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2011年2月26日 (土)

「TAROの塔」第1話

NHK土曜ドラマ
岡本太郎 誕生100年企画「TAROの塔」第1話

 

第1回は岡本太郎の少年時代と大阪万国博覧会(1970)
の時代を交互に交えながらの展開。全体的にまあまあ
手堅い出来で満足。製作スタッフが一丸となって作っている
感じがして非常に心地いい。

松尾スズキの岡本太郎は予想通りなかなか興味深い。
彼なりのリサーチとモノマネに堕ちまいとする役者根性と
業界に沢山いるであろう芸達者な後輩達への先輩としての
意地とか勝手に妄想ながら芝居を見るのは面白い。

今回は岡本太郎の父親岡本一平を演じる田辺誠一
がなかなか安定感があって良かった。妻であるかの子
(太郎の母親)の愛人を自宅に住まわせて一緒に暮らす
「奇妙な夫婦生活」をかの子が急死するまで"全う"
したという複雑な思考を持つ男を卒なく演じている。

家事や子育てが出来ない母と、母の愛人を住まわせ
稼ぎを飲んでしまう画家で漫画家の父。岡本太郎の
生涯のかなり重要な部分をこの両親の行動が決定付けた
のは疑う余地が無い。しかし、それはマイナス面ばかり
では決してなく両親の常人から見てしまえば奇異としか
映らない行動はその奥底には人間の尊厳や夫婦と
いえども侵せない譲れない権利といったものが潜んで
いて特に岡本一平は表現者の一人として奔放な妻の
振る舞いを"夫"として制限してしまうことを潔しとしない
という闘いを自らに課していたのだろうことは想像に
難くない。多感な太郎はそれを見て何事かをしかと
感じとって育ったのだろう。

因みに少年時代の岡本太郎が父と観戦に来た際にスタンドの
群集の着るシャツが太陽の光を浴びて眩しいまでの
白さを放つ様子を「アルプスみたいだ」と話したのを、父が
朝日新聞に発表したことが"アルプススタンド"の由来だとか。

岡本太郎の生きた時代の雰囲気そのもの
細部のデティールではなくて、当時を生きた人の思考や
時代の空気のようなものも表現したいという意気込みも
このドラマは感じる。最後まで全力疾走して欲しいものだ。

テレビドラマの持つ使命であり矜持のようなもの、それは
観る人々に溜飲を下げさせつつ、製作者が+αの何事かを
乗せること以外には無い。本来は出演者やスポンサーの露骨な
名刺や顔見世"だけ"に堕ちてはいけないのである。

 

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NHK土曜ドラマ
岡本太郎 誕生100年企画「TAROの塔」
2011年2月26日(土)より毎週土曜日夜9時
[全 4回]
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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