« 映画「音楽」 | トップページ | 映画「欲望という名の電車」 »

2014年4月12日 (土)

映画「闇に浮かぶ白い肌」

「闇に浮かぶ白い肌」

 

監督: 西村昭五郎
脚本: 中島丈博
撮影: 山崎敏郎
美術: 渡辺平八郎
音楽: 伊部晴美
出演: 白川和子,山科ゆり,高橋弘,益富信孝,白井鋭,加納愛子,
青木富夫,高橋明

時間: 68分 (1時間8分)
製作年: 1972年/日本 日活

(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)
--------------------------------------------------

 眼の見えない妹と犬という組み合わせが人間の持つ「原罪」を刺激して
自ずとエロさが増幅している。妹役の山科ゆりの"扱いにくい妹"オーラが
作品の品格を高めている。

 初期のハリウッド映画では"盲目の女性"という設定は鉄板ネタの一つで
盲目の美女を登場させて後は放っておけば物語が展開するとでもいわん
ばかりだ。男達は勝手に女性を奪い合い、自分の姿が見えないという相手の
決定的なハンデキャップと自意識の葛藤に自滅していき、最後にヒーローが
選別される。

 チャールズ・チャップリンは「最高の役者は赤子と動物である」と自伝で
述べている。両者の他意の無い純粋無垢な行動の自然さとそこから起こる
笑いには頭で考えて動く役者はとても適わないと。

 潤沢ではない予算と限られたスタッフと俳優というリソースを無駄なく使い、
美意識の感じられるカメラワークと盲目の美女と犬という危険なイコン、
エロティシズム、冒頭からクライマックスまで=映画になっていることに関心。
「日活ロマンポルノシステム」の確立されたルーチンワーク的な美とでも
言えようか。

 こういう小気味よい作品を観ると映画を撮りたくなってくる。映画を志す者は
本作を観ればきっと元気が出るでしょう。

 『撮る』ということへの正しい姿勢を見る。

---------------------------------------------------------------
映画感想一覧 [年代] >>
映画感想一覧 [スタッフ] >> 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

|

« 映画「音楽」 | トップページ | 映画「欲望という名の電車」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

西村昭五郎監督も
かなりの本数のロマンポルノ撮ってますよね
 
僕が買ったDVDの中にもけっこうありますが
例のごとく
未見です…(^_^;)

投稿: 万物創造房店主 | 2014年4月17日 (木) 18時05分

>西村昭五郎監督も
かなりの本数のロマンポルノ撮ってますよね
 
『巨匠』ですね。 
タイトル眺めてるだけでも楽しいすね(^-^)
  

>僕が買ったDVDの中にもけっこうありますが
例のごとく未見です…(^_^;) 
 
次回遊京した時によろしければ
映画サミット千夜一夜
西村昭五郎オールナイト
なぞ是非、、d(≧∇≦)b

投稿: kuroneko | 2014年4月19日 (土) 02時51分

ジャッキーナイトと
西村昭五郎ナイトと…
 
とりあえず二泊分決定ですね
 
なんか
他にも言ってた気もしますけど
忘れちゃいました…(;゚∇゚)

投稿: 万物創造房店主 | 2014年5月 5日 (月) 21時09分

>とりあえず二泊分決定ですね
 
了解!(*^ー゚)b
 
>他にも言ってた気もしますけど
忘れちゃいました…(;゚∇゚)
 
えーっと、、
ミニ・ラスメイヤー大会
まだ未見の残っておりましたら、、(ーー;) 
 
それと、、
ミニ・不純&純粋少女大会
マリー・フォルサ
クリスチーナ・リンドバーグ

まだ未見のありましたら、、(ーー;;)
 
それと、、、、
過去コメント確認しておきます!
(・ρ・*)

投稿: kuroneko | 2014年5月 6日 (火) 00時31分

どう考えても見切れないですよ…
 
欲張りすぎですな…(^_^;)

投稿: 万物創造房店主 | 2014年5月 7日 (水) 18時13分

>欲張りすぎですな…(^_^;)

じゃー

ジャッキーナイト
西村昭五郎ナイト
リベンジナイト
 
くらいにしておきますか。。(^o^;)
後は昼間にちょこちょこっと追加で。。←営業妨害
 
サミット用シークレットDVD入手済み
ですので(一応グロ物)持っていきますYo
( ̄∀ ̄)Y

投稿: kuroneko | 2014年5月 8日 (木) 02時03分

>サミット用シークレットDVD入手済み
ですので(一応グロ物)持っていきますYo
( ̄∀ ̄)Y
 
グロ系だと僕が持ってる確率がだいぶ上がりますが…
 
そういや元祖リベンジムービー
「処女の泉」持ってないっすか?

投稿: 万物創造房 | 2014年5月10日 (土) 16時24分

>グロ系だと僕が持ってる確率がだいぶ上がりますが…
 
運よく私の参加までサミットで未上映且つ
店主さんが未見だったら上映っつことで(*^ー゚)b
 
>「処女の泉」持ってないっすか?
 
去年の秋にベルイマン特集が東京で組まれて
これも上映されました。無駄が一切無くて
エネルギッシュな作品すね。その無駄の無さが
恐らく当時としては画期的で元祖の名に
相応しいかもしれないですな。

安価で見つけたらゲットしておきます(^o^)/

投稿: kuroneko | 2014年5月11日 (日) 00時53分

うーむ
なんだろー
グロネコ系…

投稿: 万物創造房店主 | 2014年5月12日 (月) 18時06分

( ̄ー+ ̄)

投稿: kuroneko | 2014年5月12日 (月) 23時22分

この記事へのコメントは終了しました。

« 映画「音楽」 | トップページ | 映画「欲望という名の電車」 »