書籍・雑誌

2009年1月14日 (水)

本「億万長者はハリウッドを殺す」

本「億万長者はハリウッドを殺す」(上・下巻)
 
 
アメリカ創世記から2008年の今現在に到るまで
(本書で取り扱っているのは1980年代レーガン政権まで)
我々を取り巻く世界は「一貫して」一体誰に支配され
続けているのかということを実在の超巨大財閥に巣くう
人間たちの『履歴』を徹底的に洗うことで調べてみよう
というなかなか興味深く且つスリリングな本。

10代の頃読んでいたら大変な衝撃を受けてしまったかもしれない。

というか間違いなく受けていただろう。でも小物の自分は
どちらにしろ「今の自分」に近いところに着地していただろう
とも思い直した。

20世紀に世界規模でおきた大事件の"点"と"点"を若干荒っぽく
ではあるが長大な200年近くに及ぶ『線』に縫合仕立てた労力と
勇気には評価したい。日本人としてもさらに加点しなくては
なるまい。本書はその荒っぽさで永遠に評価は別れっ放しの
一種の奇書であろうが十分手荒に扱われた我々としてはこの
くらい手荒に総括してやってもいいだろう。勿論一方的な
被害者面しているわけでは無論無いが。

また本書の手法は自分が全く偶然ではあるがかねがね有効では
ないかと考えて実践も考えてた手法そのもの(その人の発言ではなく
あくまで生きて動いた行動の軌跡と出自のみから考察して正体を考える)
なので推理小説同然に楽しく読めた。

映画に長年親しんできて蓄積されてきた邦画・洋画を問わない
ある『疑問』というか『疑惑』は本書によりほぼ『確信』に変わった。

と言ってみても自分もそれなりに擦れた三十路過ぎなので
極論的には

「まあ、偉いこっちゃけど仕方無いわなー我々負けたし
今も負けっ放しやしこの分じゃこれからも多分負けるし」

という程度のリアクションで今後も映画を観て酒飲んで
何か適当に食って適当に働いてどこかの勝ち組とやらに
適当に(といいつつ出来る限り)抵抗して死にます。

本好きでお暇な人は一読をお奨め。
テレビのワイドショーとかお好きな方は。。
あまり鵜呑みされないように。

10代の方は読了後、ご両親や先生、ご学友などなるべく
沢山の意見を異なる方々とディスカッションしてさらに次々と
読書をされていくがようかろうて。

とりあえず自分は残り半分の人生を生きるのにエネルギー補充
された&次の試験の傾向と分析には確実に役立った感じはします。
つまりは
生きるのがより恐ろしくなり、より面白くなった。

映画好きを自認する人にとっては必読の書か。
希代の奇書か、はたまた禁断の本か。

今この瞬間も世界は本書の登場人物達(とそのDNAを継ぐ者達)の
思うがままに進んでいる。。??

注:入手はやや難かも
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「億万長者はハリウッドを殺す」上・下巻
広瀬 隆(ひろせ たかし)著
講談社

 

 

 

 

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2008年11月 8日 (土)

本「中原昌也 作業日誌 2004→2007」

「中原昌也 作業日誌 2004→2007」
 
 
[kuroneko ブック・オブ・ザ・イヤー 2008] 受賞!

読んでいて無類に面白い。時の経つのも忘れる。

本を読んで「無類に面白い」なんて表現が浮かんだのも何年鰤だろ。

著者である中原氏の本当に捨て身の日常のライブ感と
"心を吹き抜ける隙間風"の虚しさに驚愕し恐れ入りそして、正直どこか羨ましく思う。

「だったら代わりにやってみぃや。ボケェ!!」(゚д゚メ)
という著者の罵声が聞こえてきそうだけど(^^;)

帰宅してからちょこっと。寝る前にちょこっと。
数日分ずつを毎日チマチマ読む愉しさったらない。

読み終わってしまう瞬間を思うと今から何やら寂しい。
(やたら惜しみ読みしているので読了は多分年末当たりか)

まあ読み終わってしまったらまた最初のページから読めばいいのだ( ̄ー ̄)
余裕で一年間は枕元にあることでしょう。

毎日読むよ。
繰り返し読むよ。
声に出して読むよ(←ウソ)。

金持ちから貧乏人まですっかり嘘つき&偽善者ばかりが
目立つ社会と成り果ててしまったこの国で著者の無謀な
愚挙の連鎖の日々とその叫びの虚しさは真に賞賛に値する

 
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3月27日
この日記を始めて以来、何もかもが
悪化の一途をたどっているような気がし
てならない。そもそも文筆自体が、自分
の首を絞めているのだ。人から適当に
面白がられ、心の中ではフリークスのよ
うに蔑まされ、貰える報酬なんて空き瓶
拾い以下である。こんなこと何のために
やっているのだろうか・・・
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本書より
 
  
Good job!! 中原さん。絶対にマネ出来ません。。(ーー;)

柳下毅一郎氏のブログでの賞賛
http://garth.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-952c.html

第18回 Bunkamura ドゥマゴ文学賞受賞

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「中原昌也 作業日誌 2004→2007」
中原昌也(なかはら まさや)著
boid

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2008年5月29日 (木)

雑誌「PLAYBOY」7月号

雑誌「PLAYBOY」7月号
特集: 誕生80周年 チェ・ゲバラ ぶれない男

月刊PLAYBOYの最近の仕事振りは素晴らしい。
っていつものことかもしれないけど。
こんな雑誌を作っている現場で仕事してみたいなー
雑用でも何でもいいから。

チェ・ゲバラの遺体の写真はちょっと洒落にならない
インパクトがある。(p48,p51)

眠るような安らかな表情の~という写真はよくあるが。。
起きているよ!マジで( ̄ロ ̄lll)

"その姿はまるでキリストのようだ"

という説明は全く大袈裟ではない。目が点になった。

革命家チェ・ゲバラはキューバを去った後
ボリビアに次なる革命の夢を描こうとするが戦闘後に
捕らえられ時のボリビア大統領バリエントスの命令により
1967年10月10日射殺される。享年39才。
遺体の埋葬場所が明らかになったのは30年後の1997年6月
のことだったという。

ゲバラは日本にも来ていた。
それは1959年7月15日。

当時通産相だった池田隼人(第58代~60代内閣総理大臣)は
15分の約束でゲバラと会いきっちり15分で席を立った。

7月24日、大阪にいたゲバラは広島がそう遠くない
ことを知る。広島に原爆が投下されて多くの犠牲者が
出ていたことを知っていたゲバラは広島に向かい
翌25日に原爆死没者慰霊碑に献花し原爆資料館を訪れた。

資料館を見学中にゲバラは案内役の日本人担当者にこう
言ったという。

「アメリカにこんなにされてなお、君達日本人は
彼らの言いなりになるのか」 (p45)

同日、ゲバラ一行は原爆病院も訪問している。

ゲバラは、
トヨタの製造ラインを見学し、
三菱重工の飛行機製造現場を訪れ、
川崎重工造船所を視察し、
久保田鉄鋼堺工場で農業機械の作られる様を眺め、
耕運機や農薬散布機を実際に動かし、
丸紅・鐘紡を回り、
大阪商工会議所主催のパーティに出席し、
ソニーのトランジスタ研究所を訪れ、
建設機械工場・映画スタジオ・肥料工場・製鉄所・
繊維機械工場などを精力的に回った。

7月27日、キューバ使節団は日本を立った。

翌年キューバと日本の間に通商条約が締結され
現在も継続中(!)。

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特集以外にもドレスデン空爆をテーマにした本邦初翻訳による
カート・ヴォネガットの未発表作品
「阿鼻叫喚の街-戦勝国アメリカの非道」
も短いながらも読ませる。

「・・・どんな手段を使ってもいいから、殺せ。
殺せ、殺せ、殺せ、わかったな?」
新兵たちはぎこちなく声をあげて笑った。 (p74)

wikiによればドレスデン空爆は1945年2月13日~14日にかけて
行われ死者は3万とも15万とも言われている。

いわゆる東京大空襲は1945年3月10日に行われた。
(死亡者8万人以上,負傷者4万人以上,被災者100万人以上)

ドレスデン空爆 -> 東京大空襲 -> 広島・長崎への原爆投下

これら全部をたった一年以内(約半年間)で。。
少しでも知っておいて何ら悪いことは無いだろう。

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「アメリカにこんなにされてなお、君達日本人は
彼らの言いなりになるのか」

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残念なことに今もって、そしてこれからも有効であり続ける問いかけだ。

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2008年4月30日 (水)

雑誌「PLAYBOY」6月号

雑誌「PLAYBOY」6月号
特集: 世界を変えた50枚の写真

写真に詳しい人にとっては見たことのある著名
な作品ばかりかもしれないけれど

写真は好きだけどそれほど詳しくはない。
という人にはとてもお勧め。永久保存版。

レイアウトが素晴らしく。各写真の短文もグッド。
表紙と掲載されている写真のバランスも
よく購買意欲をそそられた。

PLAYBOYは昔から読んでいるけど相変わらず写真
の扱いが上手い。

超有名なロバート・キャパの写真
「崩れ落ちる兵士」
Spain Civil War("The Falling Solidier")(1936)

も掲載されており記事は"ヤラセ疑惑"についても触れて
いるが、疑惑が起こっている理由はこの写真と
同一人物と思われる人間が別の写真でほとんど同じ
服装で全く緊張感なく演習風景と思われる塹壕で銃を
構えてい写真が残っており撃たれる瞬間を撮られた写真
との時間的な連続性に疑問を持たれていることが
理由としてある(二枚の写真はほとんど同時期に撮られている)。
私の意見としては記事でも書いてることだが
例えヤラセだと判明してもこの「崩れ落ちる兵士」の持つ迫真性と
ドラマ性の高さは今後も評価されるべきで何ら写真自体の
価値が堕ちるものではないと思う。

初めて見る写真も少なくないが
中でも以下の二点は特に感銘を受けた。

「ブラジル、セーラ・ペラーダ金山」
セバスチャン・サルガド
Serra Paleda,State of Para,Brazil(1986)

金山で働く人々を高所からダイナミックな構図で捉えて
いて画面から漂う群集のパワーは何だか"叙事詩"という
言葉が浮かぶ。

(ダッハの運河に沈むナチス親衛隊の死体)
リー・ミラー
Dead SS Guard floating in Canal, Dachau,1945'

眠るように河に浮かんでいる男の死体。その死体の表情
の穏やかさとある種の"美しさ"。そしてナチスであるという
事が見る者にこの男が親衛隊としてどのように生きて
なぜ死んで運河に浮かんでいるのかを考えずにはおかない。
生前にどんなに力を行使しても死んでしまっているという
人としての哀れさも。

他の掲載写真も見る度に異なるイメージを抱かせる
傑作写真ばかりで何度見ても飽きない。
グッジョブしてるっす。(*^ー゚)b

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