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2015年3月15日 (日)

映画「新宿乱れ街 いくまで待って」

「新宿乱れ街 いくまで待って」

原題名: 新宿乱れ街 いくまで待って
監督: 曾根中生
脚本: 荒井晴彦
撮影: 水野尾信正
音楽: 樋口昌之
美術: 徳田博
編集: 山田真司
出演: 山口美也子,絵沢萠子,中田彩子,日夏たより,青木真知子,神田橋満

時間: 82分 1(時間22分)
製作年: 1977年/日本

(満足度:☆☆☆☆)(5個で満点)
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 新宿ゴールデン街。

 狭い酒場。

 副都心とバラック街の対比。

 安アパート。

 アパート室内の美術とセット。。

 主人公のモデルは、脚本を担当している荒井晴彦自身であることは
間違いないだろう。

 売れない脚本家と、こき使われる助監督のやさぐれた日陰者同士。

 荒井は東京出身であり、"地方出身者ではない"点がこの作品に
とても独特のバイアスを与えているように"地方出身の田舎者"(=私)には
強く思われた。

 主人公は、一体"何に"挫折した(している)のか?

 荒井の代弁者であろう主人公は、出口無き日々の地獄と「若さ」の
果てしない浪費を続けていく。

 女を「好きだ」と言っては、抱いては替え、替えては抱き、自分は
浮気をされては殴る。

 唯、それだけの日々。

 曖昧模糊な台詞は、一見アドリブ同然のいい加減さのようにも思えて、
これらは、きっとそれなりに深謀があってのことなのだろうと思うことに
したい。

 唯、ひたすらに"生"と"性"は浪費され、浪費される為だけに
"生"も"性"もある

とさえ言いたくなる。そしてそこには、何かしらの"輝き"もまた。

 「ただ女の為、ただそれだけの為に

というラストの唐突な描写は、どこまでも無意味な日々を「象徴する」
というほどでもないが、それなりに短いシーンに凝縮されていて
良いのではないかと思う。

 主人公の同棲相手のミミ役の山口美也子はとても可愛くて且つ
美人だ。愛嬌のある素敵な表情と美しい肢体で観ていて癒された。
 
  
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こうやってカウンターに座っている客がみんな兄弟っていうのが
よくあるだろう、そういうハナシ、書いてみろよ。絡むどころじゃ
なくなった。ジツは自信がないなんて今更いえない。おずおずと
ゴールデン街のハナシでいいんですかと訊いてみる。俺の絡み
から解放された三浦さんはああと背中で返事をして隣の客と話し
ている。この機会を潰したら、俺はもう駄目だろう。今度こそエイガ
とさよならだ。書けるだろうか。仕事を貰った嬉しさより、結果の
マルバツが怖かった。ヒトを批判することでやり過ごしてきた俺の
シロクロが否応なくはっきりさせられるのだ。不安と怯えをごまか
そうと酒を呷ったが、もう、酔えなかった。
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俺のゴールデン街『新宿乱れ街 いくまで待って』 荒井 晴彦
「作家を育てた日活ロマンポルノ  シナリオ選集」より
 
 
 ミミ、泣くなよ。泣かないでくれよ。
 ミミ、泣くなよ。
 
 

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コメント

あ、そねちゅー監督

でも内容的にあんまりひかれないですね…

「実録エロ事師たち」もいまいちやったしー

投稿: 万物創造房店主 | 2015年3月21日 (土) 17時22分

>そねちゅー監督
 
作品にムラがあるタイプの方みたいですね。
失踪して発明に没頭するだけはある。
 
この作品は
荒井晴彦
という人に興味があるか
ロマンポルノの成立や時代背景に
興味なければ観ても面白くないと思います。
 
山口美也子は可愛いっすよ(^-^)

投稿: kuroneko | 2015年3月21日 (土) 20時25分

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