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2012年1月28日 (土)

映画「箱の中の女」

「箱の中の女 処女いけにえ」

監督: 小沼勝
脚本: ガイラ(小水一男)
撮影: 遠藤政史
音楽: 山川繁
美術: 川船夏夫
編集: 奥原茂
出演: 木築沙絵子,蔡令子,田村寛,小原孝士

時間: 82分 (1時間22分)
製作年: 1985年/日本

(満足度:☆☆☆☆☆)(5個で満点)
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実千代(木築沙絵子)が乗せてもらった車に乗っていた夫婦には恐るべき
秘密があった。拉致・監禁された実千代に待ち受けていた運命とは。。

 

 セミロングの娘が肌も露わに鎖に繋がれて、『箱』の中に入れられて首だけ
出しているショットはまだ10代の学生の頃、持っていた映画のビデオカタログで
知った。

 作品自体は遥か遠い昔?から見知っていたがただのポルノ映画なのだと思って
鑑賞していたが(前半の展開だけを見れば相当にハードなポルノ)、これが後半の
展開の鮮やかさと世相に込めた皮肉、シニカルな大人のウィットの詰め込み
具合はなかなか見事で知的水準が高い。クライマックスについては拍手もので
前半の余りに酷な展開(サドッ気が標準レベルの人間にとっては)に途中退席
しようかと思った自分の予想能力の無さを恥じた。主演の木築沙絵子も可愛らしくて、
可哀相で、エロくて裸もとても綺麗で素晴らしい。

 蔡令子と田村寛が演じる異常な夫婦もなんだか妙に絵的に嵌っている。蔡令子は
顔が四角っぽくて、それが"責め側"のキャラとしては完璧で、
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道標」(2008)
で永田洋子死刑囚(2011獄中で病死)を演じた並木愛枝を思いだした。
こちらもドSな役柄と顔立ちの"四角さ"がマッチしていたように思う。"S"は男も女も
四角であるべきか(笑)。
 
 本作は無修正で公開されるべきだと思う。低俗愚劣なことを理由に言っているので
はない。『映画』として高水準な構成と痛烈な社会的メッセージを持つ傑作であり、
恐らくは「愛のコリーダ」級の作品であり問題作でもあるのだから。
 
 主演の木築沙絵子さん、ご苦労様でした。撮影中は失神も何度かあったとか。
関連諸氏の方々グッジョブ!!
 
 「実録・連合赤軍~」において坂井真紀が演じた遠山美枝子の最期を思い出した。
映画は、人の愚かさと残酷さと儚さを愉しむツールなのだろう。
 
 
 夕焼け、小焼けの赤蜻蛉。

 負われて 見たのはいつの日か。。

 
 実千代、君もまた儚く、美しい。


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映画」カテゴリの記事

コメント

これは見たい
でもDVDは廃盤ですね・・・

小沼勝は「生贄夫人」が気になってます

そういえば
にっかつロマンポルノ DVD BOOK
は買いました?
'71~'79年編に小沼勝の「花と蛇」ついてます
ちなみに
'80~'88年編は「ピンクノカーテン」です

投稿: 万物創造房店主 | 2012年2月 9日 (木) 18時54分

>でもDVDは廃盤ですね・・・
VHSでも"買い"ですね。
エロで、ロリで、構成もしっかり出来ている傑作です(^o^)/
最後の"ノリ"は伝説の作品にになるべくしてなったという
ところですね。
 
>「生贄夫人」
これは観たいですねー (^o^)
 
脚本の田中陽造の仕事が凄いすなー
>魚影の群れ(1983)
>陽炎座(1981)
>セーラー服と機関銃(1981)
>ツィゴイネルワイゼン(1980)
 
>にっかつロマンポルノ DVD BOOK
>は買いました?
  
DVDは最近購入意欲がすっかりないですね(^^;) 
日活ロマンポルノは
今年の夏に大々的にリバイバル公開が
あるみたいですね。京都や大阪でも
やるのではないでしょうか。
 

投稿: kuroneko | 2012年2月10日 (金) 01時08分

DVD手に入れたんで観てみたんですが
僕の中ではイマイチでした…(-_-;)
 
恐怖シーンをリアルに再現するためビデオ撮り
とか
悪条件を逆手にとって
とか
ジャケに書いてありますけど
 
ドキュメンタリー風になってるわけでもないし
ただ単に安っぽいだけで低予算ビデオ映画にしか…
まったく逆手にとれていない…
 
ラストあたりの警察・犯人夫婦・被害者のやりとりはコメディ風でよかったですけど
陵辱シーンは中途半端だし
(当時としてはハードだったのかもしれませんけど、今となってはぬるいですよね、女囚モノ定番の水責めも水圧低いし…)
特に誉めどころが見つからない…
 
同じような監禁陵辱モノは色々ありますけど
他にけっこう負けている気がします
 
鈴木則文監督が日活に出向して撮った
「堕靡泥の星 美少女狩り」
の方が陵辱がキャッチーで面白かったし
 
白石晃士監督の「グロテスク」
なんかは
監禁した後の陵辱スプラッター描写が半端なく
イギリスで発禁になったぐらいで
ある意味極北ですごいです
 
そういった吹っ切れたところがなんか感じないのですなー
 
ネット上の評価は高評価ばかりなのですけど…
なんでなんでしょ
僕がエログロ系見過ぎてるから麻痺してるんですかねー?

投稿: 万物創造房店主 | 2013年10月18日 (金) 22時19分

>コメディ風でよかったですけど
 
そうですね。自分は前半充分に
楽しめたんで後半の急展開も上手く楽しめましたね。
 
>特に誉めどころが見つからない…
 
あくまで"表"の側から攻めて、
「ある一線を越えない」という前提の上での当時の
限界には行っていると思います。その越えない点を
温いと見るか、よくやったと見るかじゃないすかねー
自分はよくやったと評価しました。
 
>吹っ切れたところがなんか感じないのですなー
 
夫婦役の二人は普通の表稼業の役者ですし、
主人公の女の子もやはり脱げる役者に過ぎないので
仕方が無いといえばそれまでになってしまいますね。
 
私は、まず
主人公の女の子が、この手のものとしてはかなり可愛くて
(単純に好み( ̄∇ ̄;))
夫婦役の二人も狂気を感じ過ぎない点が
「映画」として安心して観れたのだと思います。
 
>なんでなんでしょ
 
"表"の作品ばかりを見て、映画沢山見ていると
自認している人々にとっては充分の出来だと思います。
 
実際の現象とずれていても、多数が同じことを言えば
そちらが「正解」になってしまうと。
余り、気にされなくてよいかとー(^o^;)/
 
>僕がエログロ系見過ぎてるから麻痺してるんですかねー? 
 
「知りすぎた不幸」というやつかもしれないすねー
それはそれで「幸福」なことでもあると思いますo(^o^)o
 
今、思い出してみると、寸止め具合が調度よくて、
自分はそれが「エンタメしている」と思います。
店主さんは、それゆえに歯痒く、退屈なのかもしれないすね。

投稿: kuroneko | 2013年10月19日 (土) 00時27分

>鈴木則文監督が日活に出向して撮った
「堕靡泥の星 美少女狩り」
 
これは見てみたいすねー( ̄∇ ̄)
 
 
>白石晃士監督の「グロテスク」
 
"陵辱"はいいとして、
スプラッタは自分はダメなんすよねー
本当のことのように想像してしまい
且つ記憶にも深く刻印されてしまって
魘され続けてしまふ、、(ーー;)
 
といいつつ
次回サミットに参加する時にもっていくシークレットDVD
はグロ系だったりしますが(^^;)
独りでは観れないので持っていきます(一。一;;)

投稿: kuroneko | 2013年10月19日 (土) 00時52分

>当時の限界には行っていると思います。
例えば
「堕靡泥の星 美少女狩り」では
陵辱の限りをつくされた少女が狂い捨てられ
繁華街の人ごみの中で半裸で笑い続ける
というシーンがあきらかゲリラ撮影で撮られてますし
 
「太陽を盗んだ男」では
皇居にバスが突っ込んで行くシーン
デパートの上から札束をばら撒くシーン等々で
助監督が何回も警察の牢屋に宿泊しています
 
また
「野良猫ロック マシンアニマル」では
バイクで地下街を爆走するシーンをゲリラ撮影してました
 
あの時代は警察に捕まる覚悟での撮影が普通だったような気がしますが
そこまで行っていないんですよねー
 
AVに近づくことが目的になってしまっていて
他のことがおざなりになってるような…
 
>夫婦役の二人も狂気を感じ過ぎない点が
それもありますねぇー
彼らも変態としてぬるい…
自分たちのこと変態って言う変態はいないと思います
 
>店主さんは、それゆえに歯痒く、退屈なのかもしれないすね
たぶんそんな感じです
 
>本当のことのように想像してしまい
たまにホンモノ使ってるときありますよ
「ゼイコールドハーワンアイ」「黒い太陽」は本当の死体使ってるみたいです…

投稿: 万物創造房店主 | 2013年10月19日 (土) 18時40分

>繁華街の人ごみの中で半裸で笑い続ける
というシーンがあきらかゲリラ撮影で撮られてますし

こいつは…
超観たいっ!(゚〇゚;)
 
>そこまで行っていないんですよねー
 
>AVに近づくことが目的になってしまっていて
他のことがおざなりになってるような…
 
ロマンポルノ
の最末期の作品の一つで、
致し方ない点もあるすかね。
 
>自分たちのこと変態って言う変態はいないと思います
 
そうすねー。
悪い意味で映画っぽい台詞ですね。
 
>たまにホンモノ使ってるときありますよ 
 
ドキュメンタリーならドキュメンタリーでいいんですけどね
死体を弄んでほしくないすねやっぱし。
(>_<)

投稿: kuroneko | 2013年10月20日 (日) 00時01分

>ドキュメンタリーならドキュメンタリーでいいんですけどね
 
両方とも普通の娯楽映画ですね
 
「ゼイコールドハーワンアイ」では
ヒロインが片目を潰されるシーン
やけにリアルと思ったら
ホンモノの死体を使ってるとか…
 
「黒い太陽」では
731石井部隊が解剖するシーン
内部構造までよくできているので、どう考えても死体です
作るのめんどくさかったんでしょう
ちなみに研究室に並んでる胎児のホルマリン漬けもホンモノっぽい
二体目の生きたまま解剖という設定の死体は心臓部を開けたときにちゃんとバクバクしています
どこからかチューブ突き刺して心臓内に空気かなんかを送り込んでいるのでしょう

投稿: 万物創造房店主 | 2013年10月21日 (月) 15時11分

>ホンモノの死体を使ってるとか…
 
これは、、観たい!(^o^;)/
ってスプラッタ物については自分は
腰が座らない感じがありますね。
場数をこなしていないせいか。
 
 
>作るのめんどくさかったんでしょう
 
もうちょっと切実な理由が欲しいっすねー(ーー;)
 
>どこからかチューブ突き刺して
心臓内に空気かなんかを送り込んでいるのでしょう 
 
自分は専門外なんであんまし興味ないすけども
調べれば詳細が判りそうすね。
こういうネタは。

投稿: kuroneko | 2013年10月22日 (火) 00時44分

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