ビジネスマンとステーツマン
某超大国の某大統領は、芸能人や評価の確定している過去の歴史的な
人物を除けば、ここ半世紀では史上最も世間を常態として賑わせた人物と
言えるかもしれない。
自分が注目している点としては、某氏がどこまで「ビジネスマン」として
大統領職を全う出来るかという点にある。
本当の政治家は、尊敬の念も含めてステーツマン(statesman)と呼ばれる。
これは、選挙で当選した人という意味ではなく、政治家としての本分を
尽くすまたは尽くした人間に与えられた名誉ある称号とも言える。
"states"とは、英語で「国」または「故郷」を意味し、単に自分の生まれた
場所や出身地という以上の大きな意味合いを持つ。
ステーツマンの本分とは、国家と国民の財産と権利を守り、国際秩序と
人権を尊重し、理念を篤く有し、国家についてグランドデザインを明確に持ち、
富を公正に分配するスキルと勇気を有す。というところになるだろうか。
前述の選挙で当選しただけではと言ったのはそういう意味である。
全体のバランスを無視して、ある特定の層の人間の所得を強引に倍増させる
ような事はステーツマンのするところでは決してない。某氏は、(特定の)利潤を
追求しようとする姿勢と主張については当選前から一貫しているし、現在も、
その姿勢ゆえに政府とも同じ党内の人間とも摩擦が起こり始めているのは
彼なりに培って来たビジネスの手法に則っていることが要因の一つであり、
もしかしたら最大の点なのかもしれない。
国際情勢は卵の殻に例えることもできるデリケートなものでもある。
ステーツマンがチラホラとしか見当たらず、ビジネスマンや、ただただ選挙を
勝ち抜いただけの視野の狭い人間、見識の狭い人間ばかりが舞台に溢れる時、
卵の殻には罅が入り、修復するのもまた容易ではない。
世界中の民は、ステーツマンを見出すべきであり、また待望している。
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