リーマン戦記(32)
リーマン戦記(32)
融解していく世界とその後
今年はベートーヴェン(1770-1827)が誕生して250年が経つ。感染騒ぎが
起こらなければ単に称賛され、世界各国で催し物が開催されるに過ぎなかった
だけだったかもしれないが、世界中であらゆる既成の価値観が大きく揺さぶられた
今年の騒動以降からは氏の功績はより高く評価されることになるだろう。
ベートーヴェンが今後も称賛されて止まない点については
音楽をパトロンの手から解き放った事に尽きるだろう。
音楽そのものの力、魅力を大衆に渡した。音楽自体だけではなく、その周辺の鎖、
因習を打ち砕いた革命者だった。その意味においてベートーヴェンほど
『アーティスト』の名に相応しい人もいない。アーティストの中のアーティスト
と呼ぶべき人間だろう。
250年前に生きた人間が解き放った"力"(Power)は今、きちんと継承されているかを
問いかける良い機会になるのかもしれない。
音が奏でる美しさを資金を提供した者やごく一部の人間に独占されない状態とは
どんな世界なのか。ルネサンス"復興"とは一体何なのか。本当の復興を起こすチャンス
でもある。
世界で多くの人々が混乱の最中にあり自信と希望を失っている。本来ならば今こそ
「政治」の出番だろう。経済や諸活動はその後に整備されていくはずなのに。
どのように世界を再設計すれば人々は安心して生活にまい進していけるか。
政治家は政策を力強く、判り易く提言しなくてはならない。
"Applaudieren Sie , meine Freunde, die Komödie ist vorbei"
"Schade, schade-zu spät!"
「諸君、喝采を。喜劇は終ったのだ。」
「遅すぎる、遅すぎる!」(ワインが到着した後の、最期の言葉)
闘いは終らない。始まればいつかは終り、終わる端からまた始まる。。
<=== Back To be continued ===>
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