映画「マルホランド・ドライブ」
「マルホランド・ドライブ」
MULHOLLAND DR.
監督: デヴィッド・リンチ
脚本: デヴィッド・リンチ
撮影: ピーター・デミング
音楽: アンジェロ・バダラメンティ
編集: メアリー・スウィーニー
出演: ナオミ・ワッツ,ローラ・エレナ・ハリング,アン・ミラー,ジャスティン・セロー
ダン・ヘダヤ,マーク・ペルグリノ,ブライアン・ビーコック,ロバート・フォスター,
アンジェロ・バダラメンティ,キャサリン・タウン
時間: 146分 (2時間26分)
製作年: 2001年/アメリカ
(満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)
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カミーラ・ローズ(ローラ・エレナ・ハリング)は、マルホランド・ドライブを車で通過中に
襲撃される。その直後に交通事故に遭い、とあるアパートの前で気を失う。。
・ベティ(ナオミ・ワッツ)、サンフランシスコ空港に到着する。
・ベティ、叔母のアパートでカミーラと出会う。
・カミーラ、記憶を失くしていることに気付きリタと名乗る。
・カミーラとベティ、バグの中にある物を見つける。
・男達二人、ウィンキーの店で何やら相談する。
・ベティ、リタと次第に親しくなる。
・ベティ、オーディションの準備をする。
・映画監督のアダム、脅迫を受け激高する。脅迫した男達の車を破壊して逃げる。
自宅に帰ると妻が不倫をしている最中に出くわす。
・ベティ、リタとウィンキーの店から電話をかける。
・ベティ、アダムの撮影現場を見学する。アダムと目が合う。
・ベティとリタ、ダイアン・セルウィンという名前を求めて、とある住居へと向かう。
・ベティ、留守の部屋に窓から侵入する。
・リタ、その晩に髪を切ろうとする。
・ベティとリタ、劇場(クラブ・シレンシオ)へ向かう。。
ウィンキーの店で相談をする男の一人は、フランシス・ベーコンの作品の一つに
描かれる男を再現していると思われ、その容姿と完成度はショッキングですらある。
そして、ベーコンが描き続け、遺した多くの作品とその世界観は、
「不寛容の世界」
であり、その中で苦み、叫ぶ人間の姿であった。
本作は、『ベーコンの世界観そのもの』であり、カミーラ(=リタ)も、ベティも、アダムも、
もがき、絶叫する。
『世界』の中では、"自分"と"他者"とが入り込み、互いに見えない複数の糸で
どこかで繋がれている。
"ウィンキーの店"
"路地裏"
"クラブ・シレンシオ"
"空港で出会った人"
"バグの中にあった物"
" "、、、
それらは、やがて、ある一本の縦糸に紡がれる。
或いは、一本の河(=運命)となり、人々は押し流されていく。
誰もが言いしれようのない違和感と、恐怖を心のどこかで感じながら生きてる。
自分が"どこ"にいるのかは、生きている間は判らない。
そして、死んだら意識は永遠に停止して、肉体は消失する。
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コメント
僕はコレ
よくリンチ初心者に勧めてます
リンチ作品の中で
リンチっぽくかつ最も難解さが少なくポップな作品ではないかと
まぁツインピークスもポップなんですけど
あれはドラマで長いですしー
投稿: 万物創造房店主 | 2016年5月17日 (火) 19時42分
奇麗にずらしてある感じですね。
謎解きも楽しいけど
ナオミ・ワッツ
ローラ・エレナ・ハリング
は二人とも奇麗だし、
一つ一つのシーンがしっかり撮ってあるので
普通のヒューマンドラマとしても
充分に見応えありますね。
寧ろ
アレコレ考えずに
普通にもう一回じっくり観たいすね。
コレ。
投稿: kuroneko | 2016年5月18日 (水) 23時29分