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2017年7月29日 (土)

news「堀禎一監督死去」

  
 

東大卒の映画監督・堀禎一氏47歳で死去…腐女子のラブコメディ
「魔法少女を忘れない」など
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 東大卒の映画監督の堀禎一氏が18日午前にくも膜下出血のため
東京都新宿区の病院で死去したことが19日、分かった。47歳だった。
今月公開された「夏の娘たち ひめごと」が遺作となった。

 堀氏は03年にピンク映画「SEX配達人 おんな届けます」で
監督デビュー。腐女子のラブコメディ漫画を実写化した「妄想少女オタク系」
などがある。また静岡県内の集落の製茶工場などを定点観測した
ドキュメンタリー作「天竜区」シリーズがある。
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2017年7月19日17時48分  スポーツ報知

 

 傑作に出会う時の自分的な前振れは、「(面白いであろう)確信」ではなくて、

『何となく、どうにも気になる。』

である。

 ポレポレ東中野で7月1日より同月21日まで行われた「堀禎一特集」は
将にこれまで通りにマイ・アンテナが"前振れ"て六月の終わりに三回券を2枚
購入し滞りなく観に行けるように仕事の調整にも入っていた。
(実際にはいつも通りに滞ったが、譲れない作品は何とか観れた)

 堀禎一という人と、名前を知ったのはその時が最初だった。

 最初に観た作品は「笑い虫」(2007)だった。期待通りの発見があった。
監督自ら入口で一人一人に丁寧にお辞儀をして前口上も務めていた。

 「物静かな人だ。」堀監督の第一印象はそうだった。しかし、ゆっくりと発言される
一つ一つの言葉に何とも言えない力強さを感じた。

 次に観たのは「魔法少女を忘れない」(2011)だった。

 『新しい』と思った。若者達の描かれ方、構築されている"大気"は自分の
描いてほしいと思っていた「それ」にかなり近かった。いつまでもそこに居たいと
思った。自分の高校生の頃を思い出して数日間幸せな気分に浸れた。

 日本には凄い監督がいたんだと思い感激した。

 次に「憐 Ren」(2008)を観た。少しだけ退屈だった。しかし、その日の堀監督の
トークは冴え渡っていた。「魔法少女を忘れない」について熱弁を奮った。何度か
爆笑した。堀監督は幾つかの重要なキーワードを繰り返し口にした。

 「なるほど。そういう考え方もあるのか。」と得心した。

 ずっと「忘れない」だろうと思った。

 新作「夏の娘たち ~ひめごと」(2017)の予告編を観た。傑作のオーラが
終始画面に出まくっていた。その日は新作に主演している西山真来さんも
観客として来場されていた。画面上よりもさらに素敵な大人の女性を感じさせる
雰囲気を醸し出していた。

 感動して友人にメールを出した。これからまだ数日通うのだと思うと嬉しくなった。

 静岡県浜松市にある集落を定点観測した連作ドキュメンタリー「天竜区」シリーズ
を観た。どれも傑作だった。傑作である自分的鉄則の定義

 『いつまでも観ていたい"絵"』

 が延々と続いていた。そして、監督の天竜区に住む人々と犬への眼差し
(犬の監督達への眼差し)の執着と暖かさに満足した。

 遂に「夏の娘たち ~ひめごと」(2017)を観た。完成された世界が広がっていた。

 諦観と、嫉妬と、憎しみと、愛情の渦巻く「ごく普通のこの世界」が余りにも自然に
描かれていて感動と同時に畏怖した。

 「今後、手伝えることが自分にあれば手伝いたい。」

 「堀禎一作品が上映していればいつでも観に行こう。」

 そんな事を考えながら帰宅する日々だった。

 幾つか見逃したが、 これからさらなる新作も作られるだろうし、特集上映で
観る機会もあるだろう。何十年も活躍してほしい。活躍するだろう。きっと現代の
巨匠となるだろう。

 ロビーで話しかけて欲しそうに立っている堀監督に軽く会釈をして劇場を
後にした。

 また今度、きっと話す機会もあるだろう。堀監督は40代後半でまだまだ若いし
気さくな感じだし、トークショーの感じでは精力も体力も存分にあり、体調もすこぶる
良さそうだった。急ぐ必要はない。

 そう思いつ日程は終了し、リアル社会に復帰した。
 
 

 堀監督が亡くなっている。凹凹凹 

 

 友人から来たメールは俄かに信じがたかった。

 意味が分からなかった。

 そんなはずはないじゃないか。

 とても元気そうだったし、思慮深く、慎重に生きている雰囲気もあった。

 しかも、快濶に話されていたのはほんの一、二週間前のことだ。

 何かの間違いだろうと思いたかった。

 自宅に帰って、慎重に検索すると、果たして亡くなられていた。

 恐ろしく、不覚にも

 「夏の娘たち ~ひめごと」(2017)

 「Making of Spinning BOX 34DAYS」(2012)

 を驚嘆と嬉しさが何度も交錯の中で夢中で観ていたその時にはもう堀監督は
冥府に旅立たれていたのだ。

 日本の映画界はこれで少しは安泰だ。 

 堀監督は、現代の成瀬己喜男になれるかもしれない。

 既に堀禎一のいなくなった世界に生きている事も知らずに、そんな事を考えて独り
満足していた。  
 
 
 堀監督、そりゃ、ないよ。

 余りにも早すぎる。 

 たった一ヶ月前に現れて、永遠に去っていくなんて。 
 

 早すぎるよ。堀さん。

 寂しい、つまらない世界になるよ。 

 でも、頑張ってみるよ。 
 
 
 ありがとうございました。 

 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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コメント

こんばんは
僕はこの監督の事よく知りませんが
元気だと思っていたら亡くなっている

水木しげるも
渡瀬恒彦も

急に亡くなって驚きました。

「若きとて末を遥かに思うなよ 無常の風は時を選ばず(詠み人知らず)」というやつですね

投稿: ベジ太 | 2017年8月 2日 (水) 23時04分

こんばんは。
東京放浪記完結お疲れ様(^-^)\
 

>水木しげるも
渡瀬恒彦も
 
そこそこ歳行ってたよね。お二人とも。
渡瀬恒彦はいつまでも若いイメージだったけど
享年72歳だったんだね。
 
水木しげる御大にいたっては、享年93歳!
あんまりいつまでもお元気だから
自分は妖怪だから死なない(死ねない)かも
とかいつか言ってたなー(^^;)
 
ジャンヌ・モローも亡くなったすね。。
 

>「若きとて末を遥かに思うなよ 無常の風は時を選ばず
(詠み人知らず)」というやつですね
 
ベジ太君、本当は何歳なん?
\(@_@)/

投稿: kuroneko | 2017年8月 2日 (水) 23時56分

まぁみな
明日は死んでるかもしれませんからねぇ…
 
死ぬ順番は誰にもわからんです

投稿: 万物創造房店主 | 2017年8月12日 (土) 01時49分

ですね。

投稿: kuroneko | 2017年8月12日 (土) 23時25分

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