強制され戦争状態となる。

タイトルの襤褸は"ぼろ"と読む。

 

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