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2012年1月22日 (日)

映画「夜汽車の女」

2010年に見た映画(三十三) 「夜汽車の女」

原題名: 夜汽車の女
監督: 田中登
脚本: 宮下教雄
撮影: 山崎善弘
音楽: 坂田晃一
美術: 川崎軍二
出演: 田中真理,続圭子,桂知子
時間: 71分 (1時間11分)
製作年: 1972年/日本 日活

2010年 3月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)

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 幾つかのシーンにおいて、人体の"ある部分"を如実に表現して
いるのが楽しい。庭で姉妹がチェスに興じるシーンで、階段を下りる
何気ないシーンで、森を彷徨うシーンで、画面を構成している事物の
一つ一つが具体的にそれぞれのパーツを示している。

姉は形式美のエロスを、
妹は肉体美のエロスを、
家政婦は抑圧とその開放によるエロスを、
それぞれ"分担"していて、彼女達の肢体よりも前の準備段階が極めて
秀逸であり充分にエロイ。

 女性の肉体美そのものだけの映像に頼らず且つ結果としてエロく、
且つ映画としての完成度も高い総合バランスの高さでエロ系作品としては
かなり高く評価できる。世の中にエロを供給する人間にも映画界を志す者
にも是非とも見て欲しい作品だ。

 撮影監督の山崎善弘は傑作バイオレンス「濡れた荒野を走れ」(1973)
でも安定感があって作品の内容ともあった緩急のある映像が作られて
いる。山崎善弘の携わった作品をもっと観てみたい。

 その映像の具体的なエロ描写においてではなく映像表現の格調高さと、
頭の使いようの素晴らしさにおいて、もう少し早く本作に出会いたかった
ものだ。本作ほどの緻密で精巧な作品であれば女優達もその体を見せる
ことに誇りも持てるのではなかろうか。本作は田中登版の「鍵」であり、
「女鹿」であり、「アバター」でもあろうか。冒頭から最後まで真面目に見
入ってしまった秀作。

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