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2012年2月18日 (土)

映画「殺しが静かにやって来る」

2010年に見た映画(三十六) 「殺しが静かにやって来る」

原題名: IL GRANDE SILENZIO
監督: セルジオ・コルブッチ
脚本: ヴィットリアノ・ペトリリ,マリオ・アメンドラ,
ブルーノ・コルブッチ,セルジオ・コルブッチ
撮影: アレハンドロ・ウローア
音楽: エンニオ・モリコーネ
出演: ジャン・ルイ・トランティニャン,クラウス・キンスキー,フランク・ウォルフ
時間: 105分 (1時間45分)
製作年: 1968年/イタリア,フランス

2010年 4月鑑賞
(満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)

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 "マカロニウェスタン物"としては、白銀の世界が舞台(設定上
ではユタ州のスノーヒルとい小さな町)というのは異色なようだが、
このジャンルは事実上未踏なので全く先入観無く鑑賞。エンニオ・
モリコーネの音楽が耳に心地よい。

 主役の"サイレンス"を演じたジャン・ルイ・トランティニャンはかなり
若く見え、駆け出しの頃の初主演作かと思い調べてみると製作時に
38歳。何か計算がおかしい気がする。20代前半の若者に見えた。
敵役の悪徳賞金稼ぎ"ロコ"のクラウス・キンスキーの情け容赦ない
「詩情の無い」殺し屋っぷりと賞金と換金する為に射殺した死体を
丸太のように扱う悪魔っぷりが何ともエグイ。"安楽な年金生活を
送るために稼がにゃ"というような字幕が出るが全くもって決闘の
美学もクソもなく、髪も肌も白く憎憎しい"白い悪魔"と呼ぶに相応
しい演技をしている。西武劇というよりホラーの様相を呈している。

 「"西部劇"=殺し合いだから当然野蛮であり死体が出てくる」という
エクスキューズを完全に逆手に取って、人体損壊を楽しんでいる
傾向を感じてしまうがこの辺のジャンルは全く手付かず状態なの
でよく判らない。カリバニズムが確実に入っている感じがする。

 ヒロインの裸の描写が露出は控えめだが演出上手くてエロい。
ラストの終り方もこの手の作品としては極めて異色らしいが自分は
好きな終り方で納得。

 本作「殺しが静かにやって来る」は所謂マカロニウェスタン物の
中での評価は高いようだが2012年2月現在、ウィキペディアには
項目が無いようだ。"マカロニウェスタン"というシステムは"スター
ウォーズ"のそれと同様にテーマパーク的であって実際に体験して
(観て)大いに楽しむものであって語るものではないような気もする。
したがって劇場にはマカロニウェスタン並びに西部劇を愛してやま
ないと思われる人々が実に楽しそうに談笑していた。完全にコスプレ
して鑑賞に臨んでいた人もいたり(別に浮いた雰囲気でもなかった)。
自分は乗りが悪い人間であることを久しぶりに思い知った夜でも
あった。意訳も多そうでイタリア語が判ればきっと面白さは10%増し
以上になるのではと思いながら鑑賞。

 ジャン・ルイ・トランティニャンは作中で演じる設定だけでなく明らかに
モテそうな男であるが、風貌に気品があって嫌味がなくて男子たるもの
こうありたいものだ。「トリコロール/赤の愛」(1994)でも当時60歳半ば
でありながらイレーヌ・ジャコブが演じる美しき"ミューズ"(女神)である
主人公のヴァランティーヌを正面から口説いても全然おかしくない
素敵な老紳士振りを見せている(実際に男女の愛をテーマの一つに
している)。シャブロル「女鹿」(1868)での美女二人から激しく求愛され
且つ応じながらもブレない様は嫉妬よりも爽快感を感じる。

 

[マカロニウェスタン]
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マカロニ・ウェスタンとは、1960年代 - 1970年代前半に作られた
イタリア製西部劇のことである。大半のものはユーゴスラビア(当時)や
スペインで撮影された。イギリス・アメリカ合衆国・イタリアなどでは、
これらの西部劇をスパゲッティ・ウェスタン (Spaghetti Western) と呼んで
いるが、セルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』が日本に輸入された
際に、映画評論家の淀川長治が「スパゲッティでは細くて貧弱そうだ」と
いうことで「マカロニ」と改名した(中身がないという暗喩も含んでいる
という説もある)。日本人による造語であるため、マカロニ・ウェスタン
という言葉は他国では通用しない。
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(ウィキペディアより)

 

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コメント

マカロニウエスタンはザクッと云うと
西部劇+サムライ時代劇+スプラッターのおいしいところツイバミ映画ですな
 
サムライ対決的な一対一の果し合い
意味なくオーバーなガンアクション
時代考証とか全く気にせず登場する連発銃やガトリングガン
etc.
面白ければそれでいい的なところが私好みです
 
ところで
マカロニウエスタンは日本語吹き替えで見るのがベストですよ
やはり「荒野の用心棒」なんかは山田康夫で見ると数倍面白いです
 
ちなみに
この「殺しが静かにやって来る」は
主人公サイレンス・・・なし
ロコ・・・大塚周夫
の吹き替えが私のDVDには入っております

投稿: 万物創造房店主 | 2012年2月18日 (土) 16時42分


>おいしいところツイバミ映画ですな
 
そのようですね。
展開のすっ飛び振りに面食らいました
( ̄ロ ̄lll)
 
>日本語吹き替えで見るのがベスト
 
そうかもしれないですね。
「本当の台詞」をいちいち追っていても
しょうもないかもしれないすね(^^)
各国でカッコ良くてそれっぽい台詞を
あてちゃうのが、マカロニウェスタンの
場合は"正しい"と言えるかもしれませんね。
 
 
>主人公サイレンス・・・なし
 
台詞本当に一つか二つくらいでしたからね。
ジャン・ルイ・トランティニャンは
美味しい仕事だったかも(^^)

投稿: kuroneko | 2012年2月19日 (日) 01時27分

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