時計が売れる理由
いつものようにWEBを彷徨っていると、ここ最近の欧州では時計が
とても良く売れていることと、その理由について書かれたブログを見つける。
一つ目に見つけたブログでは、高価な時計はそれ自体が資産であり、
持ち運びに便利であり、時計が売れているのはすなわち現物資産への
資産の移動であり、欧州は依然として経済システムが不安定で資産家
は信頼していない証拠であるとしている。国家レベルの統治システムの
大規模な破綻と消失を幾度となく経験してきた欧州では資産を簡単に
持ち運び可能な宝石や時計、絵画などに分散してイザ!という時に備える
というのは以前から聞いている話しでありとても納得。
もう一つのブログでは、
「日本ではほとんど報道されないが、実は欧州では相当に景気が回復
している。高い時計がとても良く売れているのがその証拠」
と実に屈託なく書かれていた。両方とも一応経済を専門テーマとした
ブログであるので、後者のブログは冗談なのか、皮肉なのか後半の
文章で説明があるのかと読んでみたがフォローは特になかった。
「時計が売れている」という表層的な事象についての、その理由・背景に
ついての見解が素人からすれば専門家といえる側の人が、かたや危険、
かたや安全という真逆の判定をしているのが面白く、何も経済に限った
話ではないと言える好例ではあるまいか。
人は事象そのものに辿りつき理解・特定する事は出来ずに、その周辺の
情報から大まかな像を類推・仮定することしか出来ない。だから、情報ソース
が複数あることは人間社会にとって極めて重要であり『全て』とすら言える。
明日何が起こるのか、昨日何が起こっていたのか「本当の事」を知ることは
極めて稀である。だから生きることは面白くてエキサティングであるとも
言えよう。
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コメント
これってどう見ても
後者が表層しかとらえられててないだけですよね
よく経済コラムなんか書けますよねぇー
そういや中国人も昔っから
銀行も政府発行の紙幣も信用してないから
金のアクセサリー買って身につけるのが定番らしいですね
投稿: 万物創造房店主 | 2013年4月 9日 (火) 15時21分
>よく経済コラムなんか書けますよねぇー
余りにも対照的なのが同時に見つかったんで吹きました。
まあでも記事に書いた通り、
余りゲラゲラと笑うことは出来ず、似たようなスキームは
世の中によくありますよね。
自戒を込めて書いたです(^^;)
>そういや中国人も
欧州は金融システムの構築の歴史も古いから
現物と現金のロンダリングは精緻を極めていますが
中国人のニュアンスは微妙に違っていそうで
比較するのは面白いかもですね。
投稿: kuroneko | 2013年4月 9日 (火) 23時55分