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2016年7月30日 (土)

夏を歩く

  

 用事でバスで二時間ほどかけて、とある城下町に降り立つ。事実上、
初めての街。

 時間に余裕があるので散策をする。その前に早めの昼食。

 駅から出てすぐに目に着いた自家製の麺が自慢らしい蕎麦屋でざる蕎麦
大盛を食す。トッピング二種類を追加して1000円近くいってしまい、量も
多すぎて無理かとやや後悔して食べ始めたが看板に偽りはなく、蕎麦も、
トッピングのかき揚げも、唐揚げも美味くて、全くくどくなく完食。無理して食べた
わけでもないので関心。接客がやや尊大で今イチだったのだが、これだけ
美味しければ許す気分に。許す。

 裏通りの廃れた商店街をブラブラと歩いていると古本屋を発見して入店。
十数分立ち読みして映画関連の書籍を二冊購入。重たいので観光で来ている
旨を伝え取り置きして貰うことに。

 路上に設置されている案内盤の地図を確認すると、すぐ近くを川が流れており、
地形的に面白味がありそうな予感を感じつつ歩く。

 ちょっとした広さの公園があり、自衛隊の方々が広報活動をしていた。
装甲車が何台か並べられていて、テントを設営して、国内外の救済活動等の
スチールが並べられていた。関連グッズも販売されていてなかなかの活況。
層としては若い女性の子連れや友人同伴が目立つか。

 なかなか無い機会なのでしげしげと展示されている車や物品を鑑賞。
暑い中を隊服を着てにこやかに人々を眺めて立っていた隊員の一人と
話しこむ。

 「、、ところで、専属は何ですか?」と尋ねると

 「斥候です!」と笑顔で即答。小隊長をしていらっしゃっるとのこと。世間が"自衛隊"に
抱くイメージと、市民の理解が昔とは文字通り雲泥の差があり、今日のように
広報活動を通して市民と"普通に"交流する日が来たのが信じられないとのこと
だった。

 「まるで、夢を見ているようです。」

 隊員達と一般市民の和やかなで活気あるひと時の広場の様子をとても良い表情で
眺めながら言った。

 「もう、この流れは変えられないのと違いますかねー。」

 素直に一市民としての感想を述べると小隊長さんは

 「そう願うばかりです。」と力強く頷いた。

 「頑張ってください。」と握手をして、その場を離れた。

 美術館を見学してから、さらに散策を続ける。

 川がほど近いところを流れているようであるが、景色には入って来ず、ひたすら歩いて
いるうちに道に迷い、駅がどの方向で自分がどっちに向かっているのか判らなくなる。

 湧き水を汲んでいたご老人に話しかける。

 「駅に行きたいのですが、どう行けばいいでしょうか。」

 「、、耳が遠いものですみません。」と老人。

 耳元近くでもう一度尋ねてみる。

 「駅ですね。そこの道を右に曲がって、真っすぐ、真っすぐ行ってください。
そうすれば、駅です。」

 ご老人は満面の笑みで答えた。落ち着いた雰囲気のこの街に誇りを持って生きて
いるのだろう。東京から来て歩いていたら道に迷ったというと意図をご理解された様子
で嬉しそうに悦ばれた。

 「この水は美味しいですよ。是非、味わっていってください。

 「ハイ。ありがとうございます。」

 お歳を尋ねようと思ったが、聞こえないと悪いので会釈をして別れた。九十才は
超えているだろう。

 その笑顔には、残りの人生で会える人の数を知っているような"覚悟"を感じた。
自分は、お爺さんの長い長い、とても長い人生の中でもしかしたら知人を除いたら
最終コーナーで出会った一人だったのかもしれない。

 湧き出ている水を一口飲んでみると、なるほどクセが全くなく美味い。
水量も安定していて豊富らしく案内の看板には取水に当たっての規制らしい言葉も
書かれていなかった。
 
 「いい街だな。」と感じた。

 位置関係が判らなくなったので一回、駅のすぐ近くまで戻り、把握してから古本屋に
本を取りに行く。さらに二冊ほど購入。平均値よりは高い買い物客だったのだろうか。
少しまけて頂いて気のせいか御礼も篤く感じた。揃えている本はわりかし読んでみたい
ものが多くこの街にいたら毎日のように通っていたことだろう。また、来ます。

 所用を済ませて、高速バスで東京に帰る。バスの中では子供たちの一団と遭遇し、
途中、引率の大人に何かしらの注意喚起をしたいところを堪えつつ彼らのヒエラルキー
と価値観を観察しながらウトウトしながら帰京。

 時間は短かったが、「旅」になった一日。

 
 
 
 




 
  


 
 
 



 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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