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2011年1月15日 (土)

映画「祇園祭」

2009年に見た映画(160) 「祇園祭」

原題名: 祇園祭
監督: 山内鉄也
出演: 中村錦之助,岩下志摩,志村喬,三船敏郎,高倉健,田中邦衛,渥美清
時間: 167分 (2時間47分)
製作年: 1968年/日本 日本映画復興協会

2009年11月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)

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時は戦乱の世。"京"は度重なる戦火により人心は疲弊を極め、武士や公家は
世の中を安定させて民を慰撫する術を知らずに百姓や町人が結束して反抗
しないように巧みに離反させ憎しむ合う構図を作ることに富と権力を利用する
のみの時代。そんな不毛な世の矛盾に民の憤りは高まり、やがて人々は
やり場のない怒りを京の町人衆を中心にして結集し始め絶えて久しい『祇園祭』を
"自分達の為の祭り"として復活させるエネルギーへと昇華していく。権力者に
媚びることも頼ることもなく。しかしその道程は長く険しく多大な犠牲を強いる
道でもあった。。

 

作中で描かれる"祇園祭"の復活の肯定そのままに本作自体がとてつもない
苦難と挫折の連続の末にできあがった大作。60年代後半の作品であるが
冒頭からしばらくは、何となく50年代、60年代初頭までの邦画黄金期の
傑作作品郡に感じた緻密さや製作スタッフの"溢れる才能"というようなものが
画面から感じられず大味な印象を受ける出だしであったが、中村錦之助、
志村喬等の流石の演技の上手さと安定感に加え、『祇園祭』が復活していく
"理由と過程"がケルンのように一つ、一つまた一つと根気強く物語の展開として
逃げることなく積み重ねられていて中盤から最後までは本作が制作されたこと
自体の奇跡と自分が今、この超大作を鑑賞できたことの悦びに浸っていた。

終盤の見所は豪華俳優陣の露出に気を配ったであろうカット割り及び編集か(^^)
中村錦之助、三船敏郎を中心にして物語のテンションとの整合性以上に
細かいカットで繋いで特定の人をエコ贔屓していないですよと説明するかの
ような撮り方になっているのは気のせいだろうか。渡世人でも寡黙な人情家
でもないごくごく普通の市井の一人を演じる健さんを観るのも楽しい。

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コメント

あれ
祇園祭について書いてたのねー(^^♪
 
僕も書いたけど
http://banbutsusozobo.air-nifty.com/tensyu/2013/08/post-4c74.html
 
ヒジョーにバカサヨク映画でよかった!

投稿: 万物創造房店主 | 2014年3月11日 (火) 19時29分

>祇園祭について書いてたのねー(^^♪
  
書いていたのよー(^^;)ゞ
 
>僕も書いたけど
 
読みましたよー
↑書いてある通り、自分はどうもこの作品は
とっかかりがなくて
コメントできなかったっす(^^;)
 
>ヒジョーにバカサヨク映画でよかった!
 
『祗園』の起源を映画にしたいという意気込みは
感じられましたが、60年代後半の時代から
何を盛り込むのか焦点が合わせられなくて
結果論的に"左"にしていくしかなかった感じすねー
 
2時間半の尺も長すぎ、、
(´・ω・`)
 
あ、でも岩下志摩がごっつ綺麗でよかった!
( ̄∇ ̄)

投稿: kuroneko | 2014年3月11日 (火) 23時17分

>『祗園』の起源
あれを起源とまで言っていいものか…(^_^;)
 
応仁の乱で途絶えていたものを復活させた
あたりはたぶん史実ですが
話のほとんどは創作だと思います…
 
河原者や犬神人を出そうという気概は買えるものの
あの設定が果たして正しいのかも疑問です

投稿: 万物創造房店主 | 2014年3月12日 (水) 16時46分

>あれを起源とまで言っていいものか…(^_^;)
 
>話のほとんどは創作だと思います… 
 
>あの設定が果たして正しいのかも疑問です 
 
ですね。
「祗園祭」を題材に借りた"お話し"ですね。
なまじキャストが豪華な為か、テーマも物語も
散逸気味の迷作になってしまったと。。
 
中村錦之助,岩下志摩,志村喬以外は
徹底的に無名の俳優を使って
木下恵介が撮ればもっと味わい深い作品になったかも。
左っぽくならずに日本の歴史に根ざした階級闘争の
物語に。o( ̄^ ̄)o

投稿: kuroneko | 2014年3月14日 (金) 00時27分

最初いた有能なスタッフがどんどんやめて
左な人に入れ替わって行った迷走感が
映画に出てるんだと思います
 
捨てキャラまで豪華キャストなのが恐ろしい!
(=゚ω゚=;)

投稿: 万物創造房店主 | 2014年3月19日 (水) 15時32分

>左な人に入れ替わって行った迷走感が
映画に出てるんだと思います
 
結果的にこういうスキームの作品は邦画には
多そうすねー確信犯的に監督の意図を「奪っていった」
というのもありそう。。
それはそれで「映画」という『祭り』(祀り)ではありますなー
 
 
>捨てキャラまで豪華キャストなのが恐ろしい! 
 
凄いですねー本当に。カット割りも気配りし過ぎで
見ていて痛ましかったっす(^-^;)

投稿: kuroneko | 2014年3月20日 (木) 00時40分

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