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2011年8月 7日 (日)

映画「博徒一代 血祭り不動」

2010年に見た映画(十二) 「博徒一代 血祭り不動」

原題名: 博徒一代 血祭り不動
監督: 安田公義
脚本: 高田宏治
撮影: 今井ひろし
美術: 加藤茂
音楽: 鏑木創
出演: 市川雷蔵,近衛十四郎,亀井光代,長谷川待子
時間: 90分 (1時間30分)
製作年: 1969年/日本 大映

2010年 2月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)

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市川雷蔵が由緒正しい"渡世人"を演じきる好編にして遺作。

 

撮影と美術は佳作「殺陣師段平」(1962)でコンビを組んでいる今井ひろしと
加藤茂で本作では"カッチリ"とした絵作りで任侠映画たらしめて画面を
大いに盛り上げている。ラストの雪吹雪舞う中での"男と男の闘い"は
これぞ、『任侠映画』と思わせる完璧な出来。

敵役の近衛十四郎は目の光と醸しだす優しさが大友柳太郎によく
似ていて良い役者だ。「この人は悪人ではない」ということを存在だけで
表現できる人が味方になったり敵になったりすると任侠映画というものは
大いに盛り上がり、観客は溜飲を下げることが出来る。高倉健や鶴田浩二、
中村錦之助、、名声だけでなく一時代を築いた色褪せる事の無い
俳優達は皆、台詞と表情だけでない"背中"を表現できたように思う。

「今はそういう役者はいないねぇ。。」なんて言うのは全く意味の無いことで
俳優というものは現場と観客が作っていくものだ。

チャンチャン・バラバラ・血しぶきドブァー
面白えー映画を作りてぇ
面白えー映画を観てぇ

という送り手と受けての熱い情熱ときちんとしたお金のかけ方さえ
出来れば、俳優は磨かれ、作品は世に放たれるだろう。

市川雷蔵は本作の制作年に逝去するわけだが(享年37歳)、衰えは全く
微塵も感じられず、寧ろ自分は本作時点で観た雷蔵の出演作品の中
では一番気が充実しているように感じられる。そして、他の作品でも色濃く
見られる独特の哀愁もまた健在である。

37歳という若さで有り余る名声と今からすると空前絶後といってもよい
絢爛豪華な監督達と幾多の作品を作り上げた"雷蔵"は今、あの世で
自分の生き様を、演じた人間達をどのように思うことだろう。

雷蔵は誰を演じても、環の切れた存在感と寂しさと、それをどこかで
戸惑っているかのような表情も瞬間、瞬間で覗かせる。本作で演じている
孤高の"渡世人"桜田丈吉もまた。

音楽担当の鏑木創(かぶらぎ はじめ)は、石井輝男監督の直撃地獄拳
シリーズや「ポルノ時代劇 忘八武士道」(1973)、三隅研次監督の「剣鬼」(1965)、
加藤泰監督の「人生劇場」(1972) 「宮本武蔵」(1973)など個性豊か且つ
豪華な面々と沢山の仕事をされておられる。

"市川雷蔵"がいた日本という国は最早無く、今や風前の灯(ともしび)だ。
残されている物をこれ以上、奪われ破壊されない為に何とかしていかないと。。 

 

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