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2010年11月20日 (土)

映画「斬る」

「斬る」

原作: 柴田錬三郎
監督: 三隅研次
脚本: 新藤兼人
撮影: 本多省三
音楽: 斎藤一郎
美術: 内藤昭
編集: 菅沼完二
出演: 市川雷蔵,藤村志保,渚まゆみ,万里昌代

時間: 71分 (1時間11分)
製作年: 1962年/日本

(満足度:☆☆☆+)(5個で満点)
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主演の市川雷蔵についても、監督の三隅研次についても全く予備知識なく
観たせいか「何だかいまひとつよくわからない展開だのう。。」と思いつつの
鑑賞。そんな多少の戸惑いの中、原作は確か柴田鎌三郎だっけと思い、
一連の映画化されている作品の傾向から勝手に納得。

その心はと言うと"柴田鎌三郎物"というジャンルの作品である製作者側が
一種のアドバンテージを得ている上での演出上の遊びや飛躍を、観客側は
能動的に受け止めて楽しめないと本作は観ていて"損"なんだな。
最初からココがディズニーランドだと知っていて、何がどのような
ルールで成り立つ世界なのかきちんと判った上で入場しないと
いけないのとある意味一緒か。

後半は、ようやく描かれている幻惑的な世界感に"乗れて"きて物語の焦点も
自分好みに脳内で調整して、物語が狭いある一点に集約されていく終盤の展開を
ある程度は意識を集中して楽しく鑑賞できた。

市川雷蔵は自分にとって本作が事実上の初体験であって、鑑賞後に仕入れた
知識によれば本作において表現している"虚無的なる世界"を雷蔵は
かなりのお気に入りだったとか。

市川雷蔵主演の作品も三隅研次監督作品も自分は本作を
契機にして、この後は幾つも観て大いに楽しんだが、本作は
"市川雷蔵物"と承知した上で、他の作品を見知った上で鑑賞しないと
完全には楽しめない作品かもしれない。

古今東西の映画鑑賞の旅をさらに命ある限り続け、ふと足を
止めて、後ろを振り返った時に心底リラックスして楽しめる自分が
いるような気もする。

女性達の裸が可愛く撮れていてとっても素敵。物語の脈絡と
関係なく着物が景気よく取れちゃっていくのもグッド。今や
日本には"大人"はすっかり少なくなってしまっらので作れる人も
なく今後作られることもないであろう"大人の童話"。

気持ちが上手く作品のテンションに乗れなかったので1時間強の作品でも
少し長く感じてしまった。

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