映画「スウィッチブレイド・シスターズ 」
「スウィッチブレイド・シスターズ」
原題名: Switchblade Sisters
監督: ジャック・ヒル
撮影: ステファン・カッツ
音楽: メデューサ
出演: ロビー・リー,モニカ・ゲイル,チェイス・ニューハート
製作年: 1976年/アメリカ
(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)
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アメリカ版"女番長物"。まだあどけなさも僅かに残る少女達の抗争を描く。
オープニングのタイトルロールと音楽の小気味良さから、中盤の男の獲り
合いとちょっぴりの青春ムービー、そして最後のエンドループとなるオチまで
よくまとまっている良作。
万物創造房店主さんによると、クエンティン・タランティーノはこの作品から
かなりの影響を得ていることは間違いないとのこと。またこの作品は日本で
本作と同時期に発生している"女番長物"を下地にしているらしいとも。"女番長物"
では二人のリーダー格の女が「ボスの座」と「男」を巡って合い争うのが常道で
あり王道であるらしい。本作もその骨子に乗っ取ってしっかり作られている。
個人的には主役級の女性三人に確実にロリの要素が入っていることが本作の
魅力を大いに引き立たせているような気がする。ギリギリで未成年であることを
匂わせているところが彼女達の女同士のバイオレンスシーンについてグロテスク性を
大きく緩和している。警察に囚われた彼女達と仲間で盛大に大暴れするシーンや
後半のちょっとした"市街戦"の様相となるファナティックなシーンの70年代という時代
に世界的に蔓延した無邪気なアナーキーさと可笑しさに、クライマックス突入前の
スケート場でのデートシーンの束の間の青春物のシーンがスピーディで違和感なく
繋がっているのも彼女達の若さゆえの無知なる美しさと無謀さによる中和されて
いるからではなかろうか。
あと少し年齢を上にしてしまったら描写されているシーンのほとんど全ては
全く意味合いがことなり、また激しくグロテスクなことになるであろう。それは、
きっと女囚物というすぐ上のステップのカテゴリーにスムーズにエスカレーション
(またはデスカレーション)することになるのだろう。見て損無しの作品。
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コメント
>クエンティン・タランティーノはこの作品
というより
絶対、ジャックヒル大好きですね
>確実にロリの要素が入っている
うーむ
日本の女番長モノの池玲子・杉本美樹 等々は
とてもじゃないけど高校生に見えない…
そういった意味では
ジャックヒルの方が一枚上手だったか…
でもその分
スイッチブレードの方はエロ・グロが少ないし
バイオレンスも軽快な感じになってますね
どっちも一長一短
投稿: 万物創造房店主 | 2012年11月 5日 (月) 18時19分
>絶対、ジャックヒル大好きですね
そのようですね。
「ジャッキー・ブラウン」(1997)は
ジャック・ヒルに捧げられているとかいないとか。
タラちゃんの映画はこちらでもそこそこな頻度で
上映しているのを見かけるのですが個人的に
「絶対に観る!」o( ̄^ ̄)o
というキックは入らないのですが
「ジャッキー・ブラウン」はこれで観るスイッチが
入りました。ジャック・ヒルテイストを勝手に計りながら楽しめそうです。
Mr.Leeさん、万物創造房店主さん改めてありがとうございます!
m(_ _)m
ジャック・ヒルの作品では
「残酷女刑務所」(1971)
が観てみたいすね。
>ジャックヒルの方が一枚上手だったか…
可愛いですよね。この作品の娘達(^o^)
出来上がった作品の出来映えを計算に
入れて撮っている可愛さのように思えますな。
>どっちも一長一短
自分はこの作品くらいが調度いいかな、、
(^^;)
「女番長」という存在そのものと作品ジャンル自体が
最早存在し得ないせいなのか、ここ最近は
逆に上映している頻度が増えている気がします。
今度は観てみようと思います。
投稿: kuroneko | 2012年11月 6日 (火) 00時59分
>「女番長」
日本では
野良猫ロックシリーズ
女番長シリーズ
ずべ公番町シリーズ
恐怖女子高校シリーズ
混血児リカシリーズ
すっぽん女番長
と
けっこう作られてるんですが
スイッチブレードシスターズ以外の外国のものはあんまり知りませんねぇ
あるんですかねぇー
投稿: 万物創造房店主 | 2012年11月 6日 (火) 20時02分
>野良猫ロックシリーズ
>女番長シリーズ
このシリーズは比較的よく
上映されている感じがします。
こんどどれか観てみます。
>ずべ公
某ドキュメンタリー作品で
隠し撮りされた「本物」のズベちゃん
見ました。なかなかの迫力(^^;)
若いカップルを余裕シャクシャクで
カツアゲてました(隠し撮りが証拠となり
後で逮捕)。
彼女達だって生まれた時は無邪気に
ただ笑っていたはず。。(一_一)
>外国のものはあんまり知りませんねぇ
海外で「番長」で「女」というのは、余り
無さそうな感じがしますね。主観ですけど。
「女リーダー」というのは「番長」とニュアンスが
違いますよね。リーダーは慕われているけど
番長は気を許すとすぐに反乱を起こされそうな。。
白人・欧米系の友達が出来たら聞いてみたいですね。
きちんと広域に一定量分布している(していた)
国は日本くらいだったりして。
投稿: kuroneko | 2012年11月 6日 (火) 23時26分
>きちんと広域に一定量分布している(していた)
僕はときどき思うんです
世界で一番女性の開放が進んでた国は日本ではなかったか・・・
世界で一番、女番長人口の多かった国
にっぽん!
( ゚皿゚)
投稿: 万物創造房店主 | 2012年11月 7日 (水) 19時47分
>世界で一番女性の開放が進んでた国は日本ではなかったか・・・
計る「定規」によって決定するのは容易じゃないですね。
国境の線引きや戦時中の出来事について平気で嘘をつく
方々が混じっているうちはお話し合いは到底無理すねー
(-_-)
>にっぽん!
( ゚皿゚)
にっぽん!!
にっぽん!!
NIPPON!!!
( ̄0 ̄)ノ
投稿: kuroneko | 2012年11月 8日 (木) 00時11分
>計る「定規」
結局、今の女性解放度って西洋人の思う定規で勝手に測ってるだけですよね
いくら女番長人口が多くても反映されないし…
少女マンガ・女性向けマンガなんかが普通にある国
しかも
女性の漫画家がいる国って
日本ぐらいしかいないし
女性のファッションの自由度なんかも
圧倒的に日本が高い
そのあたりでランキングすると
文化的女性開放度は
日本がブッチギリトップですよね
投稿: 万物創造房店主 | 2012年11月 9日 (金) 16時18分
>女性の漫画家がいる国
日本が強力な宗教の関与から逃れている
こととも大いに関係ありそうですね。
トキワ荘の住人だった女流漫画家
水野英子氏も色々と興味深い発言を
しております。
荒俣宏のまんがナビゲーター
第7回水野英子編
http://www.ebookjapan.jp/ebj/special/manganavi/manganavi_07-3c.asp
>圧倒的に日本が高い
ここ20年近く続くアニメブーム(というか文化)の観点からも
日本が突出してファッション全般について自由度が高いことは
常識となりつつありますね。
>日本がブッチギリトップですよね
明治のご維新前後で訪れた外国人達が
日本における子供や女性がいかに楽しそうに
生きているかの証言も数多くありますね。
結局、いつもの話しになりますが
終戦間際のほんの2,3年の米を中心とした対日プロパガンダ
を微塵も思考しないで「事実且つ真実」として受け入れてしまった
大馬鹿者と国際的犯罪者さん達のおかげでかれこれ70年近くも
世界は嘘に塗れ続けていると。。
3.11大人災以降、凶悪犯罪そのものの『嘘』を日本人達が
心底怒りを感じるようになったことがせめもの救いですね。
国の崩壊&化物さん達への譲渡に間に合うかどうか、、
解散せーやホンマ、、(ーー;)
投稿: kuroneko | 2012年11月10日 (土) 01時41分
>結局、いつもの話しになりますが
まー結局、諸悪の着地地点はそこしかないですね
でも、もうひとつ
明治以降の日本文化排斥、西洋化も
第一回の日本崩壊へのターニングポイントですね
石原さん・たちあがれ日本勢は
どうもそのあたりを考慮に入れていない気がしてならないですね
戦前回帰だけでは
すでに壊れた日本に戻るだけです
投稿: 万物創造房店主 | 2012年11月10日 (土) 15時05分
>第一回の日本崩壊へのターニングポイントですね
幕末から維新前後のハードランディングも
大きいですね。明治新政府の"容"(形)の在り方も。
今後は、この辺まで遡って考えてみたく思います。
>石原さん・たちあがれ日本勢は
どうもそのあたりを考慮に入れていない
気がしてならないですね
国民がリアクションをとりずらいのもソコにつきますね。
彼らの戻る"所"が国民にはどこなのか非常に見えずらい。
議論すればするほど温度差ばかり気になってしまう。。
「日本人が"総意"として戻る地は残念ながら無い。
これから皆で議論して作ろうじゃあないか!
外交も国防も教育もしっかり日本が残るように
やろうぜい」
o( ̄^ ̄)o
って声高らかに言える政治家は、、
きっと他にいると思います。
出てこいやあぁ!(゚д゚)(高田総裁の声で)
>戦前回帰だけでは
すでに壊れた日本に戻るだけです
まあ、これは現実的に「無理」ですよね。(一_一)
何が戦前で、戦中で、戦後で、なんて、
もう今の日本人のほとんどは何も答えられないですもんね。
一歩一歩、各々それぞれで歩いていくしかないすね。
頑張りましょーオー( ̄0 ̄)ノ
投稿: kuroneko | 2012年11月10日 (土) 23時29分