映画「我が闘争」
「我が闘争」
「続・我が闘争/敗者と勝者」
「我が闘争」
原題名: DEN BLODIGA TIDEN/MEIN KAMPF (英)
編集: エルウィン・ライザー
時間: 117分 (1時間57分)
製作年: 1960年/スウェーデン
「続・我が闘争/敗者と勝者」
原題名: KRIGSFORBRYTARE
/MEIN KAMPFⅡ,AFTER MEIN KAMPF, SECRETS OF THE NAZI CRIMINALS (英)
編集: トーレ・ショーベルイ,イングマール・エーベ,エリック・ホルム
時間: 81分 (1時間21分)
製作年: 1961年/スウェーデン
(満足度:☆☆☆☆) (5個で満点)
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「我が闘争」(1960)では、ナチスが勃興し、降伏するまでを。
「続・我が闘争/敗者と勝者」(1961)では、ニュルンベルク裁判(1946)と
ユダヤ人迫害について描いたドキュメンタリー作品。
「我が闘争」では、「合法的に」ほとんど全ての権限を奪取していく様が
丁寧に描かれている。ヒトラーとナチスの異常性というよりも、ドイツ国民の
希望を徹底的に"悪用していく"様が、戦後70数年経っても本質的には人間の
社会は『何も変わってはいない』ことに観ていて衝撃を受ける。一部の映像で
ヒトラーの左腕が効かないように見えるが、1944年7月に起きた暗殺未遂事件の
影響なのかどうか。。事件では会議中に爆弾が爆発し、数人の死者と重軽傷者が
出る惨事となり、ヒトラー自身も軽傷を負ったとされている。
「続・我が闘争/敗者と勝者」では収容所でのユダヤ人を管理するドイツ人の
責任者には主に犯罪者が充てられたとのことのだが、男も女もその表情の瞳の
暗さがひどく印象的だ。何も映さない瞳。相手を理解する気力も能力も著しく低い
であろうことが明白であろう活力に乏しい表情。ナチスの上層部は押しなべて札付きの
ゴロツキであって彼等に絶対服従しなけければドイツ人であれ誰であれ明日をも
知れない身であったのだから、その末端の者達の残虐性と排他性はいかばかりで
あったかと考えると人間というのは本質的にろくでもない生き物であるとう結論しか
思いいたらない。
犠牲者達の遺留品である靴や髪の毛や眼鏡の山を見ると、その『システム』は
許されなざる、生産システムであったことは疑う余地もない。その遺留品の山を嬉々
として築いた者達は戦争がなければ粗暴ではあろうが表面的には人の良いおじちゃん
おばちゃん若者に過ぎないという点もまた作品は暴き出していながら、残念ながら
誤謬にも陥っている。悪を成すのは悪ではなく残念ながら善(独善)や責任感や達成感
であるということを。
ウィキペディアによれば、1944年7月20日に実行され未遂に終わったヒトラー暗殺計画の
実行犯として銃殺刑にされたクラウス・フォン・シュタウフェンベルク(1907-1944)は、
同年6月のヒトラーでの別荘での会議において、ヒトラーとの対面を果たし、会議に
出席していたヘルマン・ゲーリング、ハインリヒ・ヒムラー、ヴィルヘルム・カイテル等
についてはアルベルト・シュペーアを除いた全員をサイコパスであると感じたという。
シュペーアはニュルンベルク裁判で禁錮20年の刑に処せられ、1966年に出獄。後に
生い立ちからニュルンベルク裁判までを描いた回顧録を出版する。回顧録はナチスの
内幕を記している貴重な資料とされている。
[ヒトラー暗殺計画]
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ヒトラー暗殺計画(ヒトラーあんさつけいかく)は、ヒトラーの政権奪取後、単独犯と
組織的なものを合わせて少なくとも42回企てられた。
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[ニュルンベルク裁判]
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ニュルンベルク裁判(ニュルンベルクさいばん)は、第二次世界大戦において
ドイツによって行われた戦争犯罪を裁く国際軍事裁判である(1945年11月20日
- 1946年10月1日)。国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)の党大会開催地
であるニュルンベルクで開かれた。日本の極東国際軍事裁判(東京裁判)と並ぶ
二大国際軍事裁判の一つ。
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(ウィキペディアより)
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