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2012年12月 9日 (日)

映画「キャタピラー」

「キャタピラー」

原題名: キャタピラー
監督: 若松孝二
脚本: 黒沢久子,出口出
撮影: 辻智彦,戸田義久
出演: 寺島しのぶ,大西信満

時間: 84分 (1時間24分)
製作年: 2010年/日本

(満足度:☆+)(5個で満点)
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戦場で四肢を失って帰還した男(大西信満)とその妻(寺島しのぶ)の
苦悩の日々を若松孝二が描く。

 

 酷い内容の作品で観ているのが苦痛だった。時代設定と舞台を太平洋戦争
末期の日本にする必然性は全くなく、描かれているのはリアリティの無い虚構
と捏造の世界だ。
「現代」と同様に「過去」の人間も腐っていたであろうという思い
込みか悪意で作ったに過ぎない。「武士の一分」(2006)と同じ後味の悪さを覚えた。

 大西信満が演じる主人公は精神構造が破綻しており、それ以前に脚本において
きちんと人格を作っていないので一個のキャラクターとして成立しておらず、容姿
とは全く関係無くただの化け物となっている。五体満足でなくては心の中まで醜い
理由と背景を描かずに断罪している点において、この作品は戦争映画とも
何とも評し難く、寧ろ差別的な作品ではないだろうか。

 寺島しのぶは出征する前はDVに明け暮れ、四肢を奪われて帰ってきた後は
なぜか色情魔と化している訳のわからん男を夫に持ってなお、挫けない女性を
演じていて、出鱈目さを相当に補う力演を見せていて、脚本や描かれる世界観
とは別にして、確かに賞を取るに値する(本作でベルリン国際映画祭最優秀
女優賞を受賞
)。

 主人公達を囲む人間達の薄情さ加減においても見ていて気分が悪い。戦争中
や封建制の世の中よりも現代の方が"マシ"であるという低俗なプロパガンダ
撒き散らす為に過去の人間は皆、自分の事しか考えないエゴイストだったかの
ように、判を押したように描くのはあらゆる点において悪質であり、意味がない。
過去を美化する必要は無いとは言え、最低限の考証と何よりも「今、製作する
タイミングで何を観客に見せたいのか」
という製作意図がなくては、現代人の
考えや振る舞いをそのまま持ち込むのは美化より犯罪的であると言えよう。

 日本を徹底的に解体して日本の歴史・文化を全て抹殺し、日本人を永遠に
隷属化したいある特定の人々や集団にとっては拍手喝采の"模範的作品"
で、
非日本人に日々国力を疲弊されてしまっている今の日本にはお似合いの作品
なのかもしれない。悪意を持って税金も拠出されて作られた「靖国」(2007)と
同列か、長期的な影響を考えるとそれよりも深刻である。

 製作に真摯に取り組んだ方々には悪いが極めて存在意義の乏しい作品だ。
この作品に比べれば、賞を取らなくてはならない作品は幾らもあり、何が何でも
後世に遺さなくてはならない作品・文献・遺産もまた数多くある。

 因みに何も描いていない(描けていない)証拠に仮に描かれている内容を主演
二人のどちらかの見た夢(悪夢)ということにして、尚且つ夢から覚めた時代と
場所をどこにしてもどんなタイミングにしても本作は全く欠片も問題ない。 

 徹底的に日本を貶めているという点において本作が海外で一定量の評価を
得るのも当然である。
人間は人間である前に動物でり、「存在する」ということだけ
のサバイバル・ゲームから言えば、人間であることを捨てて、動物以下になった
方が優位である
ことは日々の報道、ここ数年の特定の集団の行動及び言動を
見れば明らかなことだ。本作はその行動と言動の結果、偽り欺瞞に満ちた
政権交代の一つの成果とも言えよう。
 

「これが戦争だ」というのが本作公開時のキャッチコピーであったが、皮肉にも
言葉自体は極めて正しい。これが戦争だなどと欺瞞に満ちた稚拙な何かを
「一方的に提示されること」そのことと、本作のタイトルそのままに事実を徹底的
に執拗に葬り去り捏造と嘘で塗り固め、押し潰して隠蔽していく。

1945年8月15日から今日に至るまで仕掛けられ続けている『戦争』なのだ。

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映画」カテゴリの記事

コメント

これは近年稀に見る失笑映画でしたね
 
江戸川乱歩の「芋虫」をパクって利用して
先の戦争は日本軍が全て悪かったという曲解プロパガンタを
日本人自ら海外に撒き散らしたという
 
結局、オリジナル性がないばかりか、「芋虫」という十数ページの短編の欠片さえも人の心は描けてないし
江戸川乱歩が生きていたら、ほんま激昂したことでしょうね
 
あんなクズなパクリ方されたら…
 
ちゅーか
あの面白い短編を理解する能力がなかったんでしょうなー
そんなまま亡くなられて可哀想ですね、残念です
 
そういや
丸尾末廣の漫画「芋虫」はよくできていて面白かったですよ
さすがわかってらっしゃるって感じです

投稿: 万物創造房店主 | 2012年12月11日 (火) 16時47分

>日本人自ら海外に撒き散らしたという
 
若松孝二は(恐らくは)自認していたであろう
「テロリスト」ですから本望だと思うんですけどねー(ーー;)
サリン撒いたみたいに後遺症が大きい作品だと思うす。。(ーー;;)
 
 
>そんなまま亡くなられて可哀想ですね、残念です
 
個人的には
「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」(2011)
は本作のような罪深い作品を"撒いてしまった"
彼なりの贖罪と受け止めています。誤解を恐れずに言えば
これで運命だったのでは。。
 
 
>丸尾末廣の漫画「芋虫」
 
探して読んでみます(^o^)/
 
 
>さすがわかってらっしゃるって感じです
 
ここ数年、日本は化物共が好き勝手に
暴れ回って日本人は「本物」に飢えている感じがして
それは良いことかなと思います。
 
選挙行こうぜ!!!!!!!!!!!!日本人!!!!!!!!!!!!!!!
日本を子供たちに遺そう!!!
エネルギー政策も誤って
未来の日本人の選択肢を摘んではいかんぜよ
o( ̄^ ̄)o
 
偽物や烏合の衆じゃない
本物の
『未来』を託せる党と人に一票を!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
\( ̄0 ̄)/

投稿: kuroneko | 2012年12月12日 (水) 00時27分

>「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」(2011)
そのうち機会があれば(誰かがレンタルで借りてきてくれるとか)
見てみたいと思います
 
すると何かわかるかも
 
でも、なんか
右と言われてる三島をとりあげることで
俺は中道だ
「キャタピラー」も中道だ
と言いたかっただけのような気もしないでもないです

投稿: 万物創造房店主 | 2012年12月12日 (水) 17時27分

>「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」(2011)
 
そうすねー是非!
井浦新(三島由紀夫:主演)
満島真之介(森田必勝:準主演)
渋川清彦(持丸博:楯の会初代学生長)
辺りの主要キャストの芝居も良かったっす!

渋川清彦は出番が短いながらも
台詞ではなく、「目で"三島との決別"」
を表現した渋い演技がカッコ良かったす(^-^)
 
>俺は中道だ
>「キャタピラー」も中道だ
 
浅間山荘事件の"左"に向かった若者と
三島と共に楯の会という"右"に向かった若者で
違いは『全く寸分も無い』ということが
ようやくにして判ったのだと私は思いたいすね。
「11.25 自決の日~」では明らかに
彼らの"情熱"だけを追っていて
そこは良かったです。
「キャタピラー」は要らない映画でしたねー
化物達や偽日本人達はこの映画"も"
利用してユスリ、タカリをこれからも
続けていくのでせうねー
  
闘おうぜい!!日本人!!v( ̄Д ̄)v

投稿: kuroneko | 2012年12月13日 (木) 01時04分

>違いは『全く寸分も無い』
僕はけっこう違うと思うんですよ
 
三島は思想じゃなくて芸術としての右
これに着いて行くには三島の芸術に酔わないといけないし
一定の筋は通す
逆に赤軍はひたすら自己陶酔ですね
政府転覆を狙ってる俺かっこえぇーみたいな
で、ルールはなきに等しい
 
また赤軍は
同時にソ連や中共の工作員でもあったわけですし
盾の会と赤軍より
オウムと赤軍の方がはるかに近い気がします
 
オウムも後ろに北やソ連がいましたからね
 
そういや新選組も内紛や暗殺を繰り返した感じが似てるかもですね
人殺し集団はそういう組織になっちゃいやすいのかもですね

投稿: 万物創造房店主 | 2012年12月13日 (木) 19時24分

>僕はけっこう違うと思うんですよ
 
そうすね。
店主さんの仰っているのに大きな異論は
ないのですが、私の言っている
『全く寸分も無い』というのは、
右へ行くか、左に行くか、真ん中に止まるか、
その「情熱そのもの」=エネルギーそのものですね。
 
その先の筋を通す美学とか、自己陶酔もまた
仰る通りですね。 
 
 
>これに着いて行くには三島の芸術に酔わないといけない
 
楯の会の入会基準は三島自身の希望で
「三島の小説を読んでいない」
「三島に必ずしも心酔していない」
というのがあったようです。
面白いですね。まあ勿論それは建前
あるいは三島独特の照れ隠し
というかケレン味というのもあったでしょうけど。
 
 
>盾の会と赤軍
 
結果的には大きく違いますね。
盾の会の人達は一般人により近い。
というか三島亡き後は普通に生きた人々も
いた感じがしますね。
 
>新選組も内紛や暗殺を繰り返した感じ 
 
まあでも、こちらは豊富な資料やエピソード
を現在に至るまで遺しているから「格が上」
ですかね(^o^)志は高いのでは。
現代の警察の原型の原型ですし。
海援隊と並んで近代日本初のベンチャー企業
(私設警備隊)でもあるわけですね。
 
新選組の美学や会津魂、ストイックさ、奉仕の精神
のようなものは現在の警察だけでなく
自衛隊とかにも精神の一部は受け継がれて
いるように思います。
「誠」の名の旗の下に!
大河ドラマ「新選組!」DVD久しぶりに観たくなってきた(^^)

投稿: kuroneko | 2012年12月14日 (金) 01時05分

>「三島の小説を読んでいない」
>「三島に必ずしも心酔していない」
へぇー
でもまぁ
クロネコさんのおっしゃる通り建前ですな
ありえないです
 
>「格が上」
そうですね
比較するのが間違いでした
 
体制側か反体制側かってのも大きいですね

投稿: 万物創造房店主 | 2012年12月17日 (月) 21時27分

>ありえないです
 
上記の私の書き込みはほとんど
教えて頂いた
「三島由紀夫と一九七〇年」
鹿砦社
からの受け売りネタですが(^^;)
三島の切腹にリアルタイムで遭遇した
周辺の人々のコメントとして一読の価値は
ありますね。
DVDはまだ観ていないですが。
 
>体制側か反体制側かってのも大きいですね
 
今回の「政権崩壊」は反体制側が体制側に
"間違えて"来ちゃった為の崩壊そのものでしたね。
当選の花がほとんど着かないまっさらなホワイトボード
美すぃ。。( ̄∇ ̄)

投稿: kuroneko | 2012年12月18日 (火) 00時52分

>「三島由紀夫と一九七〇年」
なんとー
 
紹介しておいて
実は文章自体はあまり読んでいなかったりします…
(^_^;)
 
>周辺の人々のコメントとして一読の価値
それは読まねば…
 
>"間違えて"来ちゃった為の崩壊
傷は深いですが
国民の目が覚めた感
同時に自民の変な勢力を削ぐ事ができた感
があるので
無駄ではなかったかなと思います
あとは安部・石破・麻生ラインのお手並み拝見って感じですね
 
>当選の花がほとんど着かない
菅直人せっかく落ちたのに
比例で復活して残念です

投稿: 万物創造房店主 | 2012年12月18日 (火) 16時39分

>実は文章自体はあまり読んでいなかったりします…
 
ありがちっす。
自分も必要な箇所端折って読んだだけっす(^^;)
 
>それは読まねば… 
 
当時を体験した人々も三島についても政治状況も何ら
理解していなかったことを謙虚に述べているのは
一応評価できますね。
 
>傷は深いですが 
 
深いですねー。深すぎる。痛すぎる

>自民の変な勢力を削ぐ事ができた感
があるので 
 
金権腐敗よりも「無能者」に船頭を任せる恐怖を
国民が知ったのは良い薬だったかもですね。
ある意味、「侵略される恐怖」を日本人は初めて
知ったとも言えますね。
 
>安部・石破・麻生ラインのお手並み拝見って感じですね 
 
ですねー
26日の組閣は久しぶりに新聞買ってしっかり読みたいすね。
稲田朋美女史が法相に就任という話もあるし、石破は留任
だけど第二期安倍内閣があれば防衛相になっても何ら
おかしくないし、西岡武夫がご存命であれば、命を削って
"空き缶"を批判し続けた先見の明を大いに買われて
国民から感謝されたはず、、
ある意味、時代は我々の想定通りに進んでますな( ̄ー+ ̄)
 
kuroneko的評価する政治家
http://tokyo-kuroneko.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/kuroneko-232d.html
 
 
>比例で復活して残念です
 
まあでも、愚連隊は現職閣僚も随分討たれて
(新潟の変なオバハンとか)国民の怒りと失望の声
"だけ"は彼らの耳に届きましたね。"聞く"機能が
その耳に付いていればね(ーー;)
 
とりあえず、日本を少しは奪還!!
もっともっと取り戻そう!守ろう!伝えよう!
メンテナンスしていこう!!
日本!\( ̄0 ̄)/

投稿: kuroneko | 2012年12月19日 (水) 01時14分

>ある意味、時代は我々の想定通りに進んでますな( ̄ー+ ̄)
マジであのときクロネコさんとこうなったらいいねーって言ってた
そのものの状態になってきているので
ちょっと恐ろしいぐらいです
 
クロネコブログはデスノートのような力を帯びてしまったのかっ!
((゜Д゜Uu))

投稿: 万物創造房店主 | 2012年12月20日 (木) 15時27分

・中国が尖閣諸島等を諦め、数々の非礼・暴言を世界中に謝罪する。
・ロシアが北方領土を日本に返還し、数々の非礼・暴言を謝罪する。
・韓国が竹島を日本に返還し、数々の非礼・暴言を謝罪する。
・北朝鮮が拉致被害者を無条件に返還し、補償をする。
・南京大虐殺が捏造であることが国際的に認知される。
・従軍慰安婦が捏造であることが国際的に認知される。
・凶悪犯罪の犯人を逮捕できる「普通の国」になる。
・国際常識豊かな保守中道の政治家・官僚がどんどこ育つ。
・前回の政権交代の虚構性と民主党の違法性がより広く認知される。
・kuronekoブログの記述内容の情報価値が余りに高いので、
正当な対価を払うことにプロバイダが決定する。←これは無い
 
( ̄ー+ ̄)

投稿: kuroneko | 2012年12月21日 (金) 00時17分

なったらいいなー\(;゚∇゚)/

投稿: 万物創造房店主 | 2012年12月27日 (木) 15時48分

( ̄ー+ ̄)
 
。。っつか並べてみると
改めて異常過ぎる状況すねー(ーー;)
武力行使しても充分正当性あるんちゃう
本来、、
古人達が鎖国したのって極めて冷静沈着
で常識的な判断だったのでは。。
遣唐使が中止になった理由も
空海が"状況把握"してさっさと帰って来て
奈良の山奥に密教を開いたのも、
盗賊・獣達からお宝を守るために当然の
処置だったのでは。。
 
同胞も自分の領土も奪還出来ずに
「返せ!」と発言することすらも憚れる21世紀の今日、
一体何が「進歩」というのだろう。
何が「平和」だと、「人権」だと言うのだろう。。
狂ってますな。
 
某国へのODA止めようぜー今すぐ!\( ̄0 ̄)/
パンダ(≒偽造キャッシュカード)全部返そうぜー今すぐ!\( ̄0 ̄)/
某国との通貨協定なんて止めようぜー今すぐ!\( ̄0 ̄)/
円とドルを国際通貨の両輪にして、
もう一度輸出大国になって、メタンハイドレートとか
活用して資源大国になって、
同胞を取り戻そう!
無法の限りを尽くす無頼の輩を強制退去させよう!
o( ̄^ ̄)o

投稿: kuroneko | 2012年12月28日 (金) 02時53分

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