映画「果てなき路」
「果てなき路」
Road to Nowhere
監督: モンテ・ヘルマン
脚本: スティーヴン・ゲイドス
撮影: ジョゼップ・M・シヴィット
編集: セリーヌ・アメスロン
音楽: トム・ラッセル
音楽監修: アナスタシア・ブラウン
出演: シャニン・ソサモン,タイ・ルニャン,ウェイロン・ペイン,クリフ・デ・ヤング,
ドミニク・スウェイン,ロブ・コラー,ファビオ・テスティ
時間: 121分 (2時間1分)
製作年: 2010年/アメリカ
(満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)
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どこかフランス映画の香り高いアメリカ映画。これはアメリカの良心の体現と
言ってもよいような監督のモンテ・ヘルマンの"気品"からくるものなのかもしれない。
現実とフィクションがゆっくりと交差し、その刻みの細かさは後半加速していく。
劇中における若き才能溢れる監督の主演女優への思いに
"寄り添わない展開"
はアメリカ映画的であるように思え、個人的には「寄り添ったまま」カオスに突入
してほしかった。
「撮影現場」が劇中の舞台であり、各シーンが物語の展開そのままとなるので
その道に興味がある人はより楽しんで且つ学ぶこともできる工夫がされている。
それは、きっと制作サイドが意図していることでもあるのだろう。
「今まで何本の作品を見たの?」
「他人の夢を"観る"時間にふどれだけ費やしたのか映画監督に聞くのは
タブーだよ」
カッケー。
絶対に言えないこんな台詞(←当たり前)。
『現実』は決して一枚岩ではなくて何枚もの薄い、それぞれが破れ易い層が
重なって、少し遠くから見た茫漠としたもの、それこそを「現実」と呼ぶ。
薄い層は描けているのだが、結局その各層を分解してみせずに丸ごと鍋に
放り込んでしまうような展開がどうにもアメリカ的?である。
中盤での主演女優は、神がかり的に"美しい"が後半の展開には色々物言いを
付けたいことは付けたい。
少しドライ過ぎる気がしてしまうが、こちらの方が"リアル"なのだろうか。
ラストについては答え合わせをしないで考えるのが正しい鑑賞方法ではないかと思う。
「ターミネーター2」(1991)でVFXを担当した4ワード・プロダクションがエンドクレジットに
見える。後半の飛行機激突シーンだろう。
そういえば、このVFXシーンにはどことなくT2のトーンが感じられる。
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