ンムゾビな夜 2014
2007年11月に書いた記事を旧ブログからお引越し。てっきり、
とっくに引越し済みかと思っていたがまだであった。友人Mさんより
「ゾンビの語源を知っているか?」
との問い合わせメールが届き、自分の過去記事にアクセスして、
かいつまんでご返信。かいつまみ過ぎたような気もしたが、少しは
役立った模様で良かったというところか。
さて、2007年当時、以下の記事に書いてあるように
「ンムゾビ」
なる言葉はネットの大海で"一件もヒットしない"という超レアレアな
謎の言葉であった。勇んでネット上に史上初めての一歩を記した
(かもしれない)拙ブログ以外は。
あれから7年。。
A long long time ago..
今や、ネットは、膨張に膨張に膨張を続け、携帯とすっかり融合し、
携帯を駆逐し、SNSとスマフォが逆にネットを侵食するという逆転現象が
起きて久しい。
そして、目出度く?「ンムゾビ」も幾つものサイトがヒットするようになった。
それは、つまり、ゾンビというものがより、我々の"身近"になった証拠でも
ある。それは、つまり、例の恐るべき伝染病とも無関係ではない(かもしれない)。
それは、つまり、ほら、窓の外に見える人影(のようなもの)をよくごらん。
ほら、もっとよく、、ほら、扉を弱弱しく叩く音。ほら、、階段を不器用に
上がってくる音、、ほら、ほら、すぐ後ろに、、ほらあぁぁぁぁぁ!!(゚д゚)
以上、「ホラー」の起源でした。m(_ _)m (←嘘です)
以下↓
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読んだ本(二)「魔獣境図書館 -菊池秀行のあと書き読本」
正確に言うと「読んだ」ではなくたまにペラペラめくって
気に入った箇所だけ読んでいる本。
菊池秀行氏の諸作品の著者自身による「あと書き」のみを
延々と収録している本である。数ヶ月前に古本屋で購入
したけどこれは個人的にクリーンヒットとなった書籍だった。
ほとんどの稿で菊池氏の映画の感想(主にホラー映画)や取材
旅行の体験談等等について触れていてコラムとして完成度が
高くて実に面白い。
さらに本書を刊行するにあたって掲載しているあと書きの
全てにちょっと驚くほどの量の著者自身による脚注が追加
されていてサービス精神に溢れていて且つこれがまた読ませる。
興ざめさせるような後書き以外の余計な記事が一切なく見事な
『企画意図の勝利』と宣言していい本である。拍手\(^^)/
さて、本書の巻頭にあるあと書き(ヤヤコシイ(^^;))では
J・カーペンターという映画監督の作品に触れたあと
"ゾンビ"は本当は"ゾンビー"じゃないのかと述べていて
さらに脚注では
-----------------------------------------------
"本当の語源はンムゾビ。ちゃんと調べたのだ"
-----------------------------------------------
(本書 「魔界都市 <新宿>」あと書きの脚注)
と語っている。
秋の旅行の際に見つけたとある京都の雑貨屋の店主さんは
ホラー映画を含むB級映画全般についての造詣が実に深いので
運営するサイトに"ンムゾビ"について書き込ませて頂いたところ
"ンムゾビ"なんて検索してもHitしないぞーとのお答え。
自分で検索してみるとなるほど一件もみつからない。
「世界は検索で回っている」と言っても過言ではないこの
ご時勢に
大家が断言した名詞が一件も見つからないなんて天邪鬼
な私は逆に面白れーってなもんで検索しているうちに
いくつかのサイトがHitした。
-----------------------------------------------
「ゾンビ」の語源は「ンザンビ(Nzambi)」である。
(中略)
そして奴隷たちによってアフリカから持ち込まれた
「ンザンビ≒ゾンビ」という言葉は 「霊」「お化け」といった
意味となり、ゾラやハーンの話に登場している。
-----------------------------------------------
Fantapedia~幻想大事典のゾンビ(zombie)の項
まずゾンビは zombie と書くと。菊池氏の"ゾンビー"ではないか
という指摘には私は同意。でも末尾伸ばすのは面倒くさいので
日本語では"ゾンビ"でオケでしょうとも思う。
問題は"ンムゾビ"で、どうも菊池氏は"Nzambi"という単語を
見つけ、単純に"Nmzabi"と見間違え
"Nmzabi" = ンムザビ(?) = ンムゾビ(?)となったと思える。
もしかしたら単語を見つけたのは苦労して蒐集したボロボロの
小さな辞書か何かで
"Nmzobi"
とでも見えたのかもしれない。
菊池氏のあげ足を取りたいわけでも、また別に間違いを指摘したい
わけでもなく(恐れ多い!)webが普及する前にほとんどニアピンで
「ゾンビの語源」を自己調査して言及している氏にまずは敬意を評し
たくて書いてみたのと、、
今この瞬間もあらゆる情報がwebという人類が産んだギザ巨大(^^)
な蜘蛛の巣に"菊池氏の「ンムゾビ」発言"について述べている
サイトが[一件も見つからない]という現状も何やら淋しいので
せっかくだからupしておくしだい。
松尾スズキの言葉を借りると
"世はおしなべてまんべんなくあれ"
というところか(^^)
(松尾氏がこの言葉の産みの親かどうかは置いておく)
とここまで書いておいて本書の単なる"誤植"の線が一番強いけどね(^^;)
ちなみにゾンビの語源についてはこちらも参考になった。
http://www.k2.dion.ne.jp/~dambala/zombie_mac.html
それにしてもゾンビという言葉とは例えば日本人のごく平凡な
家庭に生まれ育った場合は何歳くらいで出会うのだろうか。。
そして果たして何百人(?)が語源のンザンビまでたどり着き
さらに何人(?)が"ンムゾビ"を知っていることだろうか。。
なぜかアメリカ横断ウルトラクイズを思い出してしまった。(^^;)
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「魔獣境図書館 -菊池秀行のあと書き読本」
菊池 秀行(きくち ひでゆき)著
朝日ソノラマ
これからさらに七年後、、○○フォは、SNSは、ガラケーは、
ブログは、ゾンビは、世界は、そして、ンムゾビのヒット件数は果たして
どうなっているだろうか、、そしてそして、東京漂流日記は"3.0"に
進化しているだろうか。リーマン戦記は、、とっくの昔に終わっている
ことであろう(ーー;)
では、また、七年後。ご機嫌やう。。
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コメント
あいかわらずンムゾビは
東京漂流しかひっかからないですね
ンザンビはひっかかりまくりですけど
投稿: 万物創造房店主 | 2014年10月24日 (金) 14時16分
>あいかわらずンムゾビは
東京漂流しかひっかからないですね
ひっかりますよー( ̄∇+ ̄)v
↓
だがタメ!!~フルスロットル~
2009.03.04 Wednesday
[http://soankamura.jugem.cc/?eid=559]
>ゾンビとは正式には「ンムゾビ」と発音し
(カタカナにしてる時点ですでに正確ではないのですが、
まあニュアンス的にはこんな発音らしいです)、出身は確かハイチ。
投稿: kuroneko | 2014年10月25日 (土) 02時30分
リンク先
自転車乗りですねー
ドMの
ベジ太みたいな人だな…
そこに
>そしてこのイメージを作り出したのが、さきのロメロ監督と言われています。
と書いてありますが
僕は「地球最後の男」(1964)(←観ました?)に出てくる吸血鬼がすでにゾンビの動きしてるので
ロメロはこれを参考にしたんじゃないかと思います
さらに
>ドーン・オブ・ザ・デッド」(ロメロ監督の「ゾンビ」のリメイク)において、「疾走するゾンビの群れ」と言う新種のゾンビが登場
とありますが
疾走するゾンビの元祖はやはり「ナイトメアシティ」(1980)かと…
知らない人なので面と向かってはツッコミづらいですから
ここにブチブチと…(・∀・)ははははは
投稿: 万物創造房店主 | 2014年11月14日 (金) 22時13分
>ドM
あら、そうすかー
ドSと相性いいのかしら。やっぱし(´・ω・`)
>「地球最後の男」(1964)(←観ました?)
...(ーー;;)マダデゴザイマス
>ロメロはこれを参考にしたんじゃないかと思います
史上初のゾンビ映画は「恐怖城」(1932)だって
柳下毅一郎の「新世紀読書大全」に書いてありますが
「ゾンビウォーク」はもっと後でせうかね。。
次回サミットまでにゾンビ関連残っていたら、
古い方から観て「ゾンビウォーク」をのルーツに迫るのは
どうでしょー(≧ε≦)/
>疾走するゾンビの元祖はやはり「ナイトメアシティ」(1980)かと…
80年代に入ってしまうと
「同時多発的」に色んなゾンビが世界各地で発生しそうですね。
ゾンビ映画の発生と世界地図の時系列的な関係をアプリに
してみると面白いかもしんないですね。人類史とか映画史とかの
相互関係が見つかりそー(*^ー゚)b
>知らない人なので面と向かってはツッコミづらいですから
そうすねー(^-^;)
>ここにブチブチと…(・∀・)ははははは
意外と読んでいらっしゃるかもしれませんよ。
ネットって広いようで
キーワードとかの関連付けや人々の行動範囲なんて
驚くほど狭いですからね。
数十億の人々が今、この瞬間にアクセスしていて
膨大な言葉と画像が流れていても
『ンムゾビ』について思考しているのは我々だけの
可能性が高いすねー
何だか、とても誇らしいなあ。
選ばれし者( ̄ー+ ̄)
投稿: kuroneko | 2014年11月15日 (土) 00時15分
>古い方から観て「ゾンビウォーク」をのルーツに迫るのは
どうでしょー(≧ε≦)/
もしやるなら、
"新しい方"から観ていった方が面白いすかね。
(^o^)/
投稿: kuroneko | 2014年11月15日 (土) 11時20分
>「ゾンビウォーク」
よく考えたら
「フランケンシュタイン」(1931)
http://tokyo-kuroneko.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-a19a.html
が元祖ですかね。
手を前に上げて足をひきずる。
要は血液が流れてなくて筋肉も硬直していると。
「恐怖城」(1932)
はこの作品の大ヒット?によるものですかねー。
「疾走するゾンビ」
は
死体である(自由にならない肉体)という
ことと疾走するシステムはどのように設定を
クリアーしてるんですかね(^^;)
ゾンビの本読みたくなってきた。。
投稿: kuroneko | 2014年11月15日 (土) 11時41分
>「地球最後の男」(1964)(←観ました?)
観ましたよー。
いやー面白かった!\(^^)/
脚本が良かったすね。
欲を言えば中盤の謎な展開のまま
行ってくれて良かったけども
良作ですね( ̄∇+ ̄)
投稿: kuroneko | 2014年11月23日 (日) 23時13分
>"新しい方"から観ていった方が面白いすかね。
近年になればなるほど数が多くなってきて
見切れないですよ
過去一回だけ
映画サミット番外編「ゾンビ肉を食べる会」
http://banbutsusozobo.air-nifty.com/tensyu/2011/07/post-dc9b.html
てのをやったんですが
ゾンビ映画ってのは大半ハズレなんで
厳選しないとダレダレになるってことがわかりました
>「フランケンシュタイン」(1931)
確かにフランケンも生ける死体ですね
でもちょっと違う気も
ダレダレふにゃふにゃ感がない
>「恐怖城」(1932)
ロブゾンビがバンド名に拝借した
別名「ホワイトゾンビ」ってやつですね
これ持ってるんですけど
まだ観てないんですよねー
でもたぶんゾンビウォークはしてないと思います
この前、F氏が「スネーク オブ ザ リビングデッド」てのを買ってきたので観たんですが
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%89-%E6%AD%BB%E9%9C%8A%E8%9B%87%E4%BC%9D%E8%AA%AC-DVD-%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%95/dp/B000X20MD0
ジャックヒル監督なのに超つまらんし
ゾンビはお肌が荒れ荒れになって立ってるだけでした
やはりゾンビウォークは…
>死体である(自由にならない肉体)ということと疾走するシステムはどのように設定をクリアーしてるんですかね(^^;)
なんらクリアーしてないと思います
ロメロ以降、亜流ゾンビ映画がいっぱい作られて
目新しいゾンビを作りたかっただけかと…
銃器とかも使ってたような気もしますし、もう死体というより、感染したただの人間ですね
>「地球最後の男」
こいつは
「地球最後の男オメガマン」
↓
「アイアムレジェンド」
と
二回もリメイクされるのですが
リメイクするたびに面白くなくなっていくという…
投稿: 万物創造房店主 | 2014年11月25日 (火) 18時44分
>ゾンビ映画ってのは大半ハズレなんで
厳選しないとダレダレになるってことがわかりました
じゃあ、
「厳選!ゾンビナイト!」
やりましょー\(^^)/
>ダレダレふにゃふにゃ感がない
なるほどー。
>まだ観てないんですよねー
じゃあ、次回お伺いするまで未見だったら
観ましょー\(^^)/
>ジャックヒル監督なのに超つまらんし
乗り気じゃない企画だったのでわ(^^;)
>なんらクリアーしてないと思います
じゃースルーで(^^;)
>リメイクするたびに面白くなくなっていくという…
「どこに焦点を当てるか」がきちんとしないと
リメイクはほぼ必ず失敗しますね。
「アイアムレジェンド」(2007)は
公開前から天狗になりまくってたウィル・スミスが
「とうとう地球最後の男」って言い始めたよコイツ(ーー;)
ってツッコミが溢れていましたね。
町山智宏
によると、
調度↑の絶好調の時に
アメリカのTVCMでは
「ウィル・スミスの日」を作ろう
とか言いまくっていたとかいないとか。
「インディペンデンス・デイ」(1996)
の続編も
ジェフ・ゴールドブラム君が出演快諾するも
ウィル・スミス君の余りに法外な出演料の要求に
頓挫したままだとか。。(^^;)
投稿: kuroneko | 2014年11月26日 (水) 00時00分
そういや
ウィルスミスの息子が出てる
ベストキッド
ジャッキー映画であるにもかかわらず
あんま好きじゃないんですよねー
投稿: 万物創造房店主 | 2014年12月 2日 (火) 00時23分
>ウィルスミスの息子が出てる
ベストキッド
なかなか健闘していたみたいだけど
親の七光りの感は否めないすね。
良識を持った大人になってくれればいいすけどねー
ジェイシー・チャン君も逮捕されてしまったすねー
有名で裕福な芸能人の息子に生まれるのは
幸福なのか、不幸なのか、、
投稿: kuroneko | 2014年12月 2日 (火) 23時30分
逮捕記念にジェイシーチャン大会をやろうかと思いましたが
意外に日本でソフト化されてるのが少ない…
投稿: 万物創造房店主 | 2014年12月16日 (火) 21時18分
>意外に日本でソフト化されてるのが少ない…
結局、
「インビジブル・ターゲット」(2007)
の頃が期待されていた上り坂の絶頂期
でしたかね(^^;)
まあ歌手の道を開拓していけばいいんじゃないでしょうか。
投稿: kuroneko | 2014年12月17日 (水) 00時53分