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2014年12月20日 (土)

旅2014 「東京~大阪~京都(五)」

旅2014 「東京~大阪~京都(五)」

 東京から、大阪を経て、京都へ向かって旅に出た。
まだ立ち入ったことのない"街"をこの目で見、触れる為に。
友と再会する為に。

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8月23日(土) 曇り/雨  第7日目 京都(三)
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17:00  万物創造房にて

「スローターハウス5」
(1972/アメリカ)[カラー 104分] [☆☆☆☆]

・カート・ヴォネガット(1922-2007)の同名小説の映画化作品。
原作は、所謂「ドレスデン爆撃」を世に告発するために描かれた
自伝的な趣とジャーナリスティックな要素も含めた作品。監督は
「明日に向かって撃て!」(1969)や傑作「スティング」(1973)の
ジョージ・ロイ・ヒルグレン・グールド(1932-1982)が音楽を担当
しているのも特筆に値するだろう。ヴォネガットは、第二次大戦を従軍
して戦っていたが1945年当時、捕虜としてドイツのドレスデンに収容
されていて、連合国によって行われた無差別爆撃に遭遇した。今では
広く知られている歴史的な事件は、この小説がきっかけとなって、
広く認知されるようになったとか。

・主人公ビリー・ビルグリムは、ふとしたことから、時間と空間を自由に
移動できるようになるが、運命自体は変えることは出来ないという設定の
SF作品であるが、映画の方は、やむを得ないことであるが、戦争や
無差別爆撃といった「大量殺戮」「人の死」といった大テーマ的な
面よりも、時間と空間だけでなく惑星間をも移動できる主人公の方に
フォーカスがいってしまうバイアスの強さを興味深く鑑賞。ヴォネガットは、
「小説よりもよくできている。」と賞賛したらしい。いい人だ。

・外では雨が降り続いている。

「"京都"と"雨"は、どうして相性がいいのだろう。」

映画を観ながら、勝手にそんなことを考えてみる。

なぜ、京都には雨が似合うのか。それは、言うまでもなく、
余計な埃や塵を洗い流して、木々と、河と、建物と、膨大な
時間を積んできた人々の日々の暮らしの『調和の美』
鮮やかに本来の色を見せてくれるからなのだろう。

やがて、雨は止んだ。

 

20:00  第44回京都映画サミット Vol.2

 

5] 「地獄曼荼羅アシュラ」
(1993/インド)[カラー 170分] [☆☆☆☆]

・「暴力」と「血」と「復讐」と「因果」を描いた一大娯楽作品。

インド映画の"専売特許"である随所に挿入される(であろう)歌と踊りが、
陰惨なストーリーと、どう調和するのかと皆で注目して観たが、何てことなく、
主人公の女性も、憎しみを一身に受ける仇役の男もストーリー展開とは
別個に、歌い、そして、踊る。そして、それが一向に不自然でも何でもない。
唐突ですらも無い。
日本での能や歌舞伎のようにお約束として
「最初から"そこ"に在る」
ことが想定されているからなのだろうか。映画は面白ければそれで
いいという正解を見せられたようで納得。幕を開けてから、オープニング
タイトルに至るまでの長さ(30分弱?)は映画鑑賞人生史上初の快挙

 

6] 「漂流教室」
(1987/日本) [カラー 104分] [☆☆☆☆☆]

kuroneko的トラウマ作品。今回のサミットの主要テーマとは全く関係
ないのだが、店主さんがVHSを所有しておられるとのことで無理くりに
エントリーして頂く。「諸事情」でDVD化はされていない。公開当時、
主人公と同世代(=ガキ)だったのと、"大林マジック"に脳をやられて
変な共感を強くもった作品。テーマソング「野生の風」を歌う今井美樹の
声の美しさと歌詞にもすっかり魅了されて、当時、毎日、口ずさんで
いた。楳図かずおの原作の漫画から大きく逸脱している点は否めないが、
完結している「映画作品」としては意外と今観ても評価できる。潤色で
参加している石上三登志の功績が大きいのではと予想。全体として
アイロニー色の強い(いつもだけど)久石譲の音楽も映像ととてもよく
調和している。DVDが出たら是非「思い出買い」をしたい。心情的には、
劇中の少年少女達と同じか、あるいは、それ以上に、
空ろに、しく、漂流し、難破し、遭難していた青春の日々。

   

7] 「ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト -鮮血の美学-」
(2009/アメリカ)[カラー 100分] [☆☆☆☆]

・凶行に至るまでの奇妙なまでの"モッサリ"した展開の間の謎に新鮮な
印象を受ける。この謎は次のサミット上映作品で明らかになるわけだが。
主演のサラ・パクストンがやたらと美しく撮れている。彼女は劇中で
「とてつもなく酷い仕打ち」を受ける
のだけど、映像としての核心シーンは
皆無。これはサラ・パクストンが際物女優の扱いを絶対に受けないよう
契約的に守られている感じがして細心の注意を払って撮影されている
からではと思うがどうだろう。ラストは、HGLの秀作「2000人の狂人」(1964)
のリメイクである「2001人の狂宴」(2005)がテンポとしてのテイストが
酷く似ているのだけどその理由は、製作当事のトレンド(ニーズ)なのか
何なのかよく分からない。このよく分からない"乗り"に監督のデニス・
イリアディスが今後突き抜けては出てきそうもない予感
が作品から
濃厚に感じてしまった。俳優のビル・パクストンはサラ・パクストンの
遠い親戚だとか。

 

8] 「鮮血の美学」
(1972/アメリカ)[カラー 91分] [☆☆☆☆☆]

・ 「ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト」の元作品がこちら。
「エルム街の悪夢」(1984)のウェス・クレイヴンの初監督作品とのこと。
この作品は映画史に輝く傑作イングマール・ベルイマンの「処女の泉」(1960)
触発された作品。「ラスト~」の中盤までを貫く余りにも"意味不な"間は
この作品の"間"を忠実に再現しようとした「ラスト~」のスタッフのオリジナル
作品へのリスペクトと努力の結晶である。。
と思うことにしたい。こちらの劇中
での、暴行中に女性を絶妙に中途半端に逃がしたり、中途半端に仲間割れしたり
するシーンは、単にまだ30代前半の若きクレイヴンの"初陣"であることと、
恐らく超低予算(=少人数)で撮っていることによる演出の甘さによるものと
思えるが、そういった作品には時折、"映画の神様"が気まぐれに光臨して奇跡を
起こされる。そして、この作品も"映画の神様"が降りてきて、奇妙な間の
ユルユル暴行シーンは一瞬も目が離せない傑作シーン?となっている。

構図も間も神が降りた中途半端さの中で一瞬にして起こるスプラッタ・シーン
久しぶりに戦慄を覚え、勉強になる。娘を失った父親の安心して観ていられる
"逞しい復讐シーン"にチャールズ・ブロンソン(1921-2003)の系譜を見て少し
萌える。こちらの作品も原題名は"The Last House on the Left"であるが、
「鮮血の美学」という邦題は、直訳に陥ることなく、内容を要約し、且つ、掴んでいて、
なかなかよろしいのではないかと思う。
 
・ところで、ウィキペディアによるとチャールズ・ブロンソンは
B-29の射撃手として東京大空襲に参加したとある。。

 

9] 「暴行列車」
(1975/イタリア)[カラー 87分] [☆☆☆☆]

・比較して観ることの出来る上記リベンジ物二作品よりは相対的に一番
「映画」としての箱は出来てるかもしれない。暴行シーンそのものよりも
黒幕の女の"ドス黒さ"に全編染まっていて後味の悪さもGoodな作品(*^ー゚)b。
三作を通して見ると、"弱い者には徹底して強いチキン野郎達"には
外見も含めた国籍を超えた共通の認識コードがしっかりとある模様
人生の参考になったような気がする。今後の海外旅行の際のトラブル回避にも
役立つことだろう。下手なプロパー色の強いキモくて悪質なLove&Peaceを
前面に出した作品よりもこういった人間の行動様式の根底にある"暴力"を
描いた作品を見た方がいいことも分かった。
ラストの問題が結局未解決の
ままの投げっぱなしな感じが好き。監督アルド・ラドのフィルモ・グラフィーにある
「ヒューマノイド/宇宙帝国の陰謀」(1979)
がどんな作品なのかとても気になる。とても観てぇ。

   

2:00  丑三時のゲームサミット開始

・本日も後片付け(というほどでもないが)をしつつ、店主さんと反省会且つ
世間話。

「毎日、こうしていてぇ。」(←迷惑ですから)
と思いつつグラスや菓子を片す。

店主さんより、ゲームをしないかと提案があり、即決で応じる。

何やら、シューティング・ゲームらすぃ。
何やら、ゾンビを撃ちまくるらすぃ。。
何やら、ゲーム愛があって映画も好きなスタッフが作ったらすぃ。。。

しかして、 
ゲーム・コントローラー

なる物を触るのは多分10数年ぶりで、最初の数面は全く戦力に
ならないどころか常に"相棒"の店主さんを撃ちかねない(ワザとか?)状況に
店主さんに呆れられつつ、コンテニュー・モードをひたすら重ねつつ、
店主さんのアドバイスとフォローを適時受けつつ(←足でまとい)どうにか
こうにかクリアーしていく。

・店主さんによるとこの作品にはコアなファンがいて、二人モードにしておいて
両手にGUN(コントローラー)を持って二刀流で減点無しのパーフェクト・クリアー
を目指す猛者がいるとのことらしいが、確かに同じようなプロットの面が続く
ように見えて、モンスター達の造詣や動き、物語の構造には無数の設定が
細かくしてあって飽きることはなさそうだ。自分も所有していたらきっと
夜な夜な独りで二刀流でのクリアーに黙々と挑戦することだろう。

・モンスターや各シュチュエーションの元ネタになっていそうな映画の話を
しつつ数時間の格闘の末、感動的で謎なエンディングに辿り着いた。
ラスボスの奇形さやラストの不条理な感じ(意図的な演出らしい)は無常観が
あって、ラストを味わいたいためにまたトライしてみたいと思わせる癖になる
要素がある"作品"だ。

 

5:00  全日程終了。

・房を出ると、空は白々と明るくなり始めていた。京で過ごす最後の一日が
明けた。店主さん、明け方までありがとうございました!
皆さん、お疲れ様でした~。

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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