映画「ロストワールド」
「ロストワールド」
原作: コナン・ドイル
監督: ハリー・O・ホイト
脚本: マリオン・フェファックス
撮影: アーサー・エディソン,ホーマー・スコット,デイヴ・ジェニングス
特撮: ウィリス・H・オブライエン
出演: ウォーレス・ビアリー,ベッシー・ラヴ,ルイス・ストーン,アーサー・ホイト
時間: 55分
製作年: 1925年/アメリカ
(満足度:☆☆☆☆+)(5個で満点)
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いわゆる"絵空事"なので、人間ドラマの部分が薄っぺらくなるのはやむを得ず
なのだが「怪獣映画」の原初からして、Aからして「こうなのか」と思わず苦笑。
まずは、翼竜が遥か上空をゆっくりと旋廻して獲物を美味そうに啄む記念すべき
恐竜共の初登場シーンの掴みは『完璧』であり、21世紀の今観ても充分に心躍る
ものがあって実際、純粋に感動した。
当時の人々は内心で「撮影に本物を使っているのではないのか?」と思った
人もきっといたと思う。
謎の大陸で謎の巨大生物達が思う存分暴れてくれて
「どうせ適当にENDマーク」
で終りかと思いきゃ、、
後半の怒涛の展開は、スタンディングオベーションもの。
驚きよりも、「ここまでやるか」という感嘆であり、
『90年近く前の作品』!!
なのに、それ以降の数知れない怪獣物、恐竜物の技術革新に対応した見せ方の
進歩の無さと、本作の今となれば"誰でも"出来るかとも思われる撮影テクニックに
対しての「超絶」といっても全く大袈裟ではない見せ方の圧倒的な上手さと
モブシーンとの結合のプロ振りに楽しいのと同時に哀しみも湧いてきて
マジで泣きたくなった。
本作を何度でもそのまんまリメイクするだけで世界的にヒットすることは
間違いなく(実際にそうされているわけだが)
「後続がいかに資金を投入しようが才能を集めようが研究を重ねようが
ブロックバスターした先頭集団を越えることはあらゆる点で不可能である」
という法則は映画においてはまず不変の法則といってよく、本作においても
この法則が実に奇麗にあてはまる。
そして、残念であることにこそ当時のスタッフに惜しみない拍手を送りたい。
あくまでも挑戦し続ける後続達にもまた。
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