映画「キートンの探偵学入門」
2009年に見た映画(149) 「キートンの探偵学入門」
原題名: Sherlock,Jr.
監督: バスター・キートン
脚本: クライド・ブルックマン他
出演: バスター・キートン,キャサリン・マクガイア,ジョー・キートン
時間: 44分
製作年: 1924年/アメリカ [モノクロ]
2009年 8月鑑賞
(満足度:☆☆☆+)(5個で満点)
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撮影技師キートンの見る束の間の夢は名探偵になって
恋人を悪漢から救うこと。バスター・キートンの至芸が炸裂!
キートンの作品を初めて観る。
なるほど同時代を生きたライバルであるチャップリンと比較
されるだけあって作品の作りがどこまでも"陽"で楽しい。
さりげなーい"フリ"から炸裂する身体全体を鮮やかに駆使して
見せる芸はどれも素人がやったら即、『死』に繋がる
アクロバティックな技ばかりだ。
憎き恋敵を転倒させるためにバナナの皮を床に置いてお約束どおり
自分で転ぶんだけど、、
ワイヤー使ってないか?
重力無視してないか?
首折れてないか?
と目を疑う滑らかな且つヤバイ角度での転び様に萌え。
21世紀の現代で同じことをやっても仕方無いと思いつつ、
そもそも、どのカットであろうとも、再現できない気がする。
いかにお金をかけようとも。全く同じ感想をマルクス兄弟の作品
についても持つ。一体なぜなのだろうか?
その答えに『笑い』の持つ複雑な機構ともよぶべきものがあるように
思う。笑うことよりも笑わせることが比較にならないほど大変なことも。
キートンが命を賭けてやろうとしていることの目的は、
唯一つ観客に笑ってほしいことだけなのだ。
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コメント
>再現できない気がする。
このあたりは
今の俳優が演技は磨いても芸は磨かないことに起因しているような気がします
三船敏郎は馬に乗りながら手放しでかっこいい殺陣ができたけど、今の人にできる人はいないようです
そういえば
水戸黄門の助さん角さんが入れ替わって、またもやドヘタな殺陣に逆戻りです
やっと前の二人がかっこよくなって来たところだったのに・・・
投稿: 万物創造房店主 | 2010年11月15日 (月) 16時54分
>今の人にできる人はいないようです
こういうことはテレビ番組なり映画なりが
断続的に作品を制作していかないと
人は育たないですね。せっかくアクション系
に強そうな女優達が出てきたのに面白い
映画としてきちんと彼女達を世に放つことが
出来ない。。哀しいことです。
>水戸黄門
この間、もの凄く久しぶりに見たら、何だか
ずっと家の中にいましたね。黄門様。
たまたまそういうエピソードだったのか、
最早ロケが"絵"として成り立たないのか。。
まあテレビはもう余り興味ないですが(^^;)
投稿: kuroneko | 2010年11月16日 (火) 01時39分