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2013年5月18日 (土)

映画「キング オブ キングス」

「キング オブ キングス」

原題名: The King of Kings
監督: セシル・B・デミル
脚本: ジャニー・マクファーソン
撮影: J・ペバレル・マーレイ
出演: H・B・ウォーナー,アーネスト・トーレンス,ジョセフ・シルドクラウト

時間: 112分 (1時間52分)
製作年: 1927年/アメリカ

(満足度:☆☆☆+))(5個で満点) 
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 モブシーンは常に立体感があるように構図は工夫を凝らされ、設備を現代の
もので撮影方法やセットをそのまま全く同じように駆使しても空前の大ヒットとなる
であろう。フィルムがモノクロで画質が悪いために、特殊撮影やセット・衣装の
荘厳さが損なわれていると思われ当時の撮影の模様をカラーで見たいと思った。

 物語そのものは、ナザレのイエスがその"力"とカリスマ性ゆえに危険人物と
なりユダの裏切りにより捕らえられ、磔となるまでは良かった。終盤の紋きり
通りの復活の後はFar Eastの人間としては 余りいただけない。

 一人の人格として生きるイエスを、抵抗しないからといって遠慮の無い仕打ちを
し嘲笑する為政者に仕える者達、己の身を守ることに必死でイエスに迫る死を
ただ見守るしかない庶民。力のある者が、その力を際限無く振るってもよい無法の世。
カメラはイエスの復活までは、その無法の世を放置している人々そのものに
向けられていて見ごたえがあったが、終盤は現実の世界を離れありえない凡庸な
奇蹟の描写に終始してしまった。もしも復活劇を故意に描かないで終わったら、
さらに評価が高まり後世に語り継がれる伝説の作品となったことだろう。
無理な注文であろうが。

 中盤までの圧倒的なスケールに対して、後半(終盤)の展開への疑問符という
アップダウンなテイストは「ベン・ハー」 (1959)と酷似している。内容も大雑把に
言うと同じであってそれはそれで興味深い。アチラの人間とすれば「コレを描かない
でどーするよ」という肝なのだろう。コチラの「忠臣蔵」で言うところの"討ち入り"
の持つ価値みたいなものかもしれない(違うか)。 

 映画.com[http://eiga.com/movie/43882/]によると、本作は撮影の規模・スタッフ・
俳優に至るまで当時のアメリカ映画の総力を結集した作品と言えるようだ。画質の
クオリティが高い状態で観れば評価はもっと上がる気がする。

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