映画「竜馬暗殺」
「竜馬暗殺」
原題名: 竜馬暗殺
監督: 黒木和雄
脚本: 清水邦夫,田辺泰志
撮影: 田村正毅
音楽: 松村禎三
出演:原田芳雄,石橋蓮司,松田勇作,中川梨絵,桃井かおり
時間:1時間58分(118分)
製作年:1974年/日本 ATG
(満足度:☆☆☆☆☆)(5個で満点)
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幕末を駆け抜けた時代の寵児、坂本龍馬(竜馬)が何者かに
暗殺されるまでの数日間を斬新な映像とユーモアと大胆な解釈
と展開で描く。
ハマッタ。役者も映像も音楽も実に素晴らすぃ!
大興奮且つ大満足な一作。
以下竜馬は"龍馬"として書きます。
まずは主役の坂本龍馬演じる原田芳雄が浪人然
としていてまっこてカッコイー!!!龍馬の
盟友中岡慎太郎を演じる石橋蓮司もめちゃお茶目
で笑わせそして泣かせて凄くいい。この強面(コワ
モテ)二人の侍役を見ているだけでも満足なのに
さらに我等が松田勇作がこの二人に加わり、物語
は全く予想不可能な展開を見せクライマックス
にだれ込んで行く。
若き日の松田勇作の殺気だって誰彼構わず斬り
かかる殺気と殺陣シーンが言うことなし!!
これよこれなのよ~♪時代劇は~
特筆すべきはその映像美もだ。ざらついた
白黒の映像がけだるい午後の長屋で密談を重
ねる怪しげな男達というシュチュエーション
に絶大な効果を果たし、どのシーンもその
緊張感に思わず息を呑む。あるシーンでは
白黒の上にコントラストの強い逆光の中で抜刀
される刀の白さだけが狭い狭い路地で蠢く黒い
影の中で浮き立つ。たまらん~これよこれな
のよ~♪これが見たかったのよ~
延々と続く長屋の瓦屋根や崩れかけた土蔵
などの背景が白黒画面と完全に調和してため息
が出るほど美しい。そしてそのほとんどはもう
今の日本には存在しない滅んでしまった二度と
見る事の出来ない風景なのだ。
脚本も洗練されていてセリフも俳優達の演技と
見事にマッチして思わず真似したくなる。
男達は出会い、苛立ち、殺し合い、騙し合い
、そしてほんの刹那互いを「理解」し合う。
今後何百億円かけてもこの作品を超える幕末物
は出来ないのではないだろうか。監督・俳優・脚本
・美術・音楽これらが絶妙に融合され「映画」は産
まれる。本作はまさに「映画」だ。今まで本作を知
らないで生きてきたのは残念だがそれでも今出会
えて本当に良かった。
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「何が改革じゃあ!
わしらなんでこんな闘いおっぱじめたか正直に考えてみぃやあ!
"わしらこそ本物の侍じゃあ"言う奴等に対する『憎しみ』から
じゃろうがぁええ!
そのわしらがよぉ、今精一杯飯食うのにも侍たろうとしちょらあ。
何の為の改革じゃあ!!
やっちょる事は侍の為の改革じゃあ、おう!
質屋の倅と庄屋の倅がよぉ!
侍の為の改革とはこラ大笑いぜよ!!」
「..薩長を撃つ!! ..慎太ぁおまんはどうするんじゃ?」
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「竜馬暗殺」より
永久不滅の作品。
※旧ブログからのお引越し記事
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